2019年1月~放送のアニメ「どろろ」。第19話「天邪鬼の巻」の詳細なあらすじと見どころを紹介します。「どろろのジェラシーが可愛い!」シリーズきってのほっこりギャグ回です! あわせて感想もどうぞ!【注意】完全ネタバレです!



第19話/「これからアニキが辛いときは、絶対おいらが助けてやるんだ」どろろが自らの決意を再確認!

 

天邪鬼の巻

amanojyaku no maki

 

前回の「無常岬の巻」で、百鬼丸の義手に仕込んだ右の刀が折れてしまいました。もちろんこのままでも、左の刀も腰に差した刀もあるけれど、なにしろ今は懐に余裕があります。火袋の残した財宝からいくらかの小判を持ち出してきているので、この軍資金で刀を直してもらおうと、どろろと百鬼丸は名のある刀鍛冶を尋ねてきました

 

「問答の巻」で寿海に再会して以来、百鬼丸はおでこをつけて相手を確認することを覚えてしまったようです──って、あのおでこをつけるのって親愛の情を表す行為じゃなかったの???? たしかに百鬼丸は両手ともまだ義手なので、生身のおでこで相手の感触を得たいと思うのは自然なのかも知れないけれど・・・。

 

いや! どろろの頬に手を添えおでこをくっつけた、あの美しいシーンは、絶対に最上級の親愛の情を表現したものだったはずっ!!! でも、それ以降、百鬼丸はいろんなものにおでこをくっつけて確認するのがクセのようになったらしいのです。

 

道端につないである馬の首にすらおでこスリスリして一言。

 

百鬼丸「どろろ、馬だ」

 

赤ちゃんて、なんでもかんでも舐めますが、あれってまだ手の感覚よりも口の感覚の方がすぐれているから、それで何でも舐めていちいち確認しているって考えられているんだけど。百鬼丸のおでこスリスリも同じようなものですね。義手ではなくて、一番信頼できる自分の皮膚の感触で確認してるってことなんでしょう。

 

今回のテーマは「どろろの覚悟の再確認」。サブテーマは「息抜き」ですかね!

 

「しらぬいの巻」「問答の巻」「無常岬の巻」と、少し重い回が続いたし、ここらで息抜きです。手塚治虫作品のあちこちに顔を出す「ひょうたんつぎ」や「お迎えでごんす」(スパイダー)が出てきたりする、楽しいドタバタ回となりました!

 

宗綱(むねつな)という刀鍛冶の名工がいる村を訪れた百鬼丸とどろろは、村で最初に出会った若者に宗綱の家を尋ねます。

 

若者「宗綱ぁ? それなら村はずれに住んでる」

 

どろろ「ほんとか?」

 

若者「あぁ。だけどアンタ、まさか刀でも打たせようってんじゃねぇだろうなぁ?」

 

どろろ「え? だってとんでもない名工なんだろう?」

 

若者「ふん。あの人にそんなたいそうな腕はねぇよ」

 

どろろ「ちょっと待てよ。話が違うじゃねぇかい」

 

若者「そこのナタも打ってもらったが、ぜんぜん大したことねぇ。何より、あそこのおこわって娘が、また性格も器量も悪いし、前々からどうも気に入らなくてよぉ

 

名工ときいてはるばる訪ねてきたのに、若者は宗綱にそんな腕はないと言うので、どろろは焦っています。宗綱に打ってもらったというナタで試しに薪を割ってみたら──軽く真っ二つに! こんなに良く切れるのに、どうして若者は「ぜんぜん大したことない」なんて言うんでしょう・・・?

 

まぁ、視聴者はみんな気がつきますよね。なにしろタイトルが「天邪鬼の巻」なんだし。若者は反対のことばかり言っている。つまり宗綱は素晴らしい名工で、しかも娘のおこわは性格も器量もよくて、前々から若者は──

 

初対面のおこわにおでこスリスリ・・・コラコラ百鬼丸ぅ!!!

どろろが宗綱の家の戸を叩くと、中から現れたのは、この作品では初めて見る純粋な美少女キャラ。宗綱の一人娘おこわです。

 

どろろ「アニキのこの刀、打ち直せるかい?」

 

と、どろろが百鬼丸の義手から外した2本の刀を見せると、おこわは「だいぶ使い込んだ刀やねぇ」と思案顔。そんなおこわの顔に百鬼丸の手が伸びてきて・・・。両頬を両手で包むとおでこをくっつけスリスリと・・・

 

百鬼丸「おこわ」

 

おこわ「な、何すんだ、アンタ!」

 

驚いたおこわは百鬼丸を突き飛ばします。まぁ、それが普通の反応ですよね。

 

どろろ「アニキ、それはやんなって!」

 

百鬼丸「なぜだ」

 

どろろ「とにかくやっちゃダメなんだってば!」

 

百鬼丸「なぜだ」

 

どろろ「なぜもヘチマもねぇの!」

 

百鬼丸「ヘチマって何だ?」

 

百鬼丸とどろろがとぼけた会話をしている間に、頬を真っ赤に染めたおこわが目をうるうるさせちゃってます──あぁ、これは面倒なことになりそうですよ(^^;

 

あれれ? 口が勝手におかしなことを言う?!

 

刃こぼれのひどい百鬼丸の刀を見た宗綱は、寺で刀供養を始めます。

 

宗綱「おい、その刀。おまえ、何を斬ってきた?」

 

遠くから一瞥しただけでこう言った宗綱は、さすが噂にたがわぬ目利きですね。これまで妖や鬼神を何体も倒してきた刀です。おかしな気をまとっていても不思議ではありません。

 

毘沙門天を祀るお堂の前に供え物を並べ、刀供養の準備を進める宗綱。どろろは、宗綱の家にあったひょっとこのお面が気に入り頭に斜め掛けにしています。

 

おこわ「そのひょっとこは、また別の鍛冶の神さまだがね。それは釜の火を吹くときの顔

 

どろろ「火ぃ吹くとき?」

 

おこわ「厄払いとして、代々うちに伝わる、とっても有難いものなんやよ!」

 

どろろ「火を吹く男・・・ひょっとこ? こーんな顔しねぇだろ」

 

へぇ。ひょっとこの由来って知りませんでしたが、こういうことだったんですね!

 

祝詞を唱える宗綱の後ろでひょっとこのお面に見入るどろろ。その隣には百鬼丸。そんな二人を、お堂の屋根から、小鬼が見おろしています。

 

▲怪しい術を使う天邪鬼 出展/TVアニメどろろ公式

 

小鬼が怪しい緑色の光をまとった手をかざすと、百鬼丸の身体も同じように緑色の光に包まれました・・・。

 

宗綱「おい、刀をその台に置け」

 

そう言われて百鬼丸は、なぜかどろろの身体を持ち上げ刀掛け台に座らせます──?

 

どろろ「アニキ、何してんだ?」

 

百鬼丸「何を──?」

 

どろろ「もう! ふざけてる場合じゃないだろう」

 

どろろは「ふざけてる場合じゃないだろう」なんて言っていますが、百鬼丸がふざけることなんて今までなかったし、とてもそんなキャラじゃない。もうこの時点で百鬼丸の様子がおかしいわけだけど、どろろは気がつかなかったんですよね。

 

百鬼丸も、自分がどうしてそんなことをしてしまったのか分からないらしく、両手をじっと見つめています。

 

どうやら屋根にいたのは天邪鬼で、百鬼丸は天邪鬼の術にかかってしまったようです。隣にいたどろろが天邪鬼の術にかからなかったのは、鍛冶の神さま「ひょっとこの面」をかぶっていたから、難を逃れたんでしょう。

 

それからどろろと百鬼丸は村の宿屋に部屋を取ります。

 

どろろ「宗綱のおっちゃん、刀ができたらここに持ってきてくれるってさ!」

 

百鬼丸「刀が、ここに来る」

 

どろろ「あぁ、それまでゆっくりしようぜ。打ち直し代も、思ったほどじゃなかったし。骨休めしながら待つとしようぜ」

 

百鬼丸「いらない」

 

どろろ「やっぱ疲れたまっちまってるみてぇだ。刀いらないって聞こえちまったぜ」

 

百鬼丸「い・ら・な・い・・・」

 

百鬼丸は、頭に「?」をいくつも浮かべたような表情で、自分の喉と口をおさえます。あーあ、すっかり天邪鬼にやられちゃってます。

 

「ただの旅じゃねぇんだ。アニキと旅できるのなんて、オイラくらいなの!」

 

そこにおこわがやってきて、なれ寿司を差し入れてくれました。喜んで手を出すどろろをペチンと叩き、おこわが言います。

 

おこわ「どろろちゃん、こういうものは旦那様が先だがね」

 

どろろ「は? 旦那様って誰だよ?」

 

頬を染め、百鬼丸に笑顔を見せるおこわ。あー、ほら言わんこっちゃない。こうなりますよね。

 

どろろ「おいおい、アニキはオイラと大事な旅の途中なんだぞ。刀が直ったらここを出てくんだからな」

 

おこわ「ついていく覚悟はもうできた」

 

どろろ「バカ! ただの旅じゃねぇんだ。アニキと旅できるのなんて、オイラくらいなの!

 

ふふーん。どろろ随分、気を悪くしていますね^^ ここから先、百鬼丸は一生懸命に喋るんだけど、喋れば喋るほど話はおかしな方向に行ってしまって・・・。

 

おこわ「心配ない。わたしは国一番の刀工、宗綱の娘だがね」

 

どろろ「あーもう、アニキもはっきり言ってやれよ、おこわと一緒にいられねぇってな」

 

百鬼丸おこわと一緒にいる

 

おこわ「百さま~」

 

どろろ「冗談でもそういうこと言うなよ、アニキ」

 

百鬼丸「本気」

 

どろろ「はぁ? じゃぁ、旅は?」

 

百鬼丸「やめる」

 

どろろ「戻ってねぇ身体は?」

 

百鬼丸「いらない。このままでいい」

 

どろろ「いぃ加減にしねぇと、オイラだって怒るぞ!」

 

百鬼丸「本気」

 

どろろ「じゃ、おいらはどうすんだよ?」

 

百鬼丸「もう一緒じゃなくていい」

 

さすがにここまで来ると、顎外れる勢いで驚くどろろです。

 

どろろ「はぁぁぁぁぁ~~~?」

 

って言ったどろろの顔が大きく歪み、ヒョウタンツギとスパイダーが降ってきました。

 

▲「アニキとは絶交だー!」 出展/TVアニメ「どろろ」公式

 

すっかり怒ったどろろは、頭にかぶったひょっとこの面を百鬼丸に投げつけます。頭からは湯気まで立ってます!

 

どろろなら勝手にしろい! アニキとは絶交だ! このコンコンチキのバカヤロウ! いいか、アニキとおこわが一緒になるなんて、オイラすっごく嬉しいんだからな!──あれ? オイラ今なんて???」

 

わけが分からなくなったどろろは、おこわが差し入れたなれ寿司を食べ散らかし「ほげらたんぽ~!」と、1969年版「どろろ」の終わりの歌の歌詞「ほげたらぽん」みたいな言葉を捨て台詞に部屋を出て行きます。

 

まぁ、天邪鬼が出てくれば予想できる展開ですが、ヒョウタンツギやスパイダー、ほげたらぽんまで出てくると、おかしさ倍増ですね!

 

「守り子唄の巻」では百鬼丸がミオに心を寄せるのを温かく見守っていたどろろが、今回はめちゃめちゃ怒ってます。ちょっとした気持ちのすれ違いから離れ離れになったどろろと百鬼丸。紆余曲折を経て、お互いがお互いの存在の大切さを再認識したところだっていうのに、これじゃ怒るのも当たり前ですね!

 

アニキと旅できるのなんて、オイラくらいなの!」というセリフに、どろろの絶対に譲らない意地がうかがえます! どろろが初めて見せた嫉妬がかわいいですね~♪

 

最後のところで、どろろまで天邪鬼の術にかかってしまったのは、厄払いの力をもつ「ひょっとこの面」を頭から外してしまったからでしょう。

 

「これからアニキが辛いときは、絶対おいらが助けてやるんだって──決めたのに」

 

おこわは、村のみんなに百鬼丸と夫婦になると触れ回ったらしく、皆がお祝いに駆けつけてくれました。けれど、村の皆の挨拶の言葉は「ご愁傷様」って・・・。それを聞いてもおこわは「みんな相変わらずやねぇ」とすまし顔。いや、さすがにおかしいと思おうよ、おこわちゃん!

 

百鬼丸の方はわけが分からず「祝言とはなんだ?」と聞いています。そりゃ知らないよねぇ!

 

怒り心頭のどろろは、もう百鬼丸の刀を捨ててやろうと、宗綱の家に忍び込みます。ところが、折あしく(というかいいタイミングで)宗綱に見つかってしまい──。

 

宗綱「──それで、刀を捨てようとしたのか」

 

どろろ「アニキは急にやる気なくしちまうし。おいらは心にもねぇこと言っちまうし。どうすりゃいいんだか分からなくて。アニキったら、おいらの気持ちなんてちっとも分かってねぇ。おいら、アニキに出会ってからたくさん助けてもらったんだ。だから、これからアニキが辛いときは、絶対おいらが助けてやるんだって──決めたのに──なのに、なんで旅やめるなんて言うんだよ。この前、迎えに来てくれたばっかりじゃねぇか、バカヤロウ」

 

そうだよね。どろろは百鬼丸が妖退治をしてくれるおかげでこれまで生き延びてこられたから。人を騙したり盗んだりしなくても、妖退治という商売をして食いつないで来られたから。幼いどろろが一人で生きていくには、戦乱の世は厳しすぎる。百鬼丸はまさに命の恩人でしょう。

 

百鬼丸だってどろろのおかげで、とても助かっているけれど。でも、たぶんどろろがいなくても、生魚を食べながら一人で旅ができたでしょう。どろろはそれが分かっているから、「アニキにたくさん助けてもらった」って気持ちが強いんでしょうね。

 

どろろの気持ちはとうに決まっていました。火袋の隠し財宝をどうするか相談する相手に百鬼丸を選んでいるのだから、その時点でもうどろろは百鬼丸と何があっても一緒にいる覚悟です。「これからアニキが辛いときは、絶対おいらが助けてやるんだって──決めたのに」なんて覚悟の言葉は、今更必要ないくらい分かっているけれど、ここで気持ちの再確認ができましたね。

 

おこわの祝言があるというのにずっと刀と向き合っている宗綱に、どろろは聞きます。

 

どろろ「よっぽど刀が好きなんだな」

 

宗綱「おまえは嫌いか?」

 

どろろ「おいら、侍嫌いなんだ。だから、人を殺す刀も好きじゃない」

 

宗綱「オレも人殺しは嫌いだ。オレの理想は、争いを止める刀をつくることだ。それを見た相手が一瞬でかなわねぇと感じる刀をな」

 

どろろ「そんなもん、つくれんのかい?」

 

宗綱「そう、たやすくはあるまい。生きてるうちに作れるかも分からん。分かるのは、力の使い道を間違えちゃいけねぇってことだけだ

 

宗綱さん、さすが技術職。自分の仕事に誇りと一生かけてます。こういう人間は信用できる。宗綱の言葉にどろろはハッとなります。

 

どろろ「おいら、やっぱりアニキの側についててやんなきゃ」

 

面をかぶっていればおかしなことを口走らなくて済むことに気づいたどろろは、また面をつけて最初に百鬼丸がおかしくなった寺に向かいます。お堂の屋根で昼寝している天邪鬼をみつけて「もしかしておまえの仕業か?」と話しかけると、天邪鬼はまた怪しい術を仕掛けてきました。もちろん、面をかぶっているので、どろろは術にかかりません。

 

そこに祝言をあげようとやってきたのが百鬼丸とおこわ。天邪鬼は百鬼丸を操り、今度はどろろの首を締めさせます。しかし結局、天邪鬼は、背後から近づいた宗綱に丸太で殴られ伸びてしまいました。

 

百鬼丸「どろろ」

 

どろろ「アニキ。ごめんよ、疑っちまって」

 

さすがの百鬼丸も、今度はおでこスリスリじゃ済みません。しっかりどろろを抱きしめました。

 

天邪鬼は、寺の毘沙門天が足で踏んで封じていた伝説の妖で、いつからか封印を解かれ出てきていたものでした。ここでおこわは悟ります。どろろも百鬼丸も天邪鬼のせいでおかしくなっていただけだと。宿屋で百鬼丸が言った「おこわと一緒にいる」も、「(どろろと)もう一緒じゃなくていい」も、ぜんぶ反対の意味。つまり「おこわと一緒にいない」「(どろろと)ずっと一緒にいる」が、百鬼丸が本当に言いたかったことなのだと。

 

「あったりまえだろ。アニキと旅ができるのはオイラだけなんだから!」

 

おこわは、村の皆に説明します。天邪鬼のせいでおかしくなっていただけで、百鬼丸は悪くないのだと。だから祝言はなしだと言っているのでしょう。

 

若者「おこわ、そんなヤツと一緒になる必要はねぇ。今まで、ずっと思っていたことを素直に言えなかった。この仏頂面なんかより、ぜったいおまえを幸せにしてやる! オレと、一緒になってくれないか」

 

どろろが村で最初に声をかけた若者でした。そうですよね、こうなるはずです。だって最初この若者「あそこのおこわって娘が、また性格も器量も悪いし、前々からどうも気に入らなくてよぉ」って言っていたんですから。つまり「おこわは性格も器量も良くて、前々から好きなんだ」って初対面のどろろに言うくらいなんですからね!

 

めでたく二人は祝言を上げます。

 

そしてようやく刀が直りました。ピッカピカになった刀を義手につけ直し、百鬼丸は嬉しそうです。

 

宗綱こいつら、常人には想像もつかない過酷な運命をたどってきたんだ。きっとこれから先もな。どのみち、おまえが入り込む余地はなかった」

 

おこわ「そりゃぁ、あんなバケモンばっかり相手してるんじゃ、無理だがね──百さま! もうあんまり人におでこくっつけちゃ、ダメやよ!

 

百鬼丸「なぜだ?」

 

おこわ・どろろ「なぜもヘチマもねぇの!」

 

百鬼丸「ヘチマってなんだ?」

 

きれいに額縁仕立てのシナリオですね。最初と最後に同じやりとりをリピートしています。

 

こうして両方の刀が直りました。もうこの村にいる用はありません。

 

どろろ「それじゃ、そろそろ行くかい、アニキ」

 

百鬼丸「どろろも一緒だ」

 

どろろあったりまえだろ。アニキと旅ができるのはオイラだけなんだから!

 

あたりは薄っすら紅葉も始まって、赤とんぼも飛び始めました。季節は10月ごろでしょうか? これからどんどん寒くなります。どろろの着物がもう少し暖かそうにならないかなぁ、なんて思ってしまいます。

 

アニキと旅ができるのはおいらだけ!」大事なことはくり返し言うの法則で、どろろはおこわに言った言葉をくり返し言いました。今度は、念を押すように百鬼丸に対して^^

 

まるで別作品のようなほっこり回

 

過酷な運命を背負わされた百鬼丸と、百鬼丸を陰から支え続けるどろろの旅。鬼神と戦い、妖を討ち、心を寄せた人が侍に斬られ、やっと出会えた百鬼丸の身内とも敵対しながらさまよい続ける二人。今回は、そんな厳しい世界を描く「どろろ」のダークな世界観とかけ離れた、ほっこり楽しい回でしたね。

 

絵や演出もかなりこれまでと違っていました。「どろろ」の美しい美術を楽しみにしてきたわたしには、今回の作品はひどく異質に思えました。冒頭に出てきた白茶けた山の紅葉からしてまるでカキワリのような・・・。登場人物の手の長さが微妙にいつもより短いように思えるし、表情も粗い。おこわの顔も別作品かと思える、今風の美少女っぷりで・・・。

 

ヒョウタンツギやスパイダー(お迎えでごんす)が登場したのは嬉しかったけれど、顔の吹き出しが出る演出って今まで一度もないのに急に出てきて、かなりびっくり!

 

またこれまでと違った方が監督されたのかと思いきや──絵コンテは古橋一浩監督と境宗久さん・・・。どうやらツイッター情報によると、境宗久さんが主に描いて、監督に指示を仰ぐという関係性らしいです。最終的に古橋監督がOK出しているけど、実質の大半は境宗久さんが描いたんだろうなぁ。

 

今回はいわゆるギャグ回だしOK! と捉えている視聴者が多いようですが、全体を通して「どろろ」という作品なのだから、やはり一貫性は大事だと、わたしは思うんですよね──。わたしは、こういう急に雰囲気変わるのは、あまり好きじゃないです(== 全体の雰囲気を踏襲しながら──っての、大事だと思うのです。

 

どろろが宗綱と話していて急に「おいら、やっぱりアニキの側についててやんなきゃ」って思った理由もイマイチ分からなくって・・・。

 

宗綱「そう、たやすくはあるまい。生きてるうちに作れるかも分からん。分かるのは、力の使い道を間違えちゃいけねぇってことだけだ」

 

という言葉がきっかけになって、どろろは百鬼丸の側にいようと思い直したようなんだけど。「大望のために力を注ぐのが本筋で、他のことに力を使うべきじゃない」=「百鬼丸の身体を取り戻すため一緒に旅をすることが本筋だから、他のことに気を取られるな!」という意味合いかなぁ?

 

ここはシナリオの肝なのに、ちょっとハッキリしなかったのが残念でした。まぁ、わたしの理解力が低いせいかもですが!

 

残りあと5話。エンディングに向けて、そろそろ加速しなければいけない時期に入るので、その前に一度ほっこり回を挟んだんでしょうね。

 

おまけ。おこわも浅田弘幸さんがキャラ原案なんだ?!

 

おこわってこれまでのキャラとぜんぜんイメージが違うから浅田弘幸さんがキャラ原案じゃないのかと思っていたけど、やっぱり浅田弘幸さんだったんですね!

 

[char no=”1″ char=”あいびー”]次回第20話は「鵺の巻」。燃えるように赤い紅葉のなか繰り広げられる物語。日本の奥深い紅葉の美しさを魅せてくれるのを期待しています! どうやら琵琶丸が再登場しそうですよ![/char]

 

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