「あの日から5年。ついにエレンたち調査兵団は、エレンの家の地下室にたどりつく!」。TVアニメ「進撃の巨人」シーズン3、第2クール第56話「地下室」の感想と考察を、詳細あらすじとともにお届けします。圧倒的な力をもつ巨人と人類の果てしない戦いを描いた人気アニメ「進撃の巨人」。【注意】完全ネタバレです!



第56話/「私は人類が優雅に暮らす壁の外から来た。人類は滅んでなどいない」グリシャが残したこの世界の真実とは?!

▲エレンの家の地下室には何が・・・ 出展/TVアニメ進撃の巨人公式

#56

地下室

 

少しもやがかかったところで目を覚ましたアルミンは、目の前に現れた「超大型巨人」の顔を見上げた。その顔は半分はいつもの人体模型のような顔で、もう半分は肉のない骸骨のような顔だった。片方だけある巨人の目から涙がこぼれる──。

 

アルミン「・・・ベルトルト?」

 

そうつぶやいたとき、すぐ側で「痛い」と声がした。と、同時にもやが晴れ視界がクリアに。隣に寝ているサシャがまた「痛いよ」とうなされる。アルミンには、なぜサシャが怪我を負っているのか、ましてや自分がなぜここにいるのか、いや、ここがどこかすら状況が飲み込めていないようだ。

 

「アルミン!」と呼ぶ聞きなれた声に振り向くと、壁の上を走ってきたエレンがアルミンに抱きついた。

 

リヴァイ「起きたか」

 

立体軌道装置で壁上にやってきたリヴァイがアルミンに声をかける。

 

アルミン「兵長。これは──どうなってるんですか? たしか、ベルトルトが巨人に──あ、他のみんなは大丈夫なんですか?」

 

リヴァイ「覚えているのはそこまでということか。エレン、ありのままを話せ」

 

そう言うとリヴァイは、緑の信煙弾を打ち上げた。戦闘が終わってから4時間。手分けして生存者を探しているものの、まだ9人以外は見つけられていない。信煙弾を確認した他の者が壁の上に集まってきた。

 

アルミン「・・・そして、ボクかエルヴィン団長、どちらに注射を使うかもめた後、ボクが巨人になってベルトルトをく、食った」

 

そこまで言ってアルミンは、思わず吐き戻しそうになりジャンが手渡してくれた水を喉に流し込んだ。

 

アルミン「どうしてボクなんですか。誰がどう考えたってエルヴィン団長を生き返らせるべきじゃないですか。兵長、どうしてボクに打ったんですか?」

 

リヴァイ「少なくとも、おまえの仲良し二人はそうは思わなかったようだぞ。オレに抵抗し、刃傷沙汰に及ぶほどな」

 

アルミンの隣に座っているエレンとミカサは、ひどく気まずそうな顔をして俯いている。

 

エレン「オレたちは、どんな処分も受けます」

 

ハンジ「当然、兵規違反の罰は受けてもらうが、罰さえ受ければ何をしてもいいのかい?」

 

エルヴィンから次期団長に指名されているハンジの言葉に「いいえ」と答えてエレンは視線を落とす。

 

リヴァイ「だがな、最終的におまえを選んだのはオレだ。いや、オレの私情でエルヴィンの死に場所をここに決めちまったんだ

 

アルミン「それじゃぁ分かりません。エルヴィン団長が死んでいいわけがない。団長がもういないなんて、ボクたちはこの先どうすれば・・・」

 

ハンジとにかくエルヴィンが注射を託したのがリヴァイであり、そのリヴァイが君を選んだ。もう何も言うまい。君にはエルヴィンの命と巨人の力が託された。誰に何と言われようと君はもうそういう存在なんだ、アルミン

 

なぜ最終的にアルミンを選んだのか、その詳しいいきさつは、ハンジすら知らされていないようだった。「君にはエルヴィンの命と巨人の力が託された」。ハンジの言葉は重い。

 

アルミン「ぼ、ボクがエルヴィン団長の代わりをですか。そんな、バカなことが──」

 

リヴァイ「勘違いするな。おまえじゃエルヴィンの代わりにはなれねぇ。だが、おまえはおまえで、人にはない力を持っていることも確かだ。オレは後悔するつもりはない。ただ、こいつらを後悔させるな」

 

リヴァイは神妙な顔で並んで座っているエレンとミカサの頭に手を乗せ言った。

 

リヴァイ他の誰も、おまえ自身も後悔させるな。それがおまえの使命だ

 

重苦しい空気とリヴァイの名セリフをぶった切ってサシャが呻く。「うるさい」。それを聞いてハンジが笑い声をあげた。

 

ハンジ「ハハハ、サシャにはかなわないな。ま、私もエルヴィンの後任の調査兵団団長としては、君と似たような立場だ。こうなればお互い、腹をくくるしかない」

 

アルミン「──はい」

 

ふぅ。エルヴィンかアルミンか、どちらの命を救うかでたっぷり1話を使った前回の続きです。リヴァイが判断を任された注射の使い道をアルミンに決めた──それは、注射をいつ誰に使うかの権限をリヴァイに委ねたエルヴィンの意思ともいえます。おそらくエルヴィンに意識があったなら、きっと彼自身もそれを望んだことでしょう。自分が皆を導けるのはここまでだ、という自覚が彼にはあったから。

 

エルヴィンの死を受け入れ、いわば屍の山の一部となったエルヴィンたちの上に立つ。これまでエルヴィンが感じてきた心臓を捧げた者たちの無言の圧力や視線を受けながら、これからはアルミンもハンジも生きていくことになるわけですね。それは重いけれど、とてもリアルな感情。人間のさまざまな感情をていねいに描けるのも長編ならではです。アルミンの戸惑いが手に取るようによく描けていましたよね。

 

5年を経て、ようやくたどり着いた地下室には何が──?

 

ハンジ新団長の最初の指示は、地下室に行く人選だ。

 

ハンジ「アルミンも問題ないなら、そろそろ行こうか。私とリヴァイ、エレンとミカサで調査に向かう。他の4人は、シガンシナ区壁上で四方から見張ってくれ」

 

さっそく地上に降り立ったエレンは、リヴァイに促され生家に案内する。エレンとミカサは嫌でも昔の街の様子を思いだす。賑やかで活気のあった街並みは5年を経て、壁は崩れガラスは割れ、そこにもうツタが生い茂っている。小さな木箱を囲むように転がっている4つの椅子。そこではいつもハンネスたちが、酒を飲み赤い顔で笑いあっていた。

 

突如現れた「超大型巨人」が蹴破った外門から巨人がなだれ込んできた、あの日。エレンは息せき切って家を目指した。その角を曲がれば家が──そう思いながら走った。今、すっかり草に覆われた地面には見覚えのある靴が片方──。

 

地下室に続く扉を見つけた4人は、扉を塞いでいる大岩をなんとかどけ、階段を下りていく。エレンの家はあの戦闘でも焼けずに残っていて、ハンジが心配していたように地下室に水が溜まっていることもなかった。

 

階段を下りた先にはカギのかかった木の扉がある。「エレン」とリヴァイに促されてエレンは首から下げている鍵を取り出す。肌身離さず身に着けている父・グリシャからもらった鍵だ。しかしその鍵は、扉の鍵ではなかった──結局リヴァイが扉をぶち破って4人は地下室に侵入した。

 

ハンジ「何だか、研究室みたいだね」

 

エレン「父は医者だったので。よくここに籠って薬の調合をしてました」

 

ハンジ「なるほどね。たしかに、この薬品も明示されている通りなら、一般に流通しているものだし、どの本も医学に関するもの。一見して医者の仕事部屋だ。”何も怪しいものはありません”私にはそう主張しているように見える」

 

壁ぎわに置かれている本棚と薬品棚。真ん中に机がひとつ。そう広くない地下室で立ち尽くすエレンとミカサにリヴァイが声をかける。

 

リヴァイ「おい、突っ立ってんじゃねぇぞガキども。エルヴィンの勘はそう外れねぇよ」

 

「ハイ」と答えてエレンとミカサも怪しそうな何かを探し始める。ここはエルヴィンが、すべてを投げ出しても行きたいと願った場所。教師だったエルヴィンの父親が立てた仮説の答え合わせができる場所。

 

床に落ちたグラスを拾おうとしてかがみこんだミカサが、机の脇に開いた鍵穴を見つけた。

 

ミカサ「エレン、ここに鍵穴がある」

 

今度こそ、とエレンは父から託された鍵を使う──カチリと手ごたえがあり引き出しが開いた。一見空っぽの引き出しは二重底になっていて、底板を外すと、3冊の本が見つかった。

 

リヴァイ「オレたちの探し物はこれらしい」

 

エレンとミカサはそろって本に手をかける。表紙をめくると、1枚の小さな肖像画が貼り着けてあった。

 

エレン「これは、肖像画──」

 

ハンジ「ちょっと見せて。いや、人が描いたものとは思えないほどの精巧さだ」

 

ハンジが手にしている小さな肖像画の裏に文字が書いてあるのにミカサが気づいた。

 

ミカサ「それ、おじさんの字」

 

ハンジが読み上げる。

 

ハンジ「これは絵ではない。これは被写体の光の反射を特殊な紙に焼き付けたもの。写真という。私は人類が優雅に暮らす壁の外から来た。人類は滅んでなどいない。この本を最初に手にする者が同胞であることを願う」

 

写真には、一人掛けの椅子に座る女性と、女性の膝に乗る小さな男の子。椅子の隣に立つ男が写っている。男は、若い頃のエレンの父親・グリシャのように見えた。

 

現在公開可能な情報

地下室の鍵

壁の外から来た、数々の謎の真相を知る人物であるグリシャ・イェーガーが、その息子に託した地下室の鍵。世界の成り立ちに関する、誰にも話せなかった真実がその向こうにあるに違いない。

 

英雄たちの帰還

 

その頃、調査兵団の帰りを待つザックレー総統、ピクシス指令、憲兵団のナイル・ドーク師団長らはテーブルを囲んでいた。ナイル・ドークは、かつてエルヴィンから訊いた話しを他の者に披露しているところだ。

 

ナイル・ドーク「そのとき、エルヴィンはこう質問しました。”壁の外に人類がいないって、どうやって調べたんですか”、と。彼いわく、人類が壁の外をろくに出歩けない以上は、人類が巨人に食いつくされたことを確認できないはずだと」

 

どうやらナイル・ドークはエルヴィンと同期のようだ。入隊したばかりの新兵のころ、エルヴィンは自分が調査兵団を志願する動機を、周りの者に話していたという。その頃に訊いた話しのようだ。

 

エルヴィン「それなのに、歴史書は”食いつくされた”と断言している。本来、歴史書というのは客観的であるべきで、”食いつくされたと思われる”と表記するのが正しいはずだ」

 

「そんなもの、言葉の揚げ足取りじゃないか」と答えるナイル・ドークにエルヴィンは声を荒げた。

 

エルヴィン「違う。主観的な意図があるんだ。たとえば、壁外に人類はいないと思いこませたい──とか。それはつまり、歴史書を発行する王政側の意図だ

 

ナイル・ドーク「考えすぎだよ。そういうの、屁理屈と言うんだ」

 

かつてナイル・ドークはそう言ってエルヴィンの言葉を真に受けなかった。エルヴィンの言う仮説が真実味を帯びてきた今、ナイル・ドークはかつての自分の態度を後悔しているのだ。

 

ザックレー総統「本人に直接詫びるしかあるまい」

 

ピクシス指令「もう夜が明ける頃か。英雄の凱旋となるなら、もうじき──」

 

そこに女性兵士が慌てた様子で入ってきて告げる。

 

女性兵士「ただいま、調査兵団が帰還いたしました。ウォールマリア奪還、成功です!

 

歓喜にわく民衆を下に観ながら壁の上に立つたった9人の英雄たち。その手には、5年という長い歳月と膨大な犠牲を払って手に入れた3冊の本が握られていた。

 

ウォールマリア奪還作戦、ここに終結!

 

シガンシナ区の外門に開いた穴を塞ぎ、中の巨人を駆逐し、さらに「超大型巨人」の力を奪ったわけだから、もう二度とこの門が壊されることはありません。ジークやライナーを捕えたわけではないので、壁の中が絶対に安全とは言い切れませんが、「奪還作戦は成功」とされました。

 

長かった。

 

第1話でシガンシナ区の外門が壊され、エレンの母親が目の前で巨人に捕食されたあの日から、なんと5年の歳月を経て、ついにウォールマリアおよびシガンシナ区を巨人の手から奪還しました。

 

さらに巨人の謎が隠されていると思しきエレンの生家の地下室にも、ようやくたどり着くことができました。エルヴィンが知りたいと願っていた答え。「壁の外に人類がいるのではないか?」それを知ることは王政にとって都合の悪いことで「我々は何らかの方法で記憶を消去されたのではないか」というエルヴィンの父の仮説の答え合わせができる場所。

 

エルヴィンの答え合わせは「正解」でした。

 

エレンの父・グリシャが残した3冊の本。そこには、この世界の真実が記されているはずです。その詳細な研究はこれからするとして、まず分かったことは、外の世界に人類がいるという真実でした。

 

かつてエルヴィンからその話しを訊かされていたナイル・ドークは、「それは屁理屈だ」と茶化してしまったことを後悔しています。それに対してザックレー総統は「本人に直接詫びるしかあるまい」と──。もちろん、それはもう永遠に叶いませんが。

 

外の世界の人類は、壁の中の人類と異なる文明を持っています。その証拠が1枚の写真です。壁内に写真の技術はありません。その1枚の写真が、グリシャ言うところの「優雅な暮らし」が壁外に実在することを雄弁に物語っています。ここ、視覚で訴えかける、上手い演出だと感心しました!

 

これまで「壁内の人類vs巨人」の狭い場所での戦いだった物語は、この3冊の本を契機にぐっと広がりを見せるはずです。辛く、困難な道のりを経て、調査兵団はようやくここにたどり着きました。今期のオープニングもエンディングも、これまでの振り返りのようになっているのは、こういう理由だったのですね。

 

物語はここで、大きな一区切りとなりました!

 

あいびー

今後、壁内で行われるのは3冊の本の研究とともに、王政の見直しでしょうか? ライナーがハンジに託した「ユミルからクリスタ(ヒストリア)への手紙」に何が記されているのか、そしてヒストリアが今後どうなるのかが気がかりです。

グリシャの物語

 

舞台は変わり、エレンの父・グリシャが幼い頃のこと。

 

グリシャにはフェイという名の妹がいた。グリシャとフェイは、飛行船が観たくてたまらない。外に飛び出そうとする二人を母親が呼び止めた。

 

「待ちなさい二人とも。外に出るときは、腕章を忘れるなって言ってるだろう? グリシャ、壁の外には絶対に出るんじゃないよ」

 

グリシャ「分かってるよ母さん」

 

フェイ「行ってきまーす」

 

母親に腕章をつけてもらった二人は通りに飛び出してゆく。暗い色のれんがで造られた大きな建物と石だたみ。グリシャが幼い頃を過ごした街は、壁内とは様子がだいぶ違っている。空には真っ白な飛行船が、ゆっくり進んでいくところだった。

 

フェイ「いいなぁ、いつか私も、お金持ちになったらあの飛行船に乗れるかなぁ?」

 

グリシャ「何言ってるんだよ。オレたちが金持ちになれるわけないだろう」

 

フェイ「──うん。でも、いいなぁ。あそこから何が見えるんだろう?」

 

飛行船は丈高い壁を越え、その向こうに姿を消そうとしている。二人は壁の内側に立ち、飛行船の行方をただ見送っていた。

 

壁の向こうはこちら側と違い、明るいクリーム色のアーチ型の飾りがついた建物が並んでいる。壁の向こうに行こうと思えば、間にあるゲートを通らなければならない。ゲートには鉄線を編んだ頑丈な柵で扉が作られていて、両脇に通行を厳しくチェックする人間が配備されている。彼らは肩にライフル銃をかついで、行き来する人間の通行証をいちいち確認している。

 

グリシャ「行くぞフェイ。飛行船の発着場は近くにあるって先生が言ってたんだ。見に行こう!」

 

フェイ「でもお母さんが壁から出たらダメだって」

 

グリシャ「いいんだよ、少しだけなら」

 

突然グリシャは妹の手をつかむと走り出した。「すぐに戻ります!」と言ってゲートを走り抜ける二人。この日、グリシャは「この世の真実」と向かい合った。

 

外の世界は、現実世界に近い文明を築いているようです。年代でいえば19世紀後半くらいでしょうか? イギリスのヴィクトリア朝あたりのように見えます。シャーロックホームズの舞台になった頃です。

 

あいびー

壁内の世界と外の世界。まったく違った文明をもつこの二つの世界はどんな位置にあり、それぞれの関係性はどうなのでしょう? そこに巨人や王家がどう絡んでくるのか。少しずつ進撃の巨人の世界の本当の姿が明らかになってきますね! 次回57話のタイトルは「あの日」。グリシャの過去に起きた、ある衝撃的な出来事が語られるようです。

 

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