TVアニメ「ユーリ!!! on ICE」第1話~第10話までのあらすじを中心に紹介しています。画像を多く取り入れ、ネタバレありで最後までしっかり書いてあります。注意してください!



ユーリ!!! on ICEとは?

ユーリ!!!on ICEは、2016年放送の全12話からなるTVアニメ。漫画家・久保ミツロウ×山本 沙代監督原案による、男子フィギュア・スケートを題材にしたオリジナルアニメ作品です。

全12話とコンパクトな作品ながらムダのない美しい構成で、魅力的なキャラクター造形と丁寧な心理描写、流れるようなスケーティングシーンの表現、作品を盛り上げるオープニング曲やプログラム曲などなど、見どころが多く、放送当時はフィギュアスケーターたちにも支持され話題を集めました。

作品中にBLをにおわせる表現が散見され、日本の腐女子文化を世界に広めてしまった作品ともいえます。しかしBL要素を理由に視聴しないのは、きわめてもったいないとも言える名作です。

また、作品中に本田武史、織田信成、ステファン・ランビエールといった現実のフィギュアスケーター本人が登場し声も担当しているところもおもしろく、リアリティがあります。

本作の成功により、続編となるユーリ!!!on ICE劇場版「ICE ADOLESCENCE」の制作が発表されたものの、度重なる延期の末、ついに制作中止がアニメ制作スタジオMAPPAから発表されています。

本編の放送および劇場版の制作中止発表から数年を経てもなお、日本国内だけでなく海外を含めたファンダムから熱狂的な支持を集め続けています。

 

ユーリ!!!on ICEの詳細なあらすじ【第1話~第10話】

【第1話】始まりは勇利がボロ負けたグランプリ・ファイナルから

▲グランプリ・ファイナル金メダルは、もちろんヴィクトル・ニキフォロフ

始まりは、ロシアのソチで開催されたフィギュアスケート・グランプリシリーズの最終戦。

生ける伝説(リビング・レジェンド)の異名をもつ地元ロシアの英雄ヴィクトル・ニキフォロフ選手(27歳)は圧巻の滑りで金メダルを獲得。グランプリファイナル5連覇を達成した名実ともに世界一のフィギュアスケーターです。

ちなみにヴィクトルはこの後、3月末に日本で開催された世界フュギュアスケート選手権(世界選手権)でも金メダルを獲得し、こちらも5連覇を達成しています。

一方、主人公・勝生勇利(かつき・ゆうり)はこのグランプリファイナルに初出場を果たすも、メンタルの弱さから実力を発揮できず最下位(6位)に撃沈。フギュアスケートは選手生命の短い競技なこともあり、23歳にしてこのまま引退するのでは?と、報道されてしまいます。

▲トイレの個室で一人泣く勇利

会場のトイレで、ひっそり悔しさをかみしめていたとき、ドアが大きな音を立ててノック(実は蹴り!)されたので出てみると──。

▲ジュニア部門の金メダリストがなぜか怒鳴ってくる・・・

そこにいたのはジュニア部門の金メダリスト、ロシアのユーリ・プリセツキー。

ユーリ「おい、来年からオレがシニアに上がるから、ユーリは二人もいらない。才能ないやつはさっさと引退しろ、バーカ!」

一方的にののしってロシアのユーリは姿を消します。なぜ絡まれなければいけないのか、勇利にはわけが分かりません──。が、そこはすっかりメンタルやられている日本人選手らしく

──ボクがいなくても、才能ある若い人たちがどんどん現れてくる

と、妙に納得。

▲無視された格好のヴィクトルは少し戸惑っている

会場からの帰りぎわ、憧れのヴィクトル・ニキフォロフから「記念写真?いいよ」と声をかけてもらうも、勇利は恥ずかしさから踵を返して立ち去ってしまいます。

──恥ずかしい。ずっと憧れてた人と、やっと対等な立場で会えるって、少しでも思ってた自分がバカだった。

と・・・。

。*†*。☆☆。*†*。。*†*。☆☆。*†*。。*†*。☆☆。*†*。

▲勇利の実家の温泉「ゆーとぴあ かつき」

失意のうちに5年ぶりに九州の長谷津に帰省したのは、翌年の3月末。桜が咲き始めるころ。12月中旬に開催されるグランプリファイナルから4カ月ほど後のことです。

勇利は現役続行を決め、スケートが好きな気持ちを取り戻すため、幼いころから通い詰めた地元のスケートリンク「アイスキャッスル・ハセツ」に向かいます。ここで勇利は、幼馴染の西郡優子(にしごおり・ゆうこ)を前に、ヴィクトル・ニキフォロフ選手の今シーズンのフリープログラム「離れずにそばにいて」を完コピで滑ってみせます。

試合が終わってからずっと(つまり4カ月ほど)練習してきた成果です。ただし、この時点ではまだ勇利が跳べないジャンプがあるので、ジャンプ難易度は下げていると思われます。

▲勇利の「滑ってみた」動画は世界中に拡散される

このときの勇利の滑りを、優子の三つ子の娘たちが勝手に録画しネットにアップ。その動画はものすごい勢いで世界中に拡散され、ついにヴィクトルの目にも止まります。

長谷津に季節外れの冬将軍(要はヴィクトルのことでしょう^^)がやってきて桜を白く染めた4月のある日・・・。

▲「グランプリファイナルで優勝させるぞ☆」

ヴィクトルは突然、勇利の実家の温泉「ゆーとぴあ かつき」に現れ

ヴィクトル「勇利、今日からオレはおまえのコーチになる。そしてグランプリファイナルで優勝させるぞ☆」

と宣言。しかもウインク付きで。これに対する勇利の反応は(第2話で明かされています)

──この人、全裸で何言ってるんだ!?

幼いころからずっと憧れてきたヴィクトルが突然現れて、しかも自分のコーチになってくれるって(全裸で)言われたら──そりゃパニくりますよね!

 

【第2話・第3話】温泉on ICEで勇利が勝利!

▲ヴィクトルを前に現実を受け止めきれない勇利

何がどうなっているのか分からず、現実を受け止めきれない勇利のもとに、近所でバレエ教室をしているミナコ先生がロシアで大騒ぎになっていると伝えに来ます。

ミナコ「ロシアじゃニュースになってるわよ。来シーズンを休んで進退を考えてるって。そして日本の勝生勇利がヴィクトルのプログラムを滑っている動画を観て、雷のようなイマジネーションを受けたことで、コーチを決めたってさ!」

▲ユリオも「ゆーとぴあ かつき」に宿泊することに

そこにロシアから姿を消したヴィクトルを追い、同じコーチ(ヤコフ)に師事するユーリ・プリセツキーもやってきます。グランプリファイナルの競技後、勇利をトイレまで追いかけてきて罵声を浴びせていったあの少年です。

勇利と紛らわしいので、ユーリは以降「ユリオ」と呼ばれるように。

ついに勇利とユリオ、どちらがヴィクトルのコーチ権を獲得するか!? をかけての勝負「温泉on ICE」が長谷津で開催されることに。

二人はアレンジ違いの同じ曲で「愛」をテーマにしたSP(ショート・プログラム)を滑ります。振り付けはどちらもヴィクトル・ニキフォロフ。

▲こなすことはできても、アガペーが表現しきれないユリオ

来シーズンからシニア・デヴューするユーリ・プリセツキー(ユリオ)は、才能あふれる15歳。自己主張のはっきりした自信家(ついでに口が悪い)のユリオに振り分けられたプログラムは「愛についてアガペー」。無償の愛をテーマにしたもの。

ユリオはアガペーの解釈や表現に苦しみながらも、すべてのジャンプを成功させます。

▲さまざまなイメージを駆使して勇利だけのエロスを完成

一方、自己肯定感が低く、プレッシャーに弱い勇利のプログラムは「愛についてエロス」。性愛をテーマにしたもの。

勇利はプレイボーイを彷彿とさせるエロスの表現に悩み、最初は大好きな「カツ丼」をイメージ。続いてプレイボーイを惑わす美女の表現を取り入れることで、独自解釈のプログラムが完成。

ユリオに教えてもらってまだ練習中の4回転サルコーは失敗するものの、得意のステップシークエンスとスピンで会場を魅了します。

▲二人の二人三脚が、正式にここから始まる

勝者は勇利。表彰台の勇利は

勇利「ヴィクトルと一緒に今度のグランプリ・ファイナルで優勝を目指します!」

と、照れながらもしっかり表明。

ヴィクトルのSP「愛についてアガペー」をもらったユリオは、ロシアに帰国します。

 

【第4話】フリープログラム「Yuri on ICE」が完成

▲自然に肉体美を披露できるのは、温泉設定ならでは

ショートプログラム(SP)に続き、ヴィクトルはフリープログラム(FP)の作成に取り組みます。ヴィクトルからの提案は、勇利が自分で曲を選び表現したいテーマを見つけること。これはヴィクトル自身がやってきた方法です。

ヴィクトルは、勇利がなかなか曲を決められないことに驚き、その原因を探ります。勇利の元コーチと話した結果、どうやら勇利は自信がなく、これまで選曲もテーマもコーチに決めてもらってきたことが判明。

そこでヴィクトルは勇利の自己肯定感の低さを克服するべく、なぜ自分が勇利に魅かれたのか、勇利の魅力を言葉にして伝えます。

ヴィクトル「勇利の魅力は音楽さ。その体が奏でるようなスケーティングそのものだ。それを生かした高難度のプログラムを作りたい。オレにしかできない、そう直観したんだ」

これがなぜ全裸の温泉シーンなのか──勇利の実家が温泉設定なので、ムリなくヴィクトルの裸を出せるってことで作られたサービスショットですねw BLをチラつかせるサービスショットは作品の各所にちりばめられています。

▲二人の距離を縮めるため、ヴィクトルは勇利を海岸に誘う

フリープログラムの曲が完成するまでの間、ヴィクトルは勇利を信じて待つ姿勢を示しますが、当の勇利は焦っていました。ヴィクトルから出された課題がなかなか決まらず、いたずらに過ぎてゆく時間にひしひしと罪悪感を感じていたのです。

自分専属のコーチが毎日一緒にいてくれる、しかもそれが憧れ抜いたあのヴィクトル・ニキフォロフだという現実に、信じられないほどの幸福を感じるのと同時に、そんな神様みたいな人の時間をムダにしてしまっていることに罪悪感を覚えてしまっていたのです。

ある日、ヴィクトルは勇利を海岸に誘います。

海を見ながら並んで座り、ここで勇利はデトロイトでの小さな思い出話を聞かせます。自分を弱い人間扱いされたように感じてとてもイヤだったことを。それに比べて長谷津のみんなは弱いボクを弱い人間として扱ってなくて、ちゃんと成長できると信じてくれた、と。

5年ぶりに帰省した勇利は、いかに自分が郷里で人にも環境にも恵まれて育ってきたか、地元のありがたさに今さらながら気付いたようです。これまで勇利がこのことに気づけずにいたのは、大学進学から5年間、地元を離れたこともあってでしょう。

ヴィクトル「勇利は弱くないよ。みんなもそう思っているだけさ。勇利はオレにどの立場でいてほしい? 父親的な? 兄? 友達? ──じゃぁ恋人かぁ。頑張ってみるか」

ここでのヴィクトルの恋人発言は、場を和ませるジョークでしょう。

繊細な勇利の心に寄り添いながら、強引に踏み込まず、少しずつ距離を詰めてくれるヴィクトルの配慮に、勇利も少しずつ心を開きます。

▲「ヴィクトルはヴィクトルでいてほしい」

勇利「ないない!──ヴィクトルはヴィクトルでいてほしい。ボクはずっと憧れてたんだ。ボクの嫌なところを見せたくなくて、あんな無視したりして・・・。ぜんぶ、スケートで返すから!」

ヴィクトル「OK。手加減はしないよ。それがオレの愛だからね」

勇利は今まで一人でフィギュアスケートを戦ってきたと思っていました。でもそうではなくて、家族や地域のみんな、亡くなってしまったペットも、すべてが勇利を育ててくれたと気づきます。そしてもちろん、憧れ続けたヴィクトルも。

ついに完成したフリープログラムの曲は、ヴィクトルも納得のでき。そしてテーマは「ボクの愛について」。ヴィクトルと一緒に気付いた、身近にあふれるたくさんの愛への感謝を込めて滑ります。

曲のタイトルは「YURI on ICE」。

 

【第5話】国内予選。ヴィクトルがプログラムに込めた想い

▲ヴィクトルからの指令は「全力でオレを誘惑しろ!」

昨年の全日本大会でボロ負けした勇利は、今年はシード権なし。つまり地方予選を勝ち上がらなければいけません。──と、いうことで。今季の初戦は9月開催の中四国九州選手権大会。

──ヴィクトルとずっと練習してきたけど、正直、まだ不安がある。自分の状態がグランプリシリーズで戦えるレベルなのか、確かめなきゃ!周りの選手は、はっきり言って関係ない。

今季プログラムの初披露とあって、勇利は練習からガッチガチに緊張しています。

▲SPで、非公式ながら、世界歴代10位以内に入る高得点を獲得

ヴィクトルとの練習を思い出して──SPが始まってからも、滑っている間じゅう、滑り終えてからも、勇利の頭のなかにはヴィクトルにどう思われるかしかありません。

結局、勇利は、SPでパーソナルベストを更新。国内予選のため非公式記録ながら、世界歴代トップ10に入る高得点をマークしました。

▲勇利に憧れの視線を送る南くん

勇利の目標はファイナルグランプリで金メダルを獲得すること。昨年の不振のため国内予選に出ているけれど、ここはあくまで通過点。初戦のプレッシャーとともにそんな気持ちが先走り、勇利にはまったく周りが見えていません。

真っすぐ憧れの視線を送る南くんにも、思わず知らん顔で目をそらします。それをヴィクトルは見逃しません。

▲試合直前に勇利のモチベを下げてまでヴィクトルが伝えたかったことは

ヴィクトル「勇利、他人のモチベーションを上げられない人間が、自分のモチベーションを上げられるのかい? 勇利にはガッカリしたよ」

不機嫌そうに言うや、パン!と、エッジカバーを置いて立ち去ります。

──ヴィクトルが下げたボクのモチベーションはどうなっちゃうんだよ?

しかし、これで勇利の目が覚めました。地方予選を戦っている選手たちは、ただの通過点ではありません。みんなが勇利と同じようにスケートが好きで、一生懸命スケートに取り組んでいる仲間です。

勇利「南くん、がんばー!」

それまで自分のことしか考えられなかった勇利が、後輩にエールを送ります。勇利の声援が南くんに届き、緊張していた南くんに勇気とやる気がみなぎります。その様子を、ヴィクトルはほほえましく見守っています。

▲滑りながらどんどん楽しくなってゆく勇利

初披露のフリープログラム。最初は硬い表情で滑り出した勇利ですが、じょじょに楽しくなってゆき──。それはまるで、勇利のこれまでのスケート人生そのもののよう。

このプログラムは、一人で戦っているような気持ちでいたころの勇利から始まります。ヴィクトルがコーチとして現れたころ。そして愛のようなものに気付くことができた勇利──。愛に気づくことで、勇利のスケート人生は豊かに、より美しく楽しく彩られてゆく。そんな過程をきらめくように美しい曲に載せて表現しています。

このプログラムを滑る勇利が、勇利に憧れる後輩をないがしろにするような愛のない行動をとるのは、ヴィクトルにとって確かに許せないものがあったでしょう。

▲壁に激突し、鼻血を出しながらも、声援に応えて滑り切った

南くんたち同じスケート仲間の声援にこたえるため、勇利はヴィクトルが提案するように難易度を下げて滑るのではなく、本来の難易度でプログラムを滑り切りました。まだ調整が万全ではないため、終盤では顔から壁に突っ込んだりしながらも。

▲「戻っておいで」と受け入れポーズのヴィクトル

試合後、最初はコーチ命令を無視した勇利にため息をつきながらも、両手を広げて勇利を受け入れるジェスチャーをするヴィクトル。(勇利が抱き着こうとすると「あ、鼻血!」と、さっと身をひるがえしてますが──)。

▲満面の笑顔で表彰台

結果、勇利はぶっちぎりの優勝を飾るも、公式戦ではないので賞状のみのメダルなし。

勇利「今まで滑ってきたなかで、一番楽しかった」

勇利はこの大会を通して、一人で戦っていたころには感じることができなかった、勝ち負け以外の試合の楽しさを見つけられたようです。まさに「YURI on ICE」のプログラムそのもののように。

 

【第5話特殊ED】グランプリシリーズにかける渾身の決意表明!

▲カメラ目線で「愛」について語り始める

ついに新しいグランプリシリーズが開幕。臨む日本選手団の意気込みを語るTV中継で、エースの勇利は自身の今季のテーマ「愛」について語ります。

勇利「今年のグランプリシリーズでボクがテーマにするのは愛です。今までのスケート人生、いろんな人に助けられながらやってきましたが、愛について考えたことは一度もありませんでした。

恵まれた環境にいながらそれを生かし切れず、一人で戦っているような気持ちでずっといました。

けど、ヴィクトルコーチが現れて、ボクの見ている景色は一転しました。ボクの愛、それは分かりやすい愛や恋ではなくて、ヴィクトルとの絆や、家族や地元に対する微妙な気持ち。ようやく自分の周りにある愛のようなものに気付くことができました。

初めて自分から繋ぎ止めたいと思った人──それがヴィクトルです。その感情に名前はないけど、あえて愛と呼ぶことにしました。

▲徐々にテンションは上がってゆき──

愛を知って、強くなったボクを、グランプリファイナルの金メダルで──

▲最後は前のめりに決意表明!

証明しまーす!

 

【第6話・第7話】中国大会。改めてヴィクトルという存在の偉大さに怯える勇利

▲グランプリシリーズがついに開幕!

今年のグランプリシリーズは、カナダ・アメリカ・フランス・ロシア・中国・日本の、世界6カ国で開催される大会での成績から上位6人が選出され、スペインのバルセロナで行われる最終戦(グランプリファイナル)でメダリストが決定するというシステムです。

各選手が出場できる大会は2大会まで。勇利の初戦は中国です。

このグランプリシリーズを通して多くの出会いや気づきがあり、また勇利の世界が広がっていきます。

 

ヴィクトルの盟友クリストフ・ジャコメッティ

▲クリスはぐいぐい勇利に近づいてきて・・・

クリストフ・ジャコメッティは、スイス出身の25歳。昨シーズンのグランプリファイナルでは、ヴィクトルに次ぐ銀メダリストです。

クリスもまた、ヴィクトルに憧れヴィクトルを追い続けた選手で、今シーズンにヴィクトルがいないことを寂しく思っています。

去年のグランプリファイナルに二人とも出場していて、あるていど勇利とクリスは顔見知りのようです。クリスは、なれなれしく勇利のお尻を撫で上げ、話しかけてきます。

クリス「勇利、ヴィクトルを独り占めした罪は重いよ。世界中が彼の復帰を期待しているからね」

クリスからの言葉や周りの反応から、勇利は自分が世界からどう見られているかを今さらながら痛感します。

▲絶対に、ボクから目を離さないで

ウォーミングアップをしながら勇利は考えます。

──ヴィクトルを求めている人は、ボクがどんなふうに滑ったって納得しないだろう。ボクを応援してる人だって、今まで通りじゃ納得しない。それなら、世界からヴィクトルを奪った男として、思い切り嫌われたい。

そして迎えたSP。自分がヴィクトルにふさわしい男と証明するのが自分のすべきことだと、世界中から嫌われる覚悟を決めた勇利はヴィクトルにこう告げてリンクに立ちます。

勇利「絶対に、ボクから目を離さないで」

ここは、絶対に負けられません。

勇利の今までにない様子を、ヴィクトルは驚きながらも見守ります。国内予選のように緊張から我を忘れているわけではなく、なにか深く考え込みながらも、ついに吹っ切れたように静かな闘志を燃やして目を合わせてくる勇利。言われなくても、ヴィクトルは勇利から目を離せません。

──いつもと違いすぎる。今日の勇利、なんのスイッチが入ってるんだ?

グランプリシリーズで初披露となるSPを滑りながら勇利は思います。

──最初は笑われたっていい。不似合いだって思わせておけばいい。みんなほんとは、新しいボクを知りたいんでしょ?

ボクじゃなきゃ、ヴィクトルは満足できない。ヴィクトルの愛を知っているのは、世界中でボクしかいない。

今、証明してみせる!

▲完璧な演技にヴィクトルももろ手を挙げて大喜び

完璧なSPを披露した勇利は、中国大会初日を1位で折り返します。

 

タイの新星、ピチット・チュラノン

▲勇利の親友ピチットはSNS好きの20歳

タイ出身のピチット・チュラノン(20歳)は、勇利が昨シーズンに拠点を置いていたデトロイトで、同じコーチに師事していたリンクメイト。勇利と年齢が近いことから今でも仲の良い友人です。

中国大会2日目のフリープログラムではパーソナルベストを更新して、前日1位の勇利を猛追します。

▲FP前に憔悴しきった表情の勇利

中国大会2日目。前日の初日を1位で終えた勇利は、今まで味わったことのない追われる立場に緊張し、夜もろくに眠れず、友人ピチットの大躍進を知りさらに焦りを募らせます。

▲「オレは責任取ってコーチを辞める」と勇利の反応をうかがう

しかしヴィクトルには、なぜ勇利がこれほど怯えているのかその理由が分かりません。そりゃそうです。ヴィクトルはグランプリファイナル5連覇を達成した男です。追われる立場はいつものこと。

どうすれば勇利のモチベーションを上げられるか?考えたヴィクトルは、強硬策に出ます。

──選手の心はガラスのように壊れやすい。壊れやすいなら、いっそ一度粉々に壊してみるか。

ヴィクトル「勇利!もし勇利がこのフリーで失敗して表彰台に上れなかったら、オレは責任取ってコーチをやめる」

▲「ボクが勝つってボクより信じてよ」

反応をうかがっていたヴィクトルの前で勇利は、しばしフリーズした後ボロ泣きし始めます。

勇利「なんで、今そんな試すようなこと言うの?」

まさか泣かれると思わなかったヴィクトルは慌てて前言撤回。

ヴィクトル「ごめん勇利、今のは本気じゃなく・・・」

勇利「ボクが負けたらボクだけ悪く言われるくらい慣れてるよ。でも今回はヴィクトルまで迷惑かけるからずっと不安なんだよ。コーチやめたいって心のどこかで思ってんじゃないかって──」

ヴィクトル「そんなこと思ってるわけないだろう」

勇利「知ってるよ!」

ヴィクトルの言葉はウソで、ただ自分を落ち着かせようとしているだけだと勇利は分かっています。

ヴィクトルの望みは、勇利と一緒にグランプリファイナルで金メダルを取ること。それは信じているけれど、もしここで失敗したら──今までのヴィクトルの苦労が水の泡になる。それはとりもなおさず、ヴィクトルの名声に傷をつけることになると──。いろいろ考えすぎてパニックになっているのです。

ヴィクトル「泣かれるのは苦手なんだ。こんなときどうしたらいいのか分からない。キスでもすればいいのかい?」

勇利「違うよ。ボクが勝つってボクより信じてよ。黙ってていいから、離れずにそばにいてよ!」

勇利の言葉に、驚いたように目を見開くヴィクトル。

▲泣いたことで逆にリラックスして演技を開始

泣いてスッキリした勇利は落ち着きを取り戻しFPに臨みます。うっすら笑みすら浮かべて。

──泣いたらスッキリしたな。ボクが急に泣き出したときのヴィクトルの顔、面白かったなぁ。コーチとして未熟すぎるんだよヴィクトルは。ボクがメンタル弱いのなんて、今に始まったことじゃないんだからさ。そのぐらい覚悟しててよね。ヴィクトルのバカ!

ヴィクトルに厚い信頼を寄せるとともに、思わず毒づいてしまうほど、勇利にとってヴィクトルがただただ崇拝する神様のような人から、遠慮なく何でも言える身近な存在になっているのが分かります。

「勇利って考え事してるとジャンプ失敗するよね」。以前ヴィクトルが指摘した通り、あれこれ考えながら滑っている勇利にジャンプミスが続きます。それでも、今日の勇利は気持ちが落ちません。

──最後の4回転、トゥループじゃなくてフリップにしたら、ヴィクトルどんな顔するだろう?

もはや勇利の頭から一切の雑音が消え、残ったのはヴィクトルを驚かせ、喜ばせたいと願う気持ちだけ。

──もっと強くなりたい。もっと強くなれる。ボクは、ヴィクトルの想像を越えられる。

最後のジャンプを、4回転フリップに変更して跳んだ勇利。4回転フリップはヴィクトルの代名詞と言われるジャンプです。

転倒したものの回転は足りているので、4回転フリップを跳んだことは認定されます。プログラムの最後に4回転フリップを跳べるのは、体力のある勇利ならでは。ヴィクトルもしたことがありません。この点で、勇利は選手としてのヴィクトルを越えてきています。

▲「泣いてる?怒ってる?どっち?」ヴィクトルの反応が気になる勇利

勇利「ヴィクトル、ボク、良かったでしょう!?」

演技後、ヴィクトルに向かって滑り寄りながら勇利は呼びかけます。

勇利のスケーティングから、飽くなき向上心とヴィクトルへの最大級の敬意(愛)、そしてなにより想像を超えて驚かせにくる意外性にヴィクトルは、演技からもどってきた勇利に──

▲大観衆の眼前でキスか!?

コクン、と小さく頷き、自ら勇利に体を預け──

▲氷上に勇利を押し倒す

氷の上にダイブ。このとき彼が勇利にキスをしたのかどうか──は、視聴者の間で論争の的となっています。(ここもサービスショット!)

ヴィクトル「勇利以上に驚かせる方法は、これしか思いつかないよ」

勇利「そぉ?」

結局、中国大会の金メダルはピチットの手に。勇利は銀メダル、クリスは銅メダルを獲得します。

 

【第8話・第9話】ロシア大会 勇利、ギリギリの成績でグランプリファイナル進出を決める

▲勇利のグランプリシリーズ第2戦はロシア大会

中国大会に続く第2戦目は、ヴィクトルの地元ロシア大会。取材陣に取り囲まれるヴィクトルは質問攻めにあいます。

「ロシアに戻って来たお気持ちをお聞かせください」

「現役復帰はいつされますか?」

「そこまで魅力的な勇利選手なら、自分も選手として戦ってみたいと思いませんか?」

最後の質問に口を閉ざし、話題をそらしてしまうヴィクトル。

▲ロシアのファンに手を振るヴィクトル

勇利のSPでは、会場全体から勇利にではなくヴィクトルに対する声援が。彼らは皆、ヴィクトルの現役復帰を望んでいます。

完全アウェイのなか、勇利はヴィクトルのネクタイを掴み、強引に自分の方を向かせます。世界から嫌われる覚悟はとうの昔に決まっています。

▲中国大会に続き、最高の演技を披露

演技中の勇利の独白。

──もしここで負けたら、ヴィクトルがコーチとして側にいてくれる中で、このプログラムを滑るのは最後になるかも知れない。

ロシアじゅうが、いや世界中の人がボクの勝利なんて望んでいないかも知れない。そう思うとゾクゾクする。この世界を変えられるのはボクだけだ

▲ノーミスの演技でパーソナルベストを更新

世界で戦うにつれ、ヴィクトルの選手復帰を望む声に圧倒される勇利。そんな声をはねのけるように自らを鼓舞し圧巻の滑りを披露。

勇利はまたもパーソナルベストを更新。大喜びのヴィクトルは、思わず勇利のスケート靴にキスします。

 

見た目はロシアの妖精、中身は・・・ユーリ・プリセツキー

▲見た目と違い、相変わらず口の悪いユリオ

長谷津の「温泉 on ICE」でヴィクトルのコーチ権を巡って戦ったユリオ(ユーリ・プリセツキー)の第2戦は、地元ロシア大会。今度はグランプリシリーズの大舞台で、ファイナル進出をかけて勇利とぶつかります。

▲「オレに足りないのは、ただただ経験だけだ」

ユリオのSP「愛についてアガペー」は、ユリオのおじいちゃんから注がれる惜しみない愛をイメージしています。ところがSP当日、体調が悪いのかおじいちゃんが会場に姿を現しません。

勇利の点数に大喜びのヴィクトルを見るにつけ、さらに勇利とヴィクトルから「ガンバー」と声援を送られるにつけ、ユリオの心はイライラと敵愾心むき出し状態。およそアガペーとは言えない方向に。

 

自らキングを自認する自信家、ジャン・ジャック・ルロワ(J.J.)

▲カナダ大会に続き、ロシア大会でも安定の強さ

J.J.(ジェィジェィ)の愛称をもつジャン・ジャック・ルロワは、カナダ出身の19歳。昨年のグランプリファイナルではヴィクトル、クリスに次ぐ第3位を獲得する実力派。

今季も地元カナダ大会で優勝を飾っています。ロシア大会でも安定した強さを見せつけ、ショート・フリーともにトップで、カナダ大会に続いてロシアでも2回目の優勝を獲得します。

4回転をバンバン跳んでくるクワッド・ジャンパー。

▲ジャンプがすっぽ抜けてシングルに

一方、勇利のFPにはヴィクトルの姿がありません。

ヴィクトルの愛犬マッカチンが誤食から命の危険にさらされているとの電話を受け、急遽、日本に一時帰国したためです。一時的にコーチを引き受けたのは、ヴィクトルの元コーチであり、ユリオの現コーチのヤコフ。

ヴィクトル「勇利って考え事してるとジャンプ失敗するよね?」

練習で言われたヴィクトルの言葉がよぎります。その言葉通り、勇利はジャンプがすっぽ抜けたり、着氷で手をついてしまったり──。

ヴィクトル「今日からオレはおまえのコーチになる。グランプリファイナルで優勝させるぞ☆」

──なんで、ボクの気持ちを知っていたんだろう?ヴィクトルが来るまで、ボクは絶対金メダル取りますなんて言えなかったけど、負けてもしょうがないなんて気持ちで滑ったことは一度だってない。去年のグランプリファイナルだって、本当は金メダルが欲しかったんだ。

ヴィクトル「勇利は弱くないよ。みんなも、そう思ってるだけさ」

──ヴィクトルがボクを信じてくれたからここまで来れたのに、グランプリファイナルに行けずに終わったら・・・ダメだ、今は考えるな。

思い出すのはヴィクトルのことばかり。結局、さんざんな滑りで勇利は意気消沈してしまいます。

絶好調のJ.J.を残して現在の順位は3位。グランプリファイナル進出が絶望的となった勇利は、ヴィクトルをロシアに返す決意を固めます。

──ヴィクトルは、もうすぐロシアに帰るよ。

▲ヴィクトルとのコーチ契約をグランプリファイナルまでと決意する

ロシア大会の結果は、J.J.が優勝。2位がユリオ。3位にミケーレ。4位に勇利。中国大会と合わせたポイントは、ミケーレと勇利が同ポイント。同ポイントの場合、中国大会で2位の勇利がグランプリファイナルに進めます。

首の皮1枚を残し6位通過でグランプリファイナル進出を決めるも、勇利の心は決まっていました。

──ボクの競技人生のピークは、もうそこまで来ている。金メダルを本気で取りたい。グランプリファイナルがその最後のチャンスだ。

金メダルが取れても取れなくても、ヴィクトルにはグランプリファイナルでコーチを辞めてもらう。

そして──。

 

【第9話特殊ED】「プロポーズ、みたいだね」

▲それぞれの想いを胸にハグする二人

九州に帰った勇利を待っていたのは、元気を取り戻したマッカチンとヴィクトル。福岡空港国際線で、両腕を伸ばしたヴィクトルの胸に飛び込む勇利。

離れていた間に二人はそれぞれ、これから何ができるか、どうしたいかを考えていました。先に望みを口にしたのは勇利でした。

勇利「引退まで、ボクのこと、お願いします!」

▲「プロポーズ、みたいだね」

勇利の手を取り軽くキスしてからヴィクトルは優しい笑顔で応えます。

ヴィクトル「プロポーズ、みたいだね」

▲ヴィクトルの言葉に涙溢れるけれど、勇利の気持ちは揺るがない

再び抱きしめた勇利の耳に、ヴィクトルがささやきます。

ヴィクトル「勇利がずっと引退しなきゃいいのになぁ」

勇利「グランプリファイナルで一緒に金メダル取ろう」

期間限定のプロポーズを求めた勇利に対して、ヴィクトルの応えは無期限のプロポーズを願うもの。ヴィクトルの言葉に思わず涙するけれど、それでも勇利は自分の考えに固執します。

勇利と対照的に、ヴィクトルはずっと勇利と離れる気のないことをここでハッキリ示しています。この幸せなシーンでの気持ちのすれ違いが、グランプリファイナルまで持ち越されます。

 

【第10話】LIFE & LOVE

▲12月の屋上プールで一人考えるヴィクトル

「ユーリ!!!on ICE」は、ほぼ主人公の勇利視点で描かれた一人称視点の物語です。が、第10話だけは、ほぼヴィクトル視点。これまで描かれることのなかったヴィクトルの、心のうちが覗ける貴重な回となっています。

第10話の冒頭、 グランプリファイナルが開催されるスペイン・バルセロナのホテルの屋上プールに浮かびながら、ヴィクトルは思います。

──スケートから離れて、頭に浮かぶのは2つのL。LIFEとLOVEだ。20年以上、オレがほったらかしにしてること。

▲勇利とヴィクトルはツインの同じ部屋

グランプリファイナル出場選手たちは、思い思いにバルセロナの夜を満喫しています。勇利は時差ボケからまだホテルの部屋で眠っている様子。

ヴィクトルの回想は続きます。

──ロシア大会から帰ってきた勇利は、ファイナルまでのわずかな日数を、限界まで練習に費やした。

▲愛犬マッカチンとの充実したひととき

──気づけばオレが初めて長谷津に来てから、もう8カ月くらいになる。マッカチンとこんなに長くいられたのも、いつぶりだろう。

▲カツ丼との衝撃的な出会い♪

──毎日バスタブより大きなお風呂に入れて、美味しいカツ丼もお腹いっぱい食べられる天国のようなところだった。

▲勇利に属するLIFEとLOVEを、ヴィクトルも気に入っている

──勇利の持っているLIFEとLOVEは、オレが今まで触れたことのない、新鮮な世界を教えてくれたんだ。

SPを明日に控えた練習の後、勇利とヴィクトルはバルセロナの街にくりだします。勇利が「観光したい」と言い出したからです。

勇利にとって、ヴィクトルと迎える最後の時間。きっと楽しい思い出が欲しかったのでしょう。

▲スペイン広場の塔が見える場所でパチリ

観光地を巡ったり、ショッピングを楽しんだり、買い物袋をなくして口論しながら探し回ったりして12月のバルセロナの日はとっぷり暮れて──。

▲勇利はヴィクトルに何かプレゼントしたい

二人はネオンに彩られたクリスマスマーケットを並んで歩きます。昼にはヴィクトルが勇利にスーツをプレゼントし(おそらく強引にw)、勇利もクリスマス生まれのヴィクトルに何かあげたいと言い出します。

しかしロシアでは誕生日前にお祝いする習慣はないと言われてがっかりする勇利。諦めきれない様子の勇利をヴィクトルは観察します。

──勇利が答えを探してるとき、黙ってても目がキラキラと輝いてる。たぶん今、ダウジングみたいに何かを探してる。話しかけずに、そっと様子を見よう。

▲「これで、お願いします──分割で!」w

ついに勇利は何かを見つけ、ヴィクトルと一緒にジュエリーショップに入ります。

勇利「ずっとお守りが欲しかったんだ。お守りだから!ボクがこれからファイナルでベストを尽くせるための。それとヴィクトル、今までのお礼だから」

▲勇利はヴィクトルの右の薬指に指輪を

聖歌隊が歌うサンタ・エウラリア大聖堂(バルセロナで最も美しいといわれる教会)の前で、勇利はヴィクトルの右手の薬指に指輪をはめます。

──追い詰められたアスリートは、ときとして、まったく予想もつかない行動をする。

勇利「今まで、ありがとうございます。これ以上ぴったりくるものを思いつかなくて。でも、あの・・・明日からボクがんばるんで。その・・・おまじないを」

▲右の薬指の指輪は(おもに恋人との)絆を表す

それまで勇利の奇妙な行動をコーチ目線で見守っていたヴィクトルの表情が変わります。お返しに、ヴィクトルも勇利の右手の薬指にお揃いの指輪を。

ヴィクトル「いいよ。なにも考えなくていいおまじないね。明日は、勇利が一番好きだって言いきれるスケートを見せてね」

──オレが知ってる金メダルの近道なんて、それくらいだ。

真っ赤になって頷く勇利。きっとこの指輪も、ヴィクトルとの思い出の品として選んだのでしょう・・・。

▲去年のバンケットのことを勇利が覚えていないと発覚

夕食に繰り出した二人の店に続々とグランプリファイナル出場選手たちが集結し、試合前に思いがけず賑やかな時間がもてたことに勇利は喜びます。

しかし、ここで思いがけない特大ネタバレが!

勇利「それにしても、こんなふうに試合前に集まるなんて、変な感じだなぁ。去年のファイナルなんて、バンケットすらボクずっと一人で、ヴィクトルともぜんぜん話せなかったのに」

▲つぎつぎ明るみに出る勇利の奇行・・・

隣のヴィクトルはビールを吹き出し「勇利、覚えてないの?」と。ユリオは目を三角にして「マジであれは胸糞悪かった。ダンスバトルに巻き込まれて恥かかされるし」。さらにクリスは「オレはポールダンス対決したよ。半裸で」。

シャンパンがぶ飲みした上に調子に乗って大暴れした勇利は、どれもまったく記憶なし。ヴィクトルはそのときの動画が残ってるとスマホを取り出し、クリスも画像いっぱいあるよとスマホを見せて・・・。

そこでクリスが目ざとく二人のお揃いの指輪に目を留めます。

▲「お揃いだよ~」と、嬉しそうに見せびらかすヴィクトル

「これはその──」と言いよどむ勇利に対して「お揃いだよ~」と見せびらかすヴィクトル。それを見ていたピチットが店じゅうに大声で呼びかけます。

ピチット「結婚おめでとー!みんな!ボクの親友が結婚しました~!」

客たちから暖かい拍手が起こり「ち、違う。これは、その──今までのお礼とか・・・」と必死に言い訳する勇利。

▲「これはエンゲージリング」とヴィクトル

そこでヴィクトルは悠然と答えます。

ヴィクトル「そ。違うよ。これはエンゲージリングだから。金メダルで結婚だよ。ね、勇利?」

金メダルと聞いて、その場の空気は急速にフリーズ・・・。さらに空気を読まないJ.J.の登場で夕食会は解散となりました。

▲エンゲージリングが嬉しいのは確かだけれど・・・

翌朝。ヴィクトルは一人海岸に立ち、勇利から贈られた指輪をしげしげ眺めています。勇利のことを考えているのは一目瞭然。

おそらくヴィクトルは、勇利のプロポーズに永遠を願った自分の心と向き合っています。

▲口の悪いユリオの言いぐさに、思わず顎をつかむヴィクトル

そこにユリオが現れて、ユリオなりの言葉でヴィクトルをけしかけます。

ユリオ「家畜からもらった指輪はただのガラクタだ。オレが勝って、飼い主がいかに無能か証明してみせる」

──もしオレが、ロシアに残ってまだ戦っていたら、ユリオが戦うモチベーションは、ここまで上がってなかっただろう。そして、オレも・・・。

ユリオ「長谷津の海思い出すな、ここ」

ヴィクトル「オレもそう思った」

──勇利、自分じゃ気づいてないかも知れないけど、オレ以外にも勇利のLをもらった人はたくさんいるよ。

ヴィクトルのモノローグはここまで。

まるで自己肯定感の低い勇利だけれど、確実にユリオにやる気を出させ、地方大会の南くんや、クリスやピチット、そしてヴィクトルにも戦うモチベーションを──。

ヴィクトルと勇利、これまで二人で戦ってきたグランプリシリーズも大詰めです。ヴィクトルも、ファイナル以降の身の振り方を考える時期にさしかかっています。

 


【第10話特殊ED】Be my coach! ヴィクト~ル!

▲シャンパンがぶ飲みのあげく、目つきが怪しい・・・

本編では話にしか出なかった、昨年のバンケットでの勇利の大暴れっぷりが、エンディングで流れます。これはもうお宝映像。

ちなみにバンケットとは、最終競技翌日のエキシビションの後に開催される「お疲れ様パーティー」。ドレスコードもあります。

なので、第1話のユリオに怒鳴られ、ヴィクトルに記念撮影する?と声をかけられた翌日の夜。。*†*。☆☆。*†*。。*†*。☆☆。*†*。。*†*。☆☆。*†*。の飾り罫線が入っている場所に、このバンケットのエピソードが入ります。

シャンパン飲みすぎてすっかり目つきが怪しくなった勇利は、ユリオにダンスバトルを申し込みます。

▲ユリオにダンスバトルをふっかける勇利

もともと音感の良い勇利は、片手倒立のブレイクダンスまで取り入れ、どうやらなかなかの腕前。表情からユリオが苦戦しているのが分かります。

二人の後ろでノリノリで動画撮影しているヴィクトルが写っている画像もw

▲クリスに合わせて半裸でポールダンス対決

続いてクリスとポールダンス対決を始めた勇利。どんどん服を脱いで、ついに半裸で踊ります。勇利の腕の強さ、身体能力の高さがうかがえますね。

周りの観客が明らかに引いていますがw

▲「ウチ温泉やってるんで来てください」

ポールダンス対決を終えた勇利はシャツを着こみ、頭にネクタイを巻いてヴィクトルに抱き着きます。(クリスが脱いでるからこの順番で合ってますよね?勇利のシャツはコーチに無理やり着せられた?)そして九州弁丸出しでこう言うのです。

勇利「ヴィクトル、シーズン終わったら、ウチ温泉やってるんで来てください」

▲「ビーマイコーチ、ヴィクト~ル!」

勇利「このダンスバトルで、オイが勝ったらコーチになってくれるとやろ? ビーマイコーチ、ヴィクト~ル!」

そしてまた抱き着く勇利。当のヴィクトルは驚きながらも頬を染め・・・。

▲ついにヴィクトルもダンス対決に巻き込まれ

二人とも意外とマトモな顔してますが、勇利はへべれけ。面白いことが好きなヴィクトルは、ノリノリで楽しんでいます。

▲楽しそうに踊る二人

二人の息はぴったりで、本当に楽しそう。

勇利はすっかり忘れているけれど、去年のグランプリファイナルのバンケットでこんなことがあったわけで──つまり勇利は、ユリオ、クリスにダンスバトルをふっかけ、さらにヴィクトルとのダンスバトルで勝利していたらしいのです。

なぜリビング・レジェンドのヴィクトルが突然ゆーとぴあ・かつきに現れ、コーチになると言い出したのか──第1話の大きな謎が解けました。勇利自身が招いていたのですね!

勇利の一人称視点の物語だからこそ成立する、楽しいネタバレです。

 

ついにグランプリファイナル出場を決めた勇利。まるでプロポーズや指輪の交換など、幸せな絆を深め合った二人の旅路も次で一区切り。

グランプリファイナルでの勇利の活躍は?

なにやらすれ違っている二人の想いの行き先は?

続きは詳細あらすじその2でどうぞ。

 

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