2019年1月~放送のアニメ「どろろ」。第15話「地獄変の巻」の詳細なあらすじと見どころを紹介します。「鬼神から取り戻したものが意外すぎ!」あわせて感想もどうぞ!【注意】完全ネタバレです!



第15話/鬼神を討ったその後に起きることを実体験──その結果、百鬼丸とどろろの想いがすれ違う

 

地獄変の巻

jigokuhenn no maki

 

タイトルは前回から変わっていますが、今回の「地獄変の巻」は、前回の「鯖目の巻」の続きです。

 

顔に張り付いたような目をしている、どこか不気味な男・鯖目の屋敷に泊まった百鬼丸とどろろは、朝食を食べています。昨日は、箸をいぶかしげに見ながら食事しようとしなかった百鬼丸ですが、今朝はちゃんと食べています。どうやら箸で食べることがあまりなかったから、どう使えばいいのか困っていたのかも知れません。確かにこれまで食事といえばどろろが焼いてくれた魚を串をもって食べるか、どろろが食べさせてくれるかといった描写ばかりでしたよね!

 

百鬼丸、口の横にごはん粒ついてますよ!

 

どろろ「お・・かげさまで、朝までぐーっすり眠れたぜ。なかなかいいな、この部屋。静かだし!」

鯖目「好きなだけ泊まってくれて構わぬぞ

どろろ「え。それは・・・有難いけどよ」

鯖目「部屋も余っている。急ぐ旅でないのなら、ゆるりとしていくがよい」

 

食事の席で、どろろはバケモノに襲われたことは一言もいわず、部屋をベタ褒め。その理由は、どうしたら居座れるかって考えていたようです。ちゃんとした室内で布団をかけて眠れて、しかも美味しい食事まで食べられるなら、そりゃ居座らない手はないですよね! まぁ、バケモノ付きですが──。

 

どろろが部屋を褒めると、すぐに鯖目は「好きなだけ泊まってくれて構わぬ」なんて言うものだから、どろろはちょっと拍子抜けです。

 

2019年版アニメのどろろは、とても思いやりがあって百鬼丸を支え続ける親がわりみたいないい子として描かれているけれど、原作や1969年版アニメのどろろは、もっと小ずるいところがありました。なにしろたった一人で戦乱の世を生き抜いてきた子です。第1話で、荷物番をやるといって大人に取り入り、その荷物を盗んで売りさばこうとしていた子ですからね。でも、百鬼丸と出合ってからのどろろは、あまりそういうずる賢いところが描かれていなくて、少し物足りなく思っていたんですが、ここでその片鱗が見られて嬉しかったです^^

 

今回のテーマは「岐路」。サブテーマは「デジャヴュ」です。

 

昨晩、寝込みを襲ってきたイモムシ妖怪と鬼神マイマイオンバの情報を集めるべく、どろろは村に向かいます。百鬼丸の方は鯖目の監視。二手に分かれて行動することに。

 

村では、ちょうど農民たちが稲刈りをしているところでした。藁葺き屋根の葺き替えを手伝っている者もいます。皆お互いに手伝いあいながら仕事を進める、のどかな山里です。きょろきょろしているどろろを、女の子が呼び止めます。

 

女の子「おーい、お団子あるよー!」

 

農家の庭先でお団子をごちそうになったどろろは、女の子とそのおばぁちゃんと話します。

 

老婆「そうかい、あんた鯖目さまのお客さんかい」

どろろ「あぁ。おいらみたいなよそ者を泊めてくれるなんてさぁ、ほんと有難いよ」

老婆「鯖目さまはなぁ、いつでもこの里のことを一番に考えていてくださるんじゃぁ。ワシらがこうして暮らしていけるのも、すべて鯖目さまのおかげなんじゃ」

どろろ「へぇ、偉いんだなあのおっさん」

老婆「こら、おっさんとは何じゃ!」

どろろ「あぁ、いや、ごめん。そういえばさ、この村に来る途中に焼けた寺を見たんだけど、ばぁちゃん知ってる?」

老婆「さ、行くよ。さぁて、お天道さんが高いうちにもう一仕事やっちまわねぇとな

 

老婆は、廃寺の話しになると、急に女の子の手を引いてどこかに行ってしまいました。鎌を握り直す気配にどろろがふと田んぼの方に目をやると、村人たちが急に顔を伏せて稲刈りを再開するところで・・・つまり、みんながどろろたちの会話に耳を澄ましていたってこと

 

あ・や・し・い!

 

まぁ、先に言っちゃいますが、鯖目は旅人をマイマイオンバに食べさせています。それと引き換えにマイマイオンバはこの里を守っているのです。そのことを、どうやら村人全員が知っているようです。つまり鯖目と村人は完全にグル!

 

ここの会話、最初は気がつかなかったんですが、今見てみると、老婆は妙な受け答えしているんですよね。どろろが「おいらみたいなよそ者を泊めてくれるなんてさぁ、ほんと有難いよ」って言ったのに対して「鯖目さまはなぁ、いつでもこの里のことを一番に考えていてくださるんじゃぁ」って返している。これ、ネタバレ発言ですよね! 「よそ者を泊める=里のことを一番に考えている」なんて、つまり「あんたはマイマイオンバのエサだよ」って言ってるわけじゃん!

 

老婆を始め村人たちの怪しい目つきには、どろろも気がついていました。村はずれに立派な土蔵があるのを見つけたどろろは、ここにお宝でも隠しているんじゃないかと目星をつけます。

 

土蔵に忍び込んだどろろは、俵にナイフを突き立てます。俵から出てきたのは米ばかり・・・。

 

どろろ「なんだよ、ただの米蔵じゃん。──いやぁ、さすが働き者の村だ」

 

ぎっしり詰まれた米俵を見上げながら、どろろは琵琶丸が言っていた言葉を思いだします。「腹いっぱい食えれば、心も穏やかになる。食うや食わずの身の上で、それでも志を貫けるのなんて、ほんの一握りだけだからねぇ」。村人が見ず知らずのどろろにお団子を振る舞えるのも、この里が豊かだからこそ。自分の食べるものさえ事欠くようなら、人に食べ物をあげるなんて心の余裕は生まれない。どろろはこの蔵に備蓄してある米を見て、村の穏やかな雰囲気はこの米のおかげなのだと納得したようです。どろろは「なんだよ、ただの米蔵じゃん」って言ってますが、米はこの時代、立派なお宝ですよね!

 

そこで、どろろは足元に秘密の扉を見つけます。開けてみると、中は真っ暗。

 

どろろ「あぁ、こりゃ灯りがないと何も見えないなぁ」

村人「そりゃぁ、そうだ」

どろろ「いってぇ、何しやがんだい!」

村人「すまねぇなぁ。里を守るためなんだ

 

扉を引き上げ穴の底を覗きこんだどろろを後ろから蹴落として、村人は扉を閉めてしまいました。大変! どろろは、真っ暗な穴倉に閉じ込められてしまいました!

 

どっかで聞いたような話し

 

一方、鯖目は屋敷を抜け出し、どこかに向かいます。さっそく百鬼丸が尾行開始。村に向かって開けた小高い場所についた鯖目は、百鬼丸に話しかけます。百鬼丸は、とうに気づかれていたんですね。

 

鯖目「ここは我が祖先が代々守ってきた土地でな。ここで生まれ、ここで育ち、領主になって今がある。他の場所をわたしは知らぬ。旅人のそなたには及びもつかぬことやも知れぬがな。この里がわたしのすべてよ。何があろうとわたしはこの土地を守り抜く。そなた、この土地に住まう妖を討ちに来たのであろう

百鬼丸「そうだ」

鯖目「討たせはせぬ。あやつらもわたしが守らねばならぬ民なのだ。このご時世だ。わが里も地獄の中にあった。戦場から逃げ落ちて野伏せりとなった者どもが、戦うことを知らぬ里を襲う。守り手を失った田畑は、獣や虫に侵されて、飢えを生み、民たちは互いに奪い合う。そんな地獄でわたしは出会ったのだ。あやつらに。この地にて我らが生きることを許されるならば、必ずこの地を守りぬかん。まやかしでも構わぬと思うた。我が民がこの地獄から抜け出せるのなら、わたしの心など売り渡しても良いと思うた。あやつらは野伏せりを食らい、獣を殺し、わたしとの約定を守り、里は蘇った。そして、わたしはあやつを妻として迎えたのだ」

 

うーん。限りなくどっかで聞いた話しですねー! 鯖目の領地もこのご時世の例にもれず、大変なことになってしまっていたようです。醍醐領は飢饉や流行り病が主な原因で国が亡びる寸前だったけれど、鯖目領は主に戦を逃れてきた侍が里の村人を襲ったことが原因で地獄のような有様だったようです

 

そこに現れたマイマイオンバが野伏せりや獣を退治してくれたおかげで鯖目領は息を吹き返し、それからマイマイオンバと鯖目や村人たちは共生してきたのですね。今では旅人を生贄に捧げることで、マイマイオンバを養っているのです。要はマイマイオンバは鯖目の里を守る生物兵器ってところですか──

 

鯖目と醍醐景光は同じ選択をしました。鬼神の力を借りて、自分の領地を救ったのです。その代償が、景光は自分の息子、鯖目は旅人という違いはありますが。

 

しかし、人の世は鬼神たちにとって生きにくいところのようですね。人をエサにしているのだから、当然といえば当然ですが、なかなか安住の地はないらしい。鬼神たちが各領地に1体しかいないのも、エサ場がかぶらないようにという、鬼神同士の配慮からなのかも知れないですね?!

 

鯖目「一つ訊きたい。そなたはなぜ、妖を斬るのだ」

百鬼丸「おまえが何を守ろうと関係ない。オレは鬼神を斬る。斬って取り戻す、全部!

 

鯖目にしてみれば、百鬼丸にマイマイオンバを退治されては困るわけだけど、百鬼丸がどうして鬼神を倒したいのかその理由が分からない。鯖目は醍醐の国で起きたことなんて知らないわけだからね。百鬼丸はそれに答えているけれど、言葉足らずで、これじゃ鯖目は何も理解できてませんねー! とりあえず鬼神を退治するって意思表示だけは伝わったろうけれど。

 

妖怪小僧の正体

 

米蔵の地下の穴に閉じ込められてしまったどろろは、暗闇に光るたくさんの赤い目に囲まれてしまいます。それは、昨晩どろろたちを襲ってきたあの手の生えたイモムシ妖怪の群れでした

 

ぎゃー!

 

必死で逃げるどろろに糸を吐きかけるイモムシ妖怪。ついにどろろは地面に倒されてしまいます! 暗がりに手をつくと、ガラリと乾いた音がして──。そこにあったのは、おびただしい数の人の骨・・・

 

ぎゃー!

 

絶体絶命! などろろの前に、あの巨大な赤ちゃん妖怪(妖怪小僧)が現れます。

 

どろろ「な、なんで? おまえ、おいらのこと」

妖怪小僧「どろろ、優しくしてくれた。だから助けてあげる」

 

そういうと妖怪小僧の頭が割れて、中からおさげの女の子の霊体(のようなもの)がいくつも飛び出しイモムシ妖怪を倒します。「すげぇ」と目を丸くしているどろろに1体の女の子の霊体がやってきて、かつてあったことをどろろに見せます。

 

血の滴る刀を手に息を弾ませているのは鯖目。その足元には、尼僧が息絶えて横たわっています。さらに鯖目は油をまいて寺に火をつけます。寺の前では村人たちが逃げ惑う子どもたちを捕まえます。

 

村人「おまえたちはマイマイオンバさまのエサになるんだ。里のみんなのためだ、悪く思うでないぞ

 

なーにが「悪く思うでないぞ」だか! 悪く思うにきまってるでしょ! まったく──。最初っから村人たちもグルだったってことですね。真実を知らされたどろろの目から涙が溢れます。

 

どろろ「そんなのってあるかよ。里のため・・・そんなの」

女の子の霊体「どろろは優しいのね。ありがとう。泣かないで。急がないとマイマイオンバの子が目覚めてしまうわ。わたしについてきて」

 

鬼神を倒したその後に起きること

 

その頃、木に取りついていたマイマイオンバの子どもの蛹が孵化して成虫になってきました。それを察知した鯖目は、こう言います。

 

鯖目「ようやくこの子らも目覚めた。貴様にはこの子らのエサになってもらおう

 

孵化したマイマイオンバの子らが百鬼丸に襲い掛かるのを見届けると、ふっと鼻で笑って鯖目は背を向けます。その姿が百鬼丸には、馬を翻す景光、刀を向け斬りかかってくる多宝丸、さらに自害しようとする縫の方の姿に重なって見えました。

 

百鬼丸「同じ、おまえも同じ」

 

ほんと同じ。自分さえ良ければ他人はどうなろうと構わないという、超自己中! 景光への怒りを思いだし、百鬼丸は猛然とマイマイオンバの子どもらを斬り倒し、駆け戻ってきた鯖目を「邪魔だ!」と、山から蹴り落とします。

 

百鬼丸を食べ損なったマイマイオンバの子どもたちは群れをなして村を襲い、やがて村は火に包まれます。

 

村人1「鯖目さま、里のたくわえが、全部、ぜんぶ燃えちまったぁ」

村人2「これじゃぁ、冬を越せない」

村人3「鯖目さまぁ、どうすりゃぁいいんですかぁ。この冬、オレたちどーすんだよ」

村人1「そういやぁ、イシのとこにゃ、まだ収めてねぇ稲が一山あったんじゃねぇか?」

村人2「イシの家は燃えてねぇぞー」

イシ「ふざけるな、あれは、おらの米だぁ」

村人1「おめぇ。独り占めする気か」

村人2「おい鯖目、どうにかしろ」

村人3「火をつけたのは、鯖目さまの客らしいぜ」

 

燃え盛る米蔵の前では、村人同士の醜い争いが始まり、鯖目はその場にくずおれます。文字通り、身体を張ってマイマイオンバなんて妖怪の力まで借りて守ってきた里の住民たちの本性を聴いてしまった鯖目は、どんな気持ちだったでしょうね。これまで「鯖目さまのおかげ」と、ことあるごとに鯖目をあがめてきた村人が、ひとたび米のたくわえがなくなると、ここまで自我の塊となり相手を攻撃しはじめる。間違いなく、絶望的に悲しかったはず

 

その頃、百鬼丸は壊れた左の義足に油を仕込んでマイマイオンバを火で焼いて倒します。

 

その翌日。

 

火事が収まった村は一変していました。家は跡形もなく焼け落ち、どろろにお団子をくれた少女は、むしろをかけた死人の前で泣いています。鯖目も、泥水に顔を突っ込んで死んでいました。

 

どろろ「どうしたんだい、この村。なんで、なんでこんなんなっちゃうんだよ。アニキ、おいら、おいらたちどうすれば良かったのかな? おいらたちが来たから、この村はこんな・・・」

百鬼丸「関係ない」

どろろ「アニキは、鬼神を殺せばそれでいいんだろう。答えてくれよ、こんなのやっぱおかしいよ! これじゃアニキも同じになっちまう」

 

百鬼丸は被害者です。なんの理由もなく犠牲をしいられた被害者です。尼僧も、尼僧が面倒をみていた寺の孤児たちも被害者です。なんの理由もなく犠牲をしいられた被害者です。彼らの怒りも悲しみも当然です。百鬼丸が自分の身体を取り戻すのも当然の権利です。

 

けど、その結果、村は焼け落ち人が死に、村人たちは途方に暮れて涙を流しています。

 

醍醐の国での百鬼丸と同じような状況で、鬼神に差し出された鯖目領の寺の子どもたち。その子どもたちの仇を討ち、同時に百鬼丸が自分の身体を取り戻したそのために、村の多くの人が不幸になってしまいました。こうして百鬼丸は、自分が鬼神を倒すたびに何が起きてしまうのか、その結果を身をもって体験してしまいました。

 

百鬼丸は「関係ない」と言います。自分に言い聞かせるように。どろろだって、百鬼丸に黙って犠牲になれと言うつもりも、寺の子どもたちに村のために犠牲になれと言うつもりもありません。でも、モヤモヤするのです。奪われたものを取り戻すために、失った命の仇を討つために、相手を地獄に落としてもいいのだろうか? と。もっといいやり方はないんだろうか? と。

 

このモヤモヤは、わたしたち視聴者がずっと抱えてきた悩みですよね。やっとどろろが、わたしたちの気もちに追いついてくれました。

 

例えば、どろろの背中の地図を使えば、なにか別の方法が考えられないだろうか? そう、どろろは思っているのかも知れません。けれど、百鬼丸はまるで意固地になってしまって、どろろの相談に乗ってくれそうになくて──。

 

どろろが言う「これじゃアニキも同じになっちまう」は、自分本位な鯖目や村人たちと同じように、こんなやり方では百鬼丸も自分本位になってしまう、という意味かな、と思います。

 

岐路

 

百鬼丸は物静かで思慮深い人のように見えます。上手く話せないから物静かに見えるという側面もあるけれど、それだけじゃない。最初の頃は、とにかくバッサバッサと爽快に鬼神を倒していたけれど、ミオと出会ってからとくに慎重になった。魂の色で相手を判断し、危険な色でなければ妖怪でも斬ったりしないようになったし。

 

でもどうやら、ばんもんの巻以降、余裕がなくなってしまったらしい。どろろを突き飛ばして平気だったり、助けを求めるどろろを放置したりするようになった。それは12体目の鬼神のせいで心をなくしてしまったのかと思ったほど、1期の頃の百鬼丸と変わってしまっています。(実際は違っていたけれど)。

 

今回、まるで醍醐景光と同じような行動を取った鯖目に、百鬼丸はデジャヴュを見る想いだったでしょう。鬼神に生贄を捧げることで領地に繁栄をもたらしている鯖目。けれどその鬼神を倒しに百鬼丸とどろろがやってきたために、結局、村は地獄に様変わりしてしまった。鬼神を倒したことでどうなるのか、その後を経験したことで、百鬼丸もどろろも感じるところはあるはずです。

 

百鬼丸「オレには関係ない」

 

改めて呟いた百鬼丸は、ふとどろろの気配がないことに気づきます。

 

どろろ「アニキ、もうちょっとオイラの話し聞いてくれたっていいじゃないか、アニキのバカ」

 

いくら16歳とはいえまだ人と関わることを覚えたばかりの百鬼丸と、いくら世間をよく知っていても実際のところたった5歳のどろろです。どっちも子ども。ばんもんの巻からちょっと周りが見えなくなってしまっている百鬼丸と、そんな百鬼丸の心の内が分かっているはずなのにあまりに話を聞いてもらえなくて、むくれてしまったどろろ。

 

ちょっとした気持ちのすれ違いから、どろろは百鬼丸と違う方向に歩き出してしまいました。二人のそんな隙間風を見越したようにやってきたのがイタチです。そう、どろろの父・火袋を裏切り、間接的にどろろの両親を死においやったイタチです。

 

イタチ「よぉ、どろろ。久しぶりだな」

どろろ「イタチか」

イタチ「つれないな。随分探したんだぜ、おまえのこと。じゃーん、見せてもらうぜ、おまえが持ってる残りの半分をよ

 

なんとイタチの手には、お自夜の背中に彫ってあった財宝の地図の写しが! そりゃ、確かにイタチだって火袋たちが貯めていた財宝のことは知っているだろうけれど。お自夜の背中の地図をどうやって手に入れたんだか・・・。百鬼丸、どろろがピンチだ! 早く戻ってこーい!

 

[char no=”1″ char=”あいびー”]この財宝の使い道が、きっと強くエンディングに影響してくるんだと思うけれど。迷惑料として景光に財宝を渡して鬼神全部倒してハッピーエンド・・・なんて、あまりに拝金主義すぎるし、虐げられた子どもたちをまとめて新しい国つくっちゃうとか・・・も違う気がするし。いろいろ想像を巡らせながら、二人の決断を見守りたいですね![/char]

百鬼丸が取り戻したもの

 

前回の第14話で、マイマイオンバが言ったセリフ「12番目の食いもらし。よもや、取り戻しに来るとは」の意味するところは──。つまり「マイマイオンバは12番目の食いもらしをした鬼神だ」と、いうこと。そして「ばんもんの巻」で実体化した12番目の鬼神(マイマイオンバ)は「百鬼丸から何かを奪っている」と、いうことだと前回、考察しました。

 

そしてマイマイオンバが奪っている「何か」は、百鬼丸から最後まで取れなかった、あの観音菩薩の加護のせいで奪えなかったものとして、これまでたびたび登場してきた「大物」です。それは「心」に違いない! と踏んだのですが・・・大外れでした

 

今回、百鬼丸が取り戻したものは、なんと「背骨」でした!

 

これまで背骨なかったんですね! 寿海は糸巻きのようなパーツをつなげて百鬼丸の背骨をつくっていたようです。なかなか驚きです!

 

まぁ。確かに背骨は重要です。背骨があるから人は頭を支えていられます。でも、それが最後まで奪えなかった、観音菩薩の加護のために鬼神がどうしても奪えなかった「大物」なんでしょうか・・・? 違うような気がします・・・。

 

でも、それじゃ「12番目の食いもらし。よもや、取り戻しに来るとは」というマイマイオンバのセリフをどう解釈すればいいのか?? 他の解釈が思いつかないんですが・・・その内分かるときが来るといいけれど!

 

ちなみに、これまで取り戻した部位をおさらい。

 

1、右足/寿海と暮らしていた頃に取り戻す

2、顔の皮膚/第1話の泥鬼を倒して取り戻す

3、神経/第2話の万代を倒して取り戻す

4、耳/第4話の似蛭を倒して取り戻す

5、声/第5話の蟻地獄から取り戻す

6、鼻/第8話の残され雲を倒して取り戻す

7、背骨/第15話のマイマイオンバを倒して取り戻す

 

これまで7カ所ですかね。あと右手、左手、左足、目+どこか1カ所。最後の「どこか1カ所」が、12番目の「大物」だろう・・・と、思います!

 

因果応報

 

今回のこのエピソード。どろろは、自分たちがこの村に来たせいで平和だった村が地獄に変わってしまったと捉えています。自分たちが来なければ、この村はマイマイオンバと共存して平和なまま存続していけたろうに、と。

 

でも、じつは違うんですよね。

 

「この地にて我らが生きることを許されるならば、必ずこの地を守りぬかん」というマイマイオンバの言葉を信じて鯖目は、自分の領地とマイマイオンバが共存する道を選びました。マイマイオンバに寺の孤児や旅人を与えることで領地を守ってもらっていたのです。

 

でも、そうして栄養を蓄えたマイマイオンバはたくさんの子どもを生みました。マイマイオンバの子どもたちは、エサを求めます。今回孵化した子どもたちだけでも、数十匹いましたよね。とてもどろろと百鬼丸の二人を与えただけで満足できる数ではありません。しかも米蔵の地下には、さらに多くのイモムシ幼虫たちが控えているのです。いずれ、村人がエサにならなければ保てないのは、目に見えていました

 

因果応報。鯖目は鬼神を利用するつもりで、結局、鬼神に領地を奪われてしまったわけです。

 

野伏せりや獣に村を滅ぼされるか、マイマイオンバに滅ぼされるか、いずれにせよ鯖目領は亡ぶよりほかなかったのかもしれません。マイマイオンバの子どもたちが孵化するタイミングと、百鬼丸とどろろが鯖目領を訪れたタイミングが同じだっただけ。だから、ほんとうに百鬼丸の言うとおり「関係ない」んです

 

でも、そう切り捨ててしまうには、どろろは気持ちが優しすぎた。きっと百鬼丸だって、言葉とは裏腹に割り切れないものを感じているだろうし。

 

因果応報。きっと醍醐領の未来も鯖目領と同じはずです。

 

作画変わりすぎ問題

どろろは、とてもクオリティの高い作品です。シナリオも作画も動きも音楽も、どれも安心して見られる高水準。でも、今回の作画おかしかったですよね! まず百鬼丸の目の下にクマがついてるし、村人の顔は皺だらけ! 引きで描かれる人物のラインは硬くて細い。目は点だし。鯖目を追いかける百鬼丸の動きが、なんだか忍者のようで驚き! 後半に行くほど、人物の顔に斜線が描かれるようになってきて・・・。イタチに至っては別人としか思えなかったんですけど──。そういえば、顔に落ちる木の葉の影の描き方も違ってました。

 

どうやら今回の監督(絵コンテ・演出)がこれまでと別の方のようです。「コバヤシオサム」と書かれていますが、「小林治」さんなのでしょう。コバヤシオサムさんは、第1期のエンディング曲の背景監督を担当したそうです。最初からこの絵と演出なのなら違和感ないのですが、いきなりこれは違和感だらけ! クリエイターは自分の個性で勝負したい職業ですが、続き物のTVアニメなのだから、ここまでカラーを変えられると視聴者としては戸惑います。

 

せっかく楽しみにしている「どろろ」の世界。ごめんなさい、こんな違和感は今回限りでお願いしたいです。

 

浅田弘幸さんのおまけ画像

 

右目のない多宝丸。おぼっちゃま感なくなって、かっこよくなったかも! 第15話では、片目で距離感がつかみにくくなった多宝丸が、陸奥と兵庫相手に剣の練習をしているシーンもありましたね^^

 

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