TVアニメ「蟲師 続章」第17話「水碧む」(みずあおむ)。ヒトとは在り方の違う「命の別の形」それが蟲。「蟲師」は、蟲が人に影響したときに現れる奇妙な現象を集めた奇譚集。案内役のギンコと共に「蟲師」の世界の詳細あらすじを追う。感想・考察も加え、作品を深掘り!



第17話/「そうだね。あんたは、どこにでもいるんだものね・・・」。「千の風になって」水バージョン。

出展/TVアニメ「蟲師 続章」

 

第十七話

水碧む

mizu aomu

 

今作の舞台は、おそらく熊本県の球磨川がイメージされている。夏の谷川の美しさが楽しめる作品だ。が、物語はひどく悲しい。悲しさにおいては「蟲師」イチではないかと思う。

 

川を自在に泳ぐ少年

▲「おう悪ぃな、煙たかったか」 出展/TVアニメ「蟲師 続章」

 

夏。緑美しい谷川にギンコは来ている。青緑色の澄んだ水をすくいあげ、ギンコは顔を洗った。「ふぅ」と一息ついて視線を上げると、川を少年が泳いでいた。

 

ギンコ「へぇ、うまい事泳ぐな」

 

川辺でしばらく蟲煙草をふかしたギンコは、やおら立ち上がり、背負い箱を肩にかけた。──と、ゲホゲホ咳き込む音が聞こえた。見ると、先ほどの少年のところに煙草の煙が流れていっている。

 

ギンコ「おう、悪いな。煙たかったか」

 

煙を払いながら少年に近づき背中に手をあてたギンコは、あまりに少年の体温が低いのに驚く。そこに、少年の母親がやってきた。少年は「涌太(ゆうた)」といった。

 

母親「涌太(ゆうた)ー」

 

そして息子の側にギンコがいるのを見つけた。

 

母親「涌太? どうしたの? あの、一体何が・・・?」

 

ギンコ「いや申し訳ない。煙草の煙吸っちまったみたいで」

 

涌太(ゆうた)は母親の着物を引っ張り「かあちゃ。ん、ん」と魚がたっぷり入った魚籠(びく)を見せる。

 

母親「今日もたくさん捕れたわね。さ、もう帰るわよ」

 

涌太(ゆうた)の様子が普通と異なるのを見て、ギンコが母子を呼び止める。涌太(ゆうた)は、おそらく12歳くらいだが、言葉はあまり達者でなかった。しかもただ体温が低いだけでなく、手に水掻きがついていた。

 

ギンコ「あの。その子、泳ぎは達者だが、走るのは少々不得手では」

 

母親「・・・だったら何なの」

 

ギンコ「異様に喉の渇きを訴えたりは?」

 

母親「何が言いたいんですか?」

 

母親はギンコを不審がった。ひどく警戒した言い方だが、それでもあまりに図星をさされて、詳しく話を聞きたくなったようだ。

 

「雨蟲(うこ)」という蟲

▲雨蟲は、川に流れ込むと群れて巨大魚のような姿に 出展/TVアニメ「蟲師 続章」

 

母子は、川の側に住んでいた。母親の名前は「タキ」。家に帰ると、涌太(ゆうた)は疲れたらしく昼寝をし、その隣でギンコはタキと話す。

 

ギンコ「いくつか、我々、蟲師の記録と符号する点がありましてね。低い体温、言葉の遅れ、稀に水掻きのある者も」

 

タキ「それが、何だってんです。妙な言いがかりは・・・」

 

ギンコ「それらの原因が蟲なら、影響を薄める薬があります。やはり、他の子と様子が違うのは、いろいろと不安なんじゃないですか?」

 

タキは視線をそらし、困ったような表情だ。眠っている涌太(ゆうた)は、水掻きのある手で泳ぐような仕草をした。「夢ん中でも泳いでんのかね」と、ギンコが見ていると、涌太(ゆうた)の閉じた目から涙が流れた。その涙は頬を伝い、首筋から襟元をたどって床をうねうね動きながら這って行った。──蟲だ。

 

ギンコ「あの子の中には、雨蟲(うこ)という蟲がいます。個体としては肉眼では捉えられないほど小さなモノ──それが雨に紛れ川へ流れ込むと群れて碧い巨大魚のような姿で川を下り、やがて海に出て子を成す。それがまた水蒸気に紛れ雨となり山河に降り注ぐ・・・」

 

ギンコはタキと差し向いに蟲の説明をする。タキはただ目を見張って聞いている。

 

ギンコ「そうして生きているモノにすぎないが、川を下る時に、群れの一部が淵などに取り残されると、魚に喰われないように山椒魚などの体内に寄生する。・・・が、ごく稀に、溺れて仮死状態となった人に寄生する事もある。そうなると蘇生はするが、息子さんのような影響が残り、完全に抜く事はできない」

 

ギンコは瓶に水薬を移し入れながら続ける。

 

ギンコ「大水が起こると濁流に乗じて海へ出ようと自ら抜け出る事もあるが、いつ起こるともわからない。まずはしばらく、この薬で様子を見てください」

 

ギンコは水薬をタキに渡した。

 

──この蟲、以前にも見た事があると思った。たしか「旅をする沼」で、と調べたら、そちらは「水蟲(すいこ)」だった。「旅をする沼」の「水蟲」は、じょじょに人が透明なゼリー状になり、やがて水に同化していた。

 

薬の効果で涌太(ゆうた)に友だちが!

▲「あれ、おまえ。そんな体冷たくねぇな」 出展/TVアニメ「蟲師 続章」

 

ギンコからもらった水薬を飲み始めると、涌太(ゆうた)の様子が変わってきた。言葉がだいぶ達者になり、手の水掻きも消えた。

 

少し離れたところに同じくらいの子どもが3人川遊びをしていた。涌太(ゆうた)が岩陰から見ていると、ひとりが気づいて「何だよ、入れてやんねーぞ」と言ってきた。

 

少年「あいつ、体が魚みてぇに冷てぇんだってさ。人の子じゃねぇんだ。気味悪ぃ」

 

それでも涌太(ゆうた)はめげず、魚籠に入った大漁の魚を見せて「むこう、たくさんいる。いっしょあそぼ」と誘った。子どもたちは最初は少し嫌な顔をしていたが、すぐに打ち解けた。涌太(ゆうた)に腕が触った少年は、こうも言った。

 

「あれっ。おまえ、そんな体冷たくねぇな」

 

「ほんとだ」

 

「誰が冷てぇとか言ったんだ?」

 

「さぁ」

 

そんなやりとりを岸で聞いていたタキは嬉しそうだ。

 

川はどこからくる?

▲「形は違うけど、皆同じなの」「そっかぁ」 出展/TVアニメ「蟲師 続章」

 

夜。蚊帳の中に布団を並べて涌太が母親に訊く。

 

涌太(ゆうた)「ねぇ、かあちゃん」

 

タキ「なぁに?」

 

涌太(ゆうた)「川はどこからくる?」

 

タキ「山奥の谷から流れてくるのよ」

 

涌太(ゆうた)「谷の水、どこからくる?」

 

タキ「空の雲から降ってくるのよ」

 

涌太(ゆうた)「じゃあ、空の雲は?」

 

言葉が達者になったせいか、涌太は母親を質問攻めだ。タキは嬉しそうに、考え考え返事する。

 

タキ「海から生まれるのよ」

 

涌太(ゆうた)「うみ?」

 

タキ「この川が行きつくところよ。たくさん水があるところ」

 

涌太(ゆうた)「たくさん? どれくらい?」

 

タキ「うーん。母さんもまだ見た事ないけど、見渡す限り水なんだって」

 

涌太(ゆうた)「へえぇ。じゃあ、うみも川も雨も雲も。ぜんぶ一緒?」

 

タキ「そうよ。形は違うけど、みんな同じなの」

 

涌太(ゆうた)「そっかぁ」

 

これまでなかった涌太の好奇心が嬉しくて、タキは思わず息子を抱きしめた。

 

「おれ、溺れた事ないよ」

▲「おじさん」と呼ばれて傷つくギンコ 出展/TVアニメ「蟲師 続章」

 

しばらくして、ギンコはまた母子を訪ねてきた。どこかに行って、その帰りに寄ったという感じだろうか? それとも、先に渡した薬が少なかったので、調達して持ってきたのかもしれない。

 

涌太(ゆうた)は、里の子たちと一緒に川で遊んでいた。

 

ギンコ「よう、元気そうだな」

 

涌太(ゆうた)「あ、煙のおじさん」

 

「おじさん」という呼び方に傷ついたギンコだが・・・。薬の効果で涌太(ゆうた)が以前よりしっかり話せているし友だちもできたのを喜んでいる。

 

ギンコ「薬が効いたみたいだな」

 

タキ「はい。体温もずいぶん上がりましたし、以前は日に一升も水を欲しがりましたが、今は七合ほどに減ってきてます」

 

ギンコ「そりゃ良かった」

 

タキ「ありがとうございます。あの薬、またいただけますか?」

 

母親のタキも嬉しそうに言った。

 

ギンコ「言っておくが、おそらくこれ以上の効果は望めない。蟲が抜けたわけではないのでね。本来、人に寄生するモノではないから、人とはそう深く結びつかないが、山椒魚などは寄生されて数年経つと同化して、水に消えてしまう。そういう、厄介なモノなんだ」

 

タキ「・・・そう。でも、あの子は大丈夫なんでしょう?」

 

ギンコ「おそらく、薬で影響を抑えながら、現状を保てるはずだ。それでよければ、また頃合いを見て薬を持って来る。ま、薬代は安くしとくよ」

 

タキ「そうね。それで十分・・・」

 

これまで、普通の子とは違うからと友だちもできなかった涌太が、薬で年相応に話せるようになり、友だちもできたのだ。息子がこのまま育ってくれれば、タキにはそれで十分なはずだ。以前の心配な時期から比べたら、どれだけ嬉しい進歩だろう。

 

タキの家を辞した帰り道、涌太はギンコを見つけて話しかけてきた。

 

涌太(ゆうた)「おじさん、次いつ来る?」

 

ギンコ「んー? 秋口だ。じゃあな、もう溺れんなよ」

 

涌太(ゆうた)「おれ、溺れた事ないよ」

 

ギンコ「ウソつけ、忘れてんだよ」

 

そこで友だちが涌太を呼んだ。涌太は「じゃあ、またね」と走っていく。涌太の言葉に引っかかりを覚えながら、ギンコはその後姿を見送った。

 

「雨蟲(うこ)」を抜こうとして涌太が消えた・・・

▲「もう行かなきゃ」と暴れる涌太 出展/TVアニメ「蟲師 続章」

 

数日後、台風のせいか、あたりはひどい土砂降りになった。川は増水し、流れも速い。夜、涌太は布団を抜け出し、外に出ようとした。

 

涌太(ゆうた)「いかなきゃ」

 

一言いうと、涌太は土砂降りに駆けだした。タキが追いかける。川のそばにつくと、ギンコが涌太をつかまえていた。

 

タキ「ギンコさん!」

 

ギンコ「ここらが長雨だと聞いてな。このままだと鉄砲水が来る。危険も伴うが、うまくいきゃ雨蟲(うこ)を抜けるかもしれん。やるなら手を貸す」

 

ギンコとタキは、濁流の中の大木に涌太を縄で縛った。「もう、行かなきゃ」。涌太はうわごとのように繰り返し、母親の手を振りほどこうとする。

 

タキ「何言ってるの。やめなさい! 絶対に、絶対にどこへもやらないから!」

 

タキは息子を抱きしめた。涌太は母親の腕の中で、じっと嵐の過ぎるのを待った。川はごうごうと音立てて渦巻き、草木を揺らし、川の生き物たちを押し流してゆく。

 

──やがてあたりが明るくなるにつれ、雨はようやく小降りになった。

 

タキ「涌太、起きて。朝よ。涌太、返事して」

 

涌太(ゆうた)「かあちゃん」

 

目を開けた涌太は、しっかりタキを見てこたえた。

 

涌太(ゆうた)「かあちゃん、どうしたの。雨こわかったね。もう怖くないよ」

 

「よかった」と息子を抱きしめると、涌太は不思議そうな顔をした。

 

涌太(ゆうた)「ねえ、かあちゃん。のどかわいた」

 

タキ「・・・そう。川の水は泥が混ざっちゃったから、山のほうの井戸まで行こうか」

 

雨の間に雨蟲(うこ)は抜けたかと思ったら、涌太はまだ水を欲しがる。ということは、抜けていないということだ。ギンコが涌太をおぶって川の中を歩いていると、涌太の体がひどく熱くなってきた。

 

タキ「どうしたんです?」

 

ギンコ「おかしい。体がひどく熱い・・・」

 

涌太を背から下ろすと、その体から水蒸気のようなものが立ち上り始めた。

 

▲「涌太っ!」 出展/TVアニメ「蟲師 続章」

 

驚いたタキが涌太を抱きしめる・・・間もなく、涌太の体は着物だけを残して消えた・・・。

 

タキ「涌・・・どこ、どこへ消えたの・・・どこなの!?」

 

・・・時が止まった。

 

「そうだね。あんたは、どこにでもいるんだものね・・・」

▲「川で溺れたのは、あんたか」 出展/TVアニメ「蟲師 続章」

 

それからのタキの悲嘆ぶりは描かれていない。泣きわめいて川の中に息子を捜そうとして、それをギンコが止め、「雨蟲を抜こうなんて、あなたが言わなければ!」と、ギンコをなじったりもしただろう。たっぷり1日かけて、夜になる頃にはタキはもう抜け殻のようになっていた。

 

自宅の中も水に浸かったらしく、室内は荒れていた。涌太の着物を持ったまま、タキは呆然と座っている。

 

タキ「どうして・・・あの子は・・・」

 

蟲煙草を手にじっと考え込んでいたギンコが、やおら口を開いた。

 

ギンコ「あの子は、自分は溺れた事はないと言っていた。──川で溺れたのは、あんたか?」

 

タキ「・・・はい」

 

──それは、涌太が生まれる10ヵ月ほど前のこと。タキと夫は、川を舟で下っていた。いつもより水の流れが早く、舟は岩に当たって転覆してしまった。タキは何とか助かったものの、夫は川の深みで見つかった。

 

▲「今日は流れが速いな」 出展/TVアニメ「蟲師 続章」

 

その後タキは臨月を迎え、男の子を出産した。生まれてきた子は冷たかった。産婆はてっきり死産だと思ったが、赤子は生きていた。それが涌太だった。

 

タキ「皆・・・おそろしいと言ったけれど、私は嬉しかった。普通でないなりに、これまで生きてくれたんです。どうして、今になって・・・」

 

ギンコ「・・・胎児は、胎(はら)の中で水に浸されていて、人よりもカエルや山椒魚・・・水の生き物に近いという。あの子は、その段階で雨蟲(うこ)に寄生された。そして、そのまま胎内で成長していくうちに──分離できないほど深く深く一体化してしまった・・・」

 

タキ「私が・・・私がそんなモノに憑かれたせいで」

 

ギンコ「あの子がはらの中で無事だったのは、まずあんたが雨蟲に寄生されて蘇生したからだ。でなけりゃふたりとも、生きてはいなかったろう。あいつは生きた。確かにここに、生きていた──」

 

タキはただ息子の着物を抱きしめ泣いた。

 

涌太(ゆうた)「じゃあ、海も川も雨も雲も、ぜんぶ一緒?」

 

タキ「そうよ。形は違っても皆同じなの」

 

いつか蚊帳の中で話した会話が蘇る。

 

▲「そうだね、あんたはどこにでも、いるんだものね」 出展/TVアニメ「蟲師 続章」

 

雨が降る。その雨粒を掌に受け、タキは思う。

 

タキ(涌太、あんた今どこにいる。川かしら、海かしら、雨かしら)

 

「どうしたの、もう怖くないよ」。涌太の優しい口調を思いだす。

 

タキ「そうだね。あんたは、どこにでもいるんだものね・・・」

 

とめどなく落ちてくる雨を体じゅうで受けながら、タキは呟いた。

 

これは辛い・・・。

▲「あいつは生きた。たしかにここに、生きていた」 出展/TVアニメ「蟲師 続章」

 

夫を亡くし、なんとか生まれてくれた子をまた亡くし・・・。しかも子どもが亡くなったのは、自分が雨蟲に寄生されたせいだと知ってしまったタキ。これはもう、生きていくのが辛いレベルだろう。タキの今後が心配だ。タキはまだ若い。近い将来に幸せが待っていると信じたい。

 

今作は、たいへん映像的なアニメ向きの作品だった。澄んだ川の美しさや増水した濁流の迫力は、原作を越えていたと思う。息子の様子に一喜一憂するタキの心情も、情感たっぷりに演じられていた。最後のすべてを受け入れたタキの独白も、悲しいけれど優しく、美しかった。

 

子をもつ親の身では、くり返し観るのは辛いが、それだけ感情に訴えかける作品に仕上がっているのは確かだ。

 

ただ。なぜ涌太を障碍者を思わせる子どもにしたのか、そこだけは疑問に思えた。その方がより哀れを誘い悲しみが増幅されるからだろうか。体温が低くて、皆から気味悪がられている程度で良かった。必ずしも必要でない、少し軽率な設定のように思えたが・・・。

 

河童+千の風になって+蛍火の杜へ


愛蔵版 蛍火の杜へ (花とゆめコミックス)

 

今作の創作の元は、「河童」+「千の風になって」+「蛍火の杜へ」だろう。

 

今作の原作漫画は、「月刊アフタヌーン」2007年8月号に掲載された。「千の風になって」は、2006年に秋川雅史さんにより歌われ大ヒットした楽曲。その年の紅白でも歌われたので、原作者の漆原友紀さんも知っていたはずだ。

 

「千の風になって」は、簡単に言うと「わたしはお墓にいないので、お墓で泣かないで。わたしは千の風になって吹きわたっています」という歌詞。2番では光に、雪に、鳥に、星になると歌われる。今作「水碧む」で涌太は、水になったわけだ。

 

「蛍火の杜へ」は、2002年に発表された緑川ゆきさんの漫画作品。緑川ゆきさんは「夏目友人帳」で人気の漫画家。「蛍火の杜へ」は、人に触れられると消えてしまうという狐面をつけた青年(ギン)と、主人公・竹川蛍との淡い初恋と唐突な終わりを描いた作品。

 

子どもを助けようとして思わず人に触れてしまったギンは、「やっと触れることができる」と言い、笑いながら蛍の腕の中で着物だけを残して消える。最高に切ない系の作品だ。今作「水碧む」で、母親のタキが息子を見送るシーンと重なる。

 

そういえば「蛍火の杜へ」の狐面の青年の名前はギン。さらに彼の髪は真っ白で・・・。「蟲師」の第1話は1999年11月に発表されているので、緑川ゆきさんは「蟲師」を知っていただろう。と、いうことは。「蛍火の杜へ」ではギンの人物造詣で「蟲師」のギンコを拝借したということか。

 

詳細は調べられなかったが、おそらく作者二人は仲がいいのではないだろうか。

 

1999年「蟲師」第1話「緑の座」発表

2002年「蛍火の杜へ」発表

2006年「千の風になって」秋川雅史バージョン発表。紅白出場

2007年「蟲師」「水碧む」発表

 

pic up/球磨川の河童伝説

▲球磨川

 

熊本県八代市街を流れる球磨川の、河口近くで分岐した支流のうちのひとつ前川には「河童渡来の碑」が建っている。この地には、中国から河童がやってきたという伝説がある。

 

仁徳天皇の御代(313年~399年)、中国の揚子江を下り、東シナ海を泳いで八代に河童が上陸した。彼らは球磨川流域に棲みつき、9000匹にまで増えた。なかでも「九千坊(くせんぼう)」という名の河童はとくに力のある河童として名前が今に伝わっている。

 

球磨川観光では急流下りが人気だ。ただし球磨川は暴れ川のため、たびたびの水害により現在では中止されている。

 

これらの事から、今作は球磨川を舞台にしていると推測した。上の写真など、作中の舞台にそっくりだ。

 

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