2019年1月~放送のアニメ「どろろ」。第22話「縫の巻」の詳細なあらすじと見どころを紹介します。「取り戻したい!」「守りたい!」百鬼丸と多宝丸の想いが激突!! あわせて感想もどうぞ!【注意】完全ネタバレです!



第22話/「もし、あの子に斬られるのであれば、それがおそらく、わたくしの成すべきことなのでしょう」ちがーう!あなたの成すべきことはソレじゃない!

 

縫の巻

nui no maki

 

紅葉も盛りを過ぎ、やや色褪せた樹々に降りしきる雨。木の根元には二人の男が雨宿りをしています。一人は傭兵を生業にしている者のようです。

 

「チッ、ついてねぇ。醍醐の城は目の前だってぇのに!──あんたも足止めかい? 醍醐を出るなら急いだ方がいいぜ! あんたみたいな素人は、とっとと逃げ出すのが一番だよ。オレはま、がっぽり稼がせてもらうけどなぁ」

 

寿海「いや、ワシも用がある」

 

「はぁ? すぐ戦が始まんだぞ? 何があるってんだい」

 

寿海「それを、探しておってな」

 

その傍らを4頭の馬が駆け抜けていきます。馬上にはそれぞれ多宝丸と男、ケガをした陸奥と男、同じくケガをした兵庫と男、最後に「放せ!」と喚き散らしているどろろを小脇に抱えた隠者が乗っています。彼らの着物には、大きく醍醐の紋が染め抜かれていました。

 

騒がしい一群を、驚いた表情で見送る木の下の二人です──。

 

いや、驚いたのはこっちですよ。まさかここで寿海が出てくるとは! でも考えてみれば寿海は、百鬼丸に義足をくれと言われて「やるわけにはいかん!」って放り出したままだったんですよね。そんな扱いをしたのに自分を「おっかちゃん」と呼び慕ってくれた百鬼丸のことを、ずっと考えていたのでしょう。

 

そして、ただ放り出すのではなく、我が子同然の百鬼丸の痛みに寄り添おうと思い直したのでしょう。辛く難しい現実に立ち向かう百鬼丸の、力になりたいと思ったのだと信じます! そうでなければ、人としておかしいから!

 

今回のテーマは「母の成すべきこと」でしょう。サブテーマは──「闇堕ち」──ですかね。

 

前回は、クライマックスに向けいろいろな種まきがされた回でした。簡単に振り返りましょう。

 

1、醍醐の国では、またしても朝倉との大戦が始まりそうになっています。

2、ついに本気モードで戦った百鬼丸と多宝丸’s。多宝丸は額を斬られ、陸奥は右腕を斬り落とされ、兵庫は左腕を斬り落とされ──。多宝丸は自分たちと百鬼丸との力の差を実感し、さらに憎しみを募らせたことでしょう。

3、兵庫と陸奥はどちらも片腕を斬り落とされ、もはや多宝丸と戦うことが困難に。さらに陸奥は流行り病に感染し、戦うどころか命の危機にさらされています。

4、道具として粗末に扱われて殺された白馬の「ミドロ」は、妖となってしまいました。

5、卑怯な手も迷うことなく使う隠者にどろろが連れ去られました! どろろが心配! 同時に・・・鬼になるのを止めてくれるどろろがいない本気モードの百鬼丸がどうなるのか──超楽しみ(コラ!)。

 

いろいろありますねぇ。今回はこれらを受け、少しずつ状況が変化していきます。少しずつというか・・・かなり変化しちゃった人も・・・。

 

縫の方、勢いでどろろと脱走

 

百鬼丸を討つ奥の手に利用しようと隠者により醍醐城に連れてこられたどろろは、牢に入れられています。何とか逃げ出そうと内側からカギを開けようとしますが上手くいかず、「やっぱダメかぁ」と、どろろはゴロリとむしろに仰向けに転がります。思いだすのは、鵺の亡骸をメッタ刺ししていた百鬼丸の姿。そして、何の躊躇もなくスパリと兵庫と陸奥の腕を斬り落とした百鬼丸の姿でした。

 

どろろアニキ、お願いだから、アニキのままでいてくれよ)。

 

そこに現れたのが縫の方です。縫の方はカギを開け、どろろを牢から出してやります。

 

縫の方「あなたは、いつからあの子──百鬼丸と旅をしているのですか? さぞや過酷な旅であったと。あなたのような幼子とずっと二人で──教えてはもらえませんか? あの子のことを」

 

どろろ「今さらそんなん知って、どうすんだよ。自分が何言ったのか、覚えてねぇのかよ。たった一人のおっかちゃんに捨てられて、あんなことまで! 目も耳も、腕も足もなんもなくて。それでも取られたもん取り戻そうって必死に戦ってきて。なんでアニキばっかり、あんな目に遭わされなきゃなんないんだよ!

 

ですよね! どろろ正論! なじるどろろの言葉を、眉根を寄せ、黙って聞いている縫の方です。そりゃ──ちゃんと心のある人間なら何も言えないよねぇ。

 

縫の方「気をつけてお行きなさい。──ありがとう。あの子と旅をしている子どもがいると聞いて、本当にわたくしは、あなたにどれだけ感謝してもし足りない」

 

どろろ「そうだ! アニキにさ、アニキのおっかちゃんが助けてくれたって、言ってもいいかな?」

 

縫の方「それは──」

 

抜け道を出た縫の方は、どろろに感謝の言葉を言い、別れようとします。どろろを助けたのが母親だと知られるのは、縫の方としては気まずいのでしょうね。「わたくしはそなたを救えませぬ!」ってはっきり言ってしまったのだから、もう合わせる顔がないという気分なのでしょう。

 

ところが、縫の方はそこで気が変わったようです。豪華な十二単を脱ぎ棄て、どろろと一緒に行く気になったようです。

 

二人は葦の穂群れる川を舟で下ります。そこは、ちょうど16年前のあの日、百鬼丸を流した川だったのでしょう。縫の方は目を伏せ、当時を思い出しています。

 

芦原を走り「坊や、坊や!」と赤ん坊の百鬼丸を呼ぶ縫の方・・・。これまでそんな描写はありませんでしたが、かつて縫の方は、百鬼丸を求めて屋敷を抜け出したこともあったのですね。

 

舟を漕ぎながらどろろが言います。

 

どろろ「アニキはたぶん、あんたを許さない。それどころか──」

 

縫の方「もし、あの子に斬られるのであれば、それがおそらく、わたくしの成すべきことなのでしょう。ようやく一つだけ分かったような気がします。わたくしは、あの子に会いたかったのです。もう一度。わたくしがこれから成すべきことも、そこで初めて・・・きっと」

 

縫の方の言葉に気を取られていたどろろは、そこで舟を操り損ねて、二人とも川に落ちてしまいました。

 

縫の方は、生まれたときからずっと変わらず百鬼丸を愛していました。優しい人なのです。それはこれまでも、十分語られてきました。それなのにどうして「ばんもんの巻」で、あんなに愚かなことをしてしまったのやら──。

 

坊やに会えて嬉しい⇒坊やをなんとか救ってあげたい⇒鬼神との約定のため助けてあげられない⇒「わたくしはそなたを救えませぬ!」で自殺未遂

 

まぁ、気持ちは分からないこともありませんが──。どろろを牢から逃がしたり、ついに自分も十二単を脱いで脱走したりと、今回の縫の方はアクティブですね。縫の方の言う「わたくしの成すべきこと」って、いったい何なのでしょう? 縫の方は、今後の展開を左右するキーパーソンの一人になりそうです。

 

「報いるぞ、必ず。そなたが命をかけて守ろうとしたすべて。私が、必ず、守り抜いてみせる!」多宝丸の強い決意

 

ケガを負い帰城した多宝丸と兵庫と陸奥。兵庫は負傷兵が収容されている建物にむしろを敷いて寝ていて、その側に多宝丸が座っています。多宝丸は、兵庫の斬り落とされた腕を見て悔しそうに口元を歪めます。

 

兵庫「オレは大丈夫、ぜんぜん。姉上にどつかれる方が・・・きつい」

 

多宝丸「そうだな」

 

気丈にも兵庫は多宝丸に笑ってみせ、多宝丸もその気遣いに言葉を和らげます──。

 

あぁ、そうかっ! と、ここでようやく謎が解明! 「姉上」なんですね! 陸奥と兵庫は兄弟でも兄妹でもなく「姉弟」だったんですね! 陸奥は女性で、兵庫より年上。だから、いつも兵庫に対して厳しい物言いをするんですね! なぜか、その可能性を今まで考えませんでした。どうしてかなぁ? まぁ、とりあえず、ずっと引っかかっていた陸奥は男か女か? の謎が解けてすっきりした瞬間でした!

 

ここで多宝丸は医者を問い詰め、陸奥が流行り病に罹患しているので隔離されていることを訊き出します。どうやら陸奥の病状はかなり進行していて、首筋だけに留まっていた病変が、いまや身体じゅうに広がってしまっています。さらに熱もあるらしく、陸奥は上気した頬にトロリとした目つきで息を切らしています。ドタドタと近づく足音に続き、襖を叩く音がして、多宝丸が廊下から陸奥に話しかけます。

 

多宝丸「このバカ者がっ! なぜ戦いに出た。なぜ休んでいなかった。一言、一言いってくれれば、もっと早く気付けたかも知れぬ。ケガを負うこともなかったはずだ」

 

襖を開け、中に入ろうとする多宝丸を兵庫が止めます。「もし、若まで病がうつったら──」と。

 

陸奥「よく申した兵庫。申し訳ございません若。流行り病に加えてこの傷では、若が築かれる戦のない醍醐の国、最後まで見届け申し上げることはもはや叶いませぬが、必ずや若なら成し遂げられますこと、この陸奥は信じておりまする。兵庫、右の腕はまだ動くな?」

 

兵庫「はい」

 

陸奥「ならば良い。その身の動く限り、最後の最後まで若をお守り申し上げよ」

 

兵庫「はい」

 

多宝丸報いるぞ、必ず。そなたが命をかけて守ろうとしたすべて。私が、必ず、守り抜いてみせる!

 

「でも、もしかしたら!」どろろが何かを思いついた!

 

川に落ちた縫の方とどろろが拾われたのは、行き場のない者たちが身を寄せ合っている急ごしらえの村でした。ある者は戦で行き場をなくし、ある者は流行り病が出たからと村を焼かれ──。琵琶丸も一時的にここに身を寄せているようです。「ミドロ」の子馬もいます。

 

縫の方は、そこで人々のために働いています。粥を食べさせたり、川で洗濯をしたり。自分から手伝いたいと言い出したようです。村を仕切っているらしい3人の男の一人、弥彦がどろろに訊きます。

 

弥彦「なぁ、あの人もしかして、醍醐の奥方じゃないのか?」

 

どろろ「ちっ、ちがわい!」

 

弥彦「そうかい」

 

どろろは否定しましたが、彼らにはばれているようです。そりゃ、着物も髪型も、立ち居振る舞いも、普通の人と違うのは一目瞭然ですからね。3人の男たちは、それぞれ醍醐のやり方に対して考えが違うようです。

 

道秀(どうしゅう)「醍醐景光とて、民が憎くてしたことではあるまい。国を守るため、彼なりに考えた上での行動だろう」

 

次平太(じへいた)「へっ、道秀はすぐ悟ったようなことを言いやがる! オレは、ほんとはあの奥方にだってガツンと言ってやりてぇんだ!」

 

弥彦(やひこ)「次平太!」

 

次平太「分かってる! けどよ、このままじゃオレたちあんまり惨めじゃねぇかよ」

 

弥彦侍たちの都合で、オレらはいっつも振り回され続け。たまんねぇよな

 

鬼神との約定により、国が安定して繁栄していたときには、彼らも毎日平和に暮らしていたのでしょう。それが不安定になってしまうと、とたんに人々は疲弊してしまう。これを見て、どろろはどう思ったんでしょう。百鬼丸が鬼神を倒した結果がこれなのだと思ったのでしょうか? それとも、やはり侍は嫌いだと思ったんでしょうか? 結論のつかない問いを再認識したというところでしょうか。

 

川で洗濯をしている縫の方を見つけてどろろは走り寄ります。

 

どろろ「しばらく、ここで足止めだ。城の方は大騒ぎらしい」

 

縫の方「でしょうね──あの子が生まれたとき、わたくしはあの子の産声をたしかに聞いたのです。その直後、あたりが真っ白になり、光が去ったときにはもう、あの子は──。限りなく愛おしいと思いました

 

どろろアニキは、このままじゃ鬼神になっちまうかも知れない。アニキの中の鬼神の炎がどんどん強くなってるんだ。けど、オイラじゃどうにもできなくて・・・

 

縫の方「そんな!」

 

どろろ「でも、もしかしたら!」

 

どろろが何かを思いつきました。「でも、もしかしたら!(こんなにアニキを想っているおっかちゃんなら、こんなに大切に想っていることを伝えれば、今度こそアニキを止められるかもしれない!)」ってところですね。

 

ほぼ鬼神化した百鬼丸大暴れっ!!!

 

巨大な地割れに落ち、地を這いながらどろろを呼んでいた百鬼丸は、なんとか地上にたどり着きます。

 

うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 

叫び声をあげた百鬼丸は一言「取り戻す!」と。どろろも、自分の身体も──両方の意味でしょうね。気配にふと振り返ると、そこに炎をまとった白馬が立っていました。妖となった「ミドロ」です。「ミドロ」は今、燃えるように赤い目をしています。

 

醍醐の出城がある二本松の丘を炎の竜巻が渦を巻いて襲います。渦の中心にいるのは「ミドロ」の背に乗る百鬼丸。いまや真っ赤なオーラをまとい、刀を振るう百鬼丸・・・。両腕の刀で、立ち向かう侍たちを片っ端から斬りながら走り抜けます。いやカッコ──じゃなくて恐ろしい! ほぼほぼ鬼神化しちゃってます!

 

二本松の丘に百鬼丸らしい者が現れたという噂を訊いたどろろと縫の方は、村を離れ、二人で百鬼丸を目指します。道中、どろろは縫の方に言います。

 

どろろ「──まだアニキだって決まったわけじゃねぇ。アニキだとしても、ただ醍醐を目指してるだけで・・・まだ。なぁ、さっき言ってたよな、アニキが生まれたときのこと。あれ、アニキに会えたら直接言ってやってくれねぇか。おっかちゃんは、アニキのことちゃんと大切に想ってたって、アニキに伝えてやってくれよ

 

二本松の丘にはどろろを連れ去った隠者もいました。

 

百鬼丸「どろろを返せ!」

 

百鬼丸は隠者を追い詰め「どろろを返せ」と唸ります。隠者の攻撃など、今の百鬼丸にはまるで通用しません。「知るか!」とわめいて逃げようとする隠者を、「ミドロ」が吐いた炎が焼きました。手ごわい相手が登場したかと思えた隠者ですが、あっけない最期でした。

 

地獄堂にて

▲鬼神像が置かれている地獄堂 出展/TVアニメ「どろろ」公式

 

流行り病に侵され、もう自分は長くないと悟った陸奥は、単身、地獄堂にやってきました。

 

陸奥「12体目の鬼神。かつて、百鬼丸より身体を奪えなかった鬼神よ。果たされなかったその約定、今わたしが代わりに! この身体のすべてをおまえに捧げる。どうか、われらの国を、皆を守りたまえ!」

 

そこに多宝丸と兵庫がやってきて陸奥を止めます。

 

ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ!

 

と唸った鬼神像は、陸奥を拒否しました。

 

陸奥「醍醐景光と鬼神たちの約定は、醍醐の跡取りである百鬼丸の身体でのみ──」

 

まぁそうですよね。病気でもう先が長くない陸奥の身体をもらっても、鬼神は嬉しくないでしょう。それでなんとかなるのなら、重病人や、瀕死の怪我人を捧げればいいってことになります。そんなに都合よくは行かないですよね。

 

醍醐の国を守るための生贄として鬼神が生まれたばかりの百鬼丸の身体を選んだのは、百鬼丸が醍醐の国の未来を担う存在だからでしょう。もしかしたら、醍醐の「今」を守るために「未来」を差し出させたとも考えられます。

 

だとすれば、醍醐の「未来」を担う多宝丸でもその代わりになれる可能性がある・・・カモ!?

 

多宝丸「百鬼丸ぅぅぅぅぅぅ!」

 

叫んだ多宝丸の顔に巻かれた包帯が破れとび、落雷したかのような黄色い光が多宝丸を包みました──。

 

百鬼丸vs多宝丸’s 4度目の対決!

 

二本松の丘で隠者を倒し、さらにどろろを探すために醍醐領を目指す百鬼丸の前に、またしても多宝丸’s(多宝丸、陸奥、兵庫の3者連合)が立ちふさがりました。

 

でも、これまでとどこか様子が違います。なんと、斬り落とされたはずの陸奥の右腕も、兵庫の左腕も元通り生えています。そして、目の下にクマをつくった多宝丸の額の傷が割れ、さらにつぶれているはずの右目も開きました──なんと多宝丸は3つ目に!!!

 

百鬼丸の目に、多宝丸の顔には二つの真っ赤な目が映っています。

 

百鬼丸それは、オレのものだーーーーー!

 

多宝丸の中に鬼神の炎を見た百鬼丸は一言叫んで多宝丸に突進します。

 

多宝丸「百鬼丸ぅぅぅぅぅぅぅ!」

 

激しく刀を打ち鳴らす百鬼丸と多宝丸。

 

多宝丸「約定を果たし、醍醐の国を永劫守るために、キサマの身体もらいうける。百鬼丸!」

 

まさか多宝丸が鬼神化するとはっ! これはさすがに予想外!!

 

いやー、なんか壮絶なストーリーでしたね。いろいろ予想外なことが起きて、今後がすごく楽しみになってきました。前回の種まきがどうなったのか、ざっと振り返ってみましょう。

 

1、醍醐の国では、またしても朝倉との大戦が始まりそうになっています。

➡ばんもんで激突必至! 景光は兵を引き連れ、出陣しています。

 

2、3、ついに本気モードで戦った百鬼丸と多宝丸’s。多宝丸は額を斬られ、陸奥は右腕を斬り落とされ、兵庫は左腕を斬り落とされてしまいました。さらに陸奥は流行り病に感染し、戦うどころか命の危機にさらされています。

➡醍醐の国を守るため、多宝丸、陸奥、兵庫は地獄堂で鬼神化しました──。

 

4、道具として粗末に扱われて殺された白馬の「ミドロ」は、妖となってしまいました。

妖の「ミドロ」は、どろろを求める百鬼丸を背に大暴れ!

 

5、卑怯な手も迷うことなく使う隠者にどろろが連れ去られました!

➡どろろは縫の方と一緒に外に逃げます。隠者は「ミドロ」の吐く炎であっけなく焼死

 

今回、もっとも驚いたのが多宝丸の鬼神化でしょう。百鬼丸が怒りに任せて鬼神化するのは予想がつきましたが、まさか多宝丸が鬼神化するとは! 多宝丸は自分の頭で考えられる実直な人間だったから、もしかしたら鬼神に頼らず国を立て直す方法を選んでくれるのでは──と期待していただけに、残念です。

 

しかし結局、景光は、二人の息子のどちらもが鬼神化してしまい、しかもその二人が殺し合うという結果を招いてしまいました。なんとも可哀想というか──哀れですね──。

 

ただし、希望もあります。

 

ひとつはどろろです。これまでずっと百鬼丸と一緒にいて、百鬼丸が怒りにまかせて鬼神化するのを止めてきたどろろが無事でいるということを知れば、百鬼丸はずいぶん気持ちが落ち着くでしょう。

 

もう一つは縫の方。「ばんもんの巻」で「わたくしは、そなたを救えませぬ!」って叫んで百鬼丸を突き放した縫の方は、あれから冷静になり、自分の成すべきことを求めてどろろと一緒に城を出ました。百鬼丸が生まれたときからずっと大切に想っていたことを縫の方がきちんと伝えられれば、百鬼丸の気持ちはかなり救われるように思います。

 

多宝丸にとっても縫の方は重要です。縫の方は多宝丸も救うことができるカギとなるでしょう。

 

さらに、百鬼丸のもう一人のおっかちゃんが醍醐の国に近づいています。寿海ですね。彼もまた、一度は「ワシはおまえを救えぬ!」と百鬼丸を突き放しました。でも考えを変えたようです。きっと百鬼丸の助けになりたいと思って醍醐の国を目指しているのだと思います。

 

こう考えると、百鬼丸には何人もの応援団がいます。百鬼丸はまだ人に戻れる可能性があると思いますが。

 

一方、多宝丸はどうなんでしょう? 心から信頼する兵庫と陸奥も鬼神から腕をもらってしまっているということは、共に闇堕ちしていますよね。不信感を持ってしまっている縫の方が何を言っても、もうどうしようもないような気もします・・・。

 

[char no=”1″ char=”あいびー”]この鬱展開は、なかなか心に来ますね。毎回、放送のラストに登場した妖の名前が表示されるのですが、「安姉・江弟」と書かれ、陸奥と兵庫の絵が描かれています。二人とも妖になってしまったということですね。次回第23話のタイトルは「鬼神の巻」。クライマックスの1話手前といえば、一番の盛り上がりどころです。いったいどうなるのか、想像がつきません! 心して──。[/char]

小さな疑問

 

すっかり鬼神化して大暴れしている百鬼丸が、同じく鬼神化している多宝丸を目にしたときに発した言葉。

 

百鬼丸それは、オレのものだーーーーー!

 

これ、引っかかりませんでしたか? わたしは、かなーり面食らいました。どういう意味だと思います? 「それ」って何だと?

 

どういう仕組みで多宝丸が鬼神化したのか謎ですが、もし多宝丸が地獄堂で本物の鬼神となったのだとすれば、百鬼丸の奪われた身体を持っているということですよね。つまり「それ」は、百鬼丸の身体の一部。

 

残る「右手」「左手」「目」の内のどこかでしょう。陸奥と兵庫がそれぞれなくした片腕を取り戻していることから彼らが右手と左手を持っているような気がします。多宝丸の額に3つ目の目ができていることから、彼が持っているのは「目」。

 

はぁ・・・。目を取り戻すためには、多宝丸を倒さなければいけないわけですか。オープニングによると、百鬼丸は目を取り戻しているようだし、多宝丸は倒されてしまうのかなぁ。なにか倒す以外の、別の解決策があればいいのですが──。

 

まさか、こんな展開を仕込んでくるとは。予想の斜め上いってくれました・・・。鬱、鬱。

 

▼「どろろ」関連のすべてのページ一覧はこちらです

 

スポンサーリンク