2019年1月~放送のアニメ「どろろ」。第11話「ばんもんの巻・上」の詳細なあらすじと見どころを紹介します。ついに景光と百鬼丸が顔を合わせます!第1クール最終話に向け、大盛り上がり! あわせて感想もどうぞ!【注意】完全ネタバレです!



第11話/醍醐景光と百鬼丸。因縁の親子がついに再会!


「ばんもんの巻・上」

banmon no maki/jyou

 

前回の第10話でのこと。湖に現れたカニの化け物に、多宝丸と家臣たちは手こずっていました。あと一息のところまで追いつめた多宝丸たちでしたが、ついにカニの反撃にあい、あわや従者の一人・兵庫が食べられそうになっていたところに、素早く斬りかかって化け物を退治したのが百鬼丸でした!

 

それまで地道に準備をしてきた多宝丸たちを尻目に、いいところをかっさらっていった恰好です。かっこいいけれど、多宝丸としてはちょっと悔しいところですよね。

 

多宝丸「おまえ、何者だ。その腕は──」

 

百鬼丸が仕込み刀に義手のサヤをつけるのを見た多宝丸は驚いています。そりゃ、両腕に刀を仕込んだ義手の男なんてまずいないから驚くのは当然です。

 

どろろ「おいおい、礼のひとつも言えねぇのかよ! だいたいアニキがいなけりゃ、そこの侍なんか今ごろ、バケモンの腹ん中だぜ」

 

多宝丸「いずこの者かは知らぬが、助太刀、心より感謝する。これで村の者たちも安心して暮らせるだろう」

 

おぉぉ! 多宝丸、人に感謝することができるんですね! しかも軽く頭まで下げて!! これは意外でした。いくら1969年版よりもいい子に設定されていても、そこは領主の一人息子。次代の殿様です。こんなに素直に感謝の言葉を述べたり、見ず知らずの者に頭を下げることができるなんて! この会話の後、どろろは多宝丸に「助け賃」を要求するんですが、それにも黙ってお金を渡しています。

 

わたしの想像としては「これは褒美だ!」とかなんとか言って、若殿らしく上から物を言うような感じかと思ったんですが・・・。これは多宝丸、想像以上に素直ないい子のようですよ!

 

多宝丸とどろろが話している間、百鬼丸はじっと多宝丸を見つめています。多宝丸の魂の炎の色は──白と墨色がまだらに交じり合った珍しい色をしていました。それは、百鬼丸自身の魂の色と同じです。百鬼丸は自分の魂の色を見ることはできないから、こんな魂の色をもつ人間を見るのは初めてでしょう。それで、少し警戒しているのかも知れません。

 

どろろ「どうしたアニキ? 悪いな、アニキは目が見えない代わりに、心の目で見るんだよ」

 

多宝丸「目が!?」

 

陸奥「目もなく、腕もなく、あれだけの立ち回りを?

 

どろろ「そこがアニキのすげぇところさ。あっちこっちを旅しながら、バッサバッサ。ちんけなヤツは相手にしねぇよ。狙うはとびっきりのツワモノ! バケモン、鬼神どもって寸法さ!

 

この後、どろろと百鬼丸は徒歩で醍醐の城下町に向かいます。半日ほどかかるそうです。多宝丸たちは、一足早く馬で戻ります。すれ違いざま、多宝丸は百鬼丸に話しかけます。

 

多宝丸「おまえ、名は?」

 

百鬼丸「百鬼丸

 

ずいぶんスラスラと言えるようになっています! かなり発音がしっかりしてきました。上達していますね~^^ 百鬼丸がちょっと話すだけでニヤニヤしちゃいます!

 

しかし残念なことに、湖岸に上がった百鬼丸は着物の合わせを整えてしまったので、首から下げたお守り袋が見えていません。またいずれ多宝丸と会うことになるので、彼が百鬼丸のお守り袋についている醍醐の家紋に気づくのはまた後の機会になりそうです。

 

今回のテーマは「多宝丸、両親の秘密に迫る!」ってところですね

 

前回までで多宝丸は、両親になにか秘密があること。それは、いつも母親の縫の方が祈っている首のない菩薩像と関係していること。さらに自白剤を使って忍びから聞き出した情報から、「16年前に消えた赤子と産婆」がその秘密と関係していることをつきとめました。

 

父親に訊いても教えてくれそうにないので、多宝丸は自力でその秘密に迫っていきます。

 

醍醐景光の鬼神退治?

 

今回は登場人物が多く、さまざまな人の視点で物語が同時進行していくので、かなり忙しい回となっています。まずはどろろと百鬼丸を追ってみましょう。

 

どろろと百鬼丸は醍醐の城下町に到着します。そこは、今までにないほど活気にあふれた町でした。野菜を売る店、壺を売る店、反物を売る店。みんなきちんとした身なりをしていて、今まで通ってきたどの土地の村より裕福なのが一目で分かります。

 

どろろはあっちを見たりこっちを見たり、楽しくて仕方なさそうにキョロキョロしています。芝居(神楽のようなもの)があると聞いて、ついに百鬼丸の手をつかんで走り出しました!

 

役者の醍醐景光「さても長きにわたり、我が醍醐の民を苦しめたはこの鬼神の仕業なり。醍醐の主の名にかけて、この醍醐景光、いざ鬼神を退治てみせん!

 

舞台では、景光に扮した役者が真っ赤な髪を振り乱す鬼の面をつけた役者を相手に、刀を振るっているところです。ご領主さまの勇敢な鬼神討伐の様子を再現した芝居といったところ。──どうやらこの国では、景光が鬼神を退治したおかげで厄災が去り、菩薩の加護を受けて豊かな国になったとされているようですね・・・

 

「景光が鬼神を退治?」「菩薩の加護?」こんなことを訊かされると、ぜんぶ知っているわたしとしては、唇の端がひくついてしまいますが・・・。だって「景光が鬼神と取引」「仏の道を踏み外した」が真相だしね! 作り話で領民すらだましているなんて・・・なんだかねぇ。

 

どろろは、芝居の見物人に琵琶丸を発見します。 琵琶丸もこの町にやってきていたんですね!

 

琵琶丸「・・・そうかい。あの子たちには気の毒したねぇ」

 

どろろ「坊さんも、この町の噂を聞いてきた口かい?」

 

琵琶丸「まぁね。このご時世に、ここだけ別天地じゃないか。どんなご加護があってのことかと思ってねぇ。ここの領主が打ち果たした鬼神が祀られてるって話しだ。ちょっくら見物してくるつもりさ

 

琵琶丸と会うのは、ミオたちのいた荒れ寺以来です。その後のことをどろろは話して訊かせたようです。「あの子たち」は、もちろんミオと戦災孤児たちのことです。ほんと、かわいそうでしたよね・・・。川端でどろろとちょっと話した琵琶丸は「よっこらせ」と立ち上がり、さっそく地獄堂を目指すつもりのようです。

 

 

どろろの隣で百鬼丸は、立ったまま虚空を見つめています。きっとどろろが琵琶丸に説明している間、ミオたちのことを思いだしていたのでしょう。そんな百鬼丸の魂の炎を見た琵琶丸は、ちょっと表情を曇らせこう言います。

 

琵琶丸「あんた、人を殺めたね? せいぜい、気をつけな

 

このときの百鬼丸の魂の炎は、白と墨色のまだら模様に赤い縦線がいくつも入っていました。以前、琵琶丸は、百鬼丸の魂の炎に赤色が混じるのを「鬼神に身体を奪われたときの残り火のようなもの」と表現していたけれど、今度は違います。赤い炎の混じり方で、琵琶丸にはそれがどういう由来のものなのか、なんとなく分かるようですね。

 

「せいぜい気をつけな」の意味するところは──。バケモノと違って人は社会を形成しているから。いくら正当な理由があったとしても、殺めた人とつながりのある者の恨みを買うかも知れないから「気をつけな」ということでしょう。そういえば、どろろの父親・火袋は、そんな因果で命を落としましたっけ。

 

「ばんもん」のたたり

 

琵琶丸と別れたどろろと百鬼丸は、町で「ばんもんのたたり」という言葉を聞き、興味をもちます。「ばんもん」は、醍醐領と隣の朝倉領との間に立つ丈高い板塀です。かつてはいくつも立てられていた板塀ですが、戦で焼け落ち今は一枚だけが残っているのです。

 

ずっと醍醐勢が優勢でいましたが、このごろ朝倉勢が盛り返してきていて、朝倉の兵士が醍醐の兵士や間者を捕えてばんもんに打ち付けるという血なまぐさい場所です。それに引かれてバケモノが集まるようになってしまい、今ではだれも近づかない場所になってしまったとか。

 

城下町で男たちが噂をしていたのは、今年は少しも雨が降らず、このままでは米の収穫が心配だ、これはきっと「ばんもんのたたり」に違いない──と、そう言っていたのです。(いや、それは第6話「守り子唄の巻」で百鬼丸が蟻地獄の鬼神を倒しちゃったからなんですけどね)。

 

バケモノが出るなら、退治すればお金稼ぎになるかと思い、どろろと百鬼丸はばんもんに様子を見にやってきます。

 

助六「おい、気をつけろよ。それ以上向こうに行くと、やられちまうぜ」

 

そこで会ったのが助六という少年です。年の頃はどろろより少し上の8歳か10歳くらいかな?

 

ばんもんは、かつて助六の暮らしていた村にいきなり立てられました。ばんもんの向こうが朝倉領、こちらが醍醐領。こうなってしまっては、行き来することができません。助六の家はばんもんの向こう側にあったので、両親は朝倉領にいます。でも、今は醍醐領となってしまったばんもんのこちら側に来ていた助六は家に帰ることができなくなり、両親と離れ離れになってしまったのです。

 

昼は朝倉の兵士が見張っていて、つかまるとばんもんに打ち付けられてしまいます。かといって、夜はバケモノが出るので、ばんもんを越えることができません。助六は一人、野宿をしながらなんとか家に帰れないかと思いながら暮らしていると言うのです。

 

どろろ「手伝う。ほんとはタダ働きはしねぇんだよ、飯ごちそうになったからまけといてやる」

 

強いバケモノということは鬼神かもしれません。本当のところ助六関係なしに百鬼丸は鬼神退治をするわけですが、まるで助六を助けるためにやるような話しぶり。・・・さすが! どろろ商売人ですねぇ! もちろん、助けたいという気持ちにウソはないんでしょうけどね^^ 庶民の辛い暮らしを経験しているどろろも百鬼丸も、困っている庶民は見過ごせません!

 

「我が醍醐の繁栄を阻む者は、何人たりとも許しはせぬ」──覚悟して外道に落ちているとはいえ、どん引きですよ醍醐パパ・・・。

 

一方、湖岸の村から戻ってきた兵庫と陸奥は、バケモノ退治で出会った男について景光に報告します。その内容に、景光は声を荒げます。

 

景光「なにっ? 目も見えず、両腕もない男だと?」

 

陸奥「はい。おそらくは、片足までも作り物かと。バケモノを倒しながら、諸国を旅しているとか」

 

兵庫「助けてもらわねば、死んでおりました」

 

陸奥「狙うのは常に強い鬼神どもだと豪語しておりましたが、実際に巨大なバケモノを一刀両断に切り裂いて。名は、百鬼丸と

 

二人の報告に景光は立ち尽くしたまま唸り、その後ろで縫の方は「おおお」と感極まった様子で袖で顔を隠します。景光と縫の方は赤子の名前を知りましたね! そう、あの子は立派に成長して百鬼丸と名乗り、すぐそこまで来ているんですよ!

 

夕方になり、景光はどこかに出かけようとしています。菩薩に祈りながら涙を流していた縫の方は、意を決して景光に声をかけます。

 

縫の方「どうなさるおつもりですか?」

 

景光「我が醍醐の繁栄を阻む者は、何人たりとも許しはせぬ

 

縫の方「許されることなのでしょうか。がんぜない子どもの命を犠牲にして。いずれ報いが来ます。いえ、もしかしたら、既に!

 

景光「では奥は、あの頃のまま、醍醐の国を地獄へ放っておけと申すのか」

 

縫の方「殿。殿が望まれているのは、人々の幸せなのですか? 諸国に打ち勝ち、醍醐の名を天下に響かせるために、あの子の命を・・・

 

景光「天下のこと、女には分からん!」

 

縫の方、やっとの思いで抗議しましたね。現代でさえ日本は、先進国の中でもっとも女性の地位が低いとされている国です。この時代に縫の方が景光に抗議するなど、普通ならあり得ません。縫の方はこれまで16年間、菩薩像に祈りながらじっと耐えてきました。川に流すなどという仕打ちをした我が子が生きていると、しかもすぐそこに来ていると知ったからには、もう我慢も限界といったところでしょう。

 

それに対して景光は、第1話で自分でそう言っていたように、外道に落ちていますね。これ以上落ちようがないと腹をくくっているようです。百鬼丸を手にかけるつもりですよコレ! まさに鬼・・・!

 

縫の方が言う「いずれ報いが来ます」は、もちろんフラグです。どんな報いでしょう? 景光は大切な何かを失うということでしょうね。それは1969年版アニメでは多宝丸でした。今回は違うような気が・・・ってことは。ぁ・・・縫の方・・・か? いやいやいや。先走った予想はやめましょう!

 

「天下のこと、女には分からん!」なんて、捨て台詞を残して歩み去る景光。そして泣き崩れる縫の方。この二人の会話を庭木の影で聞いていた者がいました。多宝丸です! かなり混乱した表情をしています。ここでの両親の会話だけでは、何が起きているのか理解できないのでしょう。

 

「♪鬼の子生まれた真っ赤っか」町の狂女の正体は?

 

多宝丸と彼の従者・兵庫と陸奥は、町に出て百鬼丸の行方を捜します。兵庫と陸奥が百鬼丸のことを景光に報告したとき、景光はひどく驚いた──と、二人から多宝丸は聞いています。庭木の影から盗み聞いた両親の会話で、母の縫の方は「子どもの命」「あの子の命」と言っていました。さらに数日前、忍びに自白剤を飲ませ、「16年前に消えた赤子と産婆を探せ」と景光から命じられていることも知りました。

 

だとすれば、年齢からいって「16年前に消えた赤子=百鬼丸」という目星くらいはついているでしょう。そして、縫の方の言う「あの子=百鬼丸」だろうというあたりまで推測できていそうです。

 

多宝丸「父上と母上の隠されているもの。16年前に消えた赤子の行方。わたしの知らない何かの答えを、あの男が持っているのだとしたら──」

 

それを訊き出すつもりで、多宝丸は百鬼丸を探しているのです。この時点では、まさか景光が赤子の身体と引き換えに醍醐領に繁栄をもたらしたとは思っていません。さらにその赤子が、こともあろうに自分の実の兄などとは夢にも思っていないでしょう。もっとも、百鬼丸から真相を訊き出そうにも、百鬼丸は何も知らない上に上手く話せないんですけどね。

 

町中を流れる水路の向こう岸に、妙な女が布に包んだ赤ん坊のようなものを抱えて歌っています。

 

女「♪鬼の子生まれた真っ赤っか。山の獣に食わしょうか。海の魚に食わしょうか

 

多宝丸「おい、そこの女!」

 

赤子のことばかり考えていたので気になったのか、多宝丸が声をかけると女は顔を上げ、急に恐れおののき始めます。

 

女「鬼の子じゃぁ! 鬼の子がまた醍醐を滅ぼしに戻ってきたぁ~!

 

女は抱えていたものを地面に落とします。布の中から出てきたのは、赤く塗られた丸い石でした。それはまるで、生まれてすぐに鬼神に皮膚をはぎとられた赤子のときの百鬼丸の頭そっくりです。じつはこの女、どろろと一緒に町にやってきた百鬼丸を遠くから見かけたときにも、同じように取り乱して「鬼の子」と言っていたのですが──。

 

百鬼丸が生まれたとき、年老いた産婆は赤子を川に流した後すぐにバケモノに食べられてしまいました。もう一人、若い産婆がいたのですが、おそらくそれがこの女なのでしょう。ショッキングな出産に立ち会ったことで、じょじょに精神を病んでしまったようです。

 

しかし、百鬼丸と多宝丸を見て「鬼の子」って──。「景光=鬼」と認識してるんですね。もちろん、いつもこの場所で奇妙な歌を歌っているこの女は、狂女としてだれも相手にしないでしょうけれど。気になるのは、若い男を見るとだれでも「鬼の子」と言うのか、百鬼丸と多宝丸だけに「鬼の子」と言うのか、どっちでしょうね?

 

多宝丸「鬼の子とはいったい何だ? 醍醐を滅ぼすとはどういう意味だ、答えろ!」

 

女「鬼のたたりじゃぁ~。鬼が赤子を食ろうたんじゃ。手も足も鼻も口も、肌も全部。ぜんぶ、ぜんぶ・・・。醍醐の国にたたりを返しに帰ってきたんじゃぁ~!

 

ただ驚くばかりの多宝丸と二人の従者です。でも、これかなり正しい認識ですよね。百鬼丸は鬼に身体のあちこちを奪われ、それぞれの部位を奪った鬼神を倒すたびに身体を取り戻し、同時に醍醐の国にたたりが起きている。醍醐の側からだけ見れば、百鬼丸は災厄を運んでくる忌まわしい存在です。

 

はたして多宝丸は、この女の言葉をどう解釈するでしょう?

 

ついに景光と百鬼丸、因縁の親子対面!

 

日が落ちて、朝倉の見張り兵が引き上げると間もなく、ばんもんのまわりにいくつもの緑色の炎が浮かび上がります。狐火が現れたのです! これがばんもんのバケモノの正体です! 腰に差した刀を手に、百鬼丸は片っ端から狐火を斬っていきます。ところが斬っても斬っても、狐火はつぎつぎ現れきりがありません。ついに義手を捨てて仕込み刀を抜いた百鬼丸。本気モードです! どろろも石を投げて応戦します。

 

今ならばんもんの向こう側に行けると踏んだ助六は、一人で朝倉領に走り出します。一人じゃ危ないと止めるどろろですが、狐火に襲われ追いかけることができません。この狐火を斬り倒し、百鬼丸は言います。

 

百鬼丸「いけ

 

どろろ「すまねぇ、アニキ」

 

わぉ! 最初の頃の、お人形のような顔で無言のままバケモノを斬り伏せていた百鬼丸もかっこよかったんですけど、どろろの窮地を助け、さらに「いけ」って言うなんて。これがいっぱい喋れる状態だと「ここはオレが食い止める。いいからお前は行けぇ~!」って感じですかね! 人間らしいカッコよさが加わってきました! 嬉しいですねぇ^^

 

狐火はつぎつぎと集まり、ついに巨大な鬼神・九尾となります。九尾に倒され食らいつかれそうになったところを両足で蹴り上げ、隙をついて九尾の左前脚を切り落とし・・・死闘を繰り広げる百鬼丸の目の前に数本の矢が打ち込まれます。それを機に、九尾は闇に溶けて逃げて行きました。

 

矢を射たのは景光率いる醍醐の兵たちです。総勢15名ほどでしょうか。ついに、因縁の親子対面です! 馬上の景光は、目の前にいるのが鬼神に捧げた長男だと分かっています。地獄堂の鬼神の力で顔を見ているし、兵庫と陸奥の報告から「百鬼丸」という名も知っています。

 

 

百鬼丸の方はまだ何も知りません。ただ、景光の魂の炎が白と墨色のまだらで赤い縦線が何本も立っているのを見て警戒すべき相手だと思っているのでしょう。じつは景光の魂の炎は今の百鬼丸と同じような状態(もちろん、景光の方が赤い線が多く、まがまがしい感じが強い)なのですが、百鬼丸はそれに気づいていないでしょうね。

 

にらみ合う景光と百鬼丸!

 

その頃、百鬼丸を加護しているあの首のもげた菩薩像に亀裂が入りました。百鬼丸にまた危機が迫っているからでしょうか? 景光は本当に、またしても百鬼丸を亡き者にしようとするのでしょうか?

 

少数の兵を率いて屋敷を出た景光の動向は、敵方の朝倉に知られています。景光の首を取る好機とみて朝倉が兵を動かし攻めてくるのも時間の問題。

 

一人でばんもんを抜けて朝倉領に入った助六は、見張りの朝倉兵に捕えられてしまいました。助六を追ってきたどろろも朝倉兵に見つかります。

 

景光と百鬼丸はどうなる?

 

朝倉軍はいつ攻めてくる?

 

見張りの朝倉兵に捕まった助六はどうなる? 見つかったどろろは?

 

多宝丸は狂女の言葉をどう受け止め、どう動く?

 

地獄堂を見物に行った琵琶丸は、どう絡んでくる?

 

最終話を前に、物語を大きく動かしてきましたね! 緊張感ビンビンに盛り上がってきました! 主要人物オールキャストで、次回どんな展開になるのか。それ次第で、その後の展開も変わってきますよね! 今作のアニメは、原作と大きく変えてきているので、何がどうなるのかまったく予想がつきません。とにかくワクワクが止まりませんね!

 

ため息もののシナリオと映像表現

 

今回は2話つづきの前半だったこともあり、ものすごく複雑なシナリオでしたね。百鬼丸とどろろの動きを追いながら、同じくらいの密度で多宝丸の動きも追っています。そこに豊かな醍醐の城下町の様子を入れ込み、ばんもんの説明が入り、そこで助けるべき少年・助六の事情が絡みます。百鬼丸の登場でそれぞれの思惑から百鬼丸排除に動く景光、景光に抗議する縫の方。さらにばんもんに巣くう鬼神・九尾の討伐戦と敵軍・朝倉の動き。城下町の狂女や、琵琶丸の行動まで。景光が領民に、自分が鬼神退治したとウソを流していることなど、など。

 

登場人物が多くなればなるほどストーリーに破綻が起きやすくなるし、それぞれの人物描写が浅くなる。だから、少ない登場人物で物語を動かす方がずっと楽なわけだけど、このシナリオはどうですか!

 

かなり短いシーンでどんどん展開させていき、百鬼丸サイドの話をしたかと思えば景光のシーンに飛んで、またすぐ多宝丸に移って、それが終わらないうちにまた別のシーンを差し込んで・・・。目まぐるしく視点を変えながら、全方位的に話しを進めながらも混乱させないだけでなく、それぞれの人物の感情表現やキャラクターに沿った言動が完璧に作りこまれています。お見事! としか言いようがない!

 

たった20分ちょいとは、とても思えません! これだけ複雑でボリュームのある情報を、よくもまぁこの時間に入れ込んだもんだと、ほれぼれしちゃいます。まるで秒単位で区切られたパズルのピースを、カチリ、カチリとくみ上げて行ったかのような! こんな密度の濃い作品、観たことないです! いつも濃いけど、今回は特別すごかったですね!

 

ワクワクしすぎて、第12話の予告映像の感想を!

 

映像の最初は、百鬼丸が醍醐の屋敷の塀の上に立ってます。とりあえず、ばんもんで景光が百鬼丸を傷つけることも捕えることもなかったのですね。(いや、捕えた後に百鬼丸が逃げ出したってのもありうるか)。ここで縫の方が百鬼丸の姿を目にします。続いてばんもんを挟んだ戦が起きそう。ばんもんの朝倉側に数人がはりつけられていることから、もしかして百鬼丸に会いに行ったときに景光が連れていった醍醐兵が捕らえられたのかも!?

 

合戦場に狐火が光り、ばんもんに縛られているらしい助六が涙を浮かべて怯えた顔をしています。次に地獄堂の鬼神像が映されて! 多宝丸、兵庫、陸奥がどこかの扉を開けています──もしかして、ついに真実にたどりついた?

 

次はなぜか縫の方が馬を走らせていて、百鬼丸と多宝丸が刀で打ち合っているっ! ダメダメ、だめだよー! どうしてそうなる? そしてなんかどろろが涙浮かべて叫んでいて、すっかり甲冑を着こんで戦支度の景光が不敵な笑みを浮かべています。そこに百鬼丸が怒りをむき出しに挑んでいく!

 

うーむ・・・。もし多宝丸が真実にたどり着いたなら、どうして百鬼丸と戦うんだろう? 醍醐と朝倉の合戦に、百鬼丸はどう絡んでくるんだろう? たった一人で馬を走らせる縫の方・・・危ないですねぇ。きっと、百鬼丸を庇うために屋敷を出たんですよね。やっぱり縫の方が・・・だとすると、それで多宝丸が暴走するというシナリオが成立しますね。

 

鬼神の九尾は倒せるのか? だとしたら戻る部位はどこ?

 

あー結局、謎だらけで分けわからーん! 大人しく本放送を待ちます!

 

最後に、浅田弘幸さんのおちゃめな二次画像♪

 

あははー! 浅田弘幸さんもやっぱりそう思ったんですね!

 

多宝丸に名前を訊かれて名乗ったとき、すごくきちんとした発音でしっかり答えられていたもん。ぜったい、いっぱい練習したんですよねー! どろろがぎゃーぎゃー言いながらも、ずっと根気よくつき合っていたのが目に浮かぶようです!

 

▼ちなみに、こっそり鈴木拡樹さん(百鬼丸VA)も悪乗りちゅうw 「ひゃっきまんじゅ」かわいいw

 

書くことありすぎて、すっかり長い記事になっちゃいました。すみませーん! 最後までお読みいただき、ありがとうございました^^



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