6歳のトルフィンの目付きを変えた、壮絶な父の最期!シーズン1、第4話「本当の戦士」のあらすじ感想考察を紹介します。2019年7月~放送の「ヴィンランド・サガ」は、1000年前の北欧を舞台にヴァイキングの生き様を描いた骨太な物語



第4話/描きたいのは「人としてのカッコよさ」──それがよく表現された神回

▲トールズとアシェラッドの決闘 出展/TVアニメ「ヴィンランドサガ」公式

 

#4

本当の戦士

Real warrior

 

補給に寄ったフェロー諸島で、フローキに雇われた海賊・アシェラッド兵団がしかけた罠にはまったトールズ一行。退路を断たれた形で崖の上から弓で狙われ、前から2隻の海賊船が現れた。アシェラッドの手下は手練れ──つまり農民が夏場だけやっているような海賊ではなく、職業としてやっている海賊だと見抜いたトールズは、はやるアーレをおさえ、一人で敵船に乗り込んだ。

 

アシェラッド兵団の古株ビョルンは、「狂戦士のキノコ」を食べ、一人でやらせてほしいとアシェラッドに言う。

 

ビョルン「おぉいアシェラッド、あれ、オレに任せてくんねぇか? あれっぱかしに全員でかかっちゃ面白くねぇ。ヨームのトロルってのがどんなもんか、オレが試してやるよ

今回のテーマは「トールズのしにざま」です。

▲第4話の舞台はフェロー諸島 出展/TVアニメ「ヴィンランドサガ」公式」

 

襲い掛かるアシェラッドの手下たちを拳だけでつぎつぎと倒してゆくトールズを、アシェラッドたちもレイフたちも呆然として眺めている。

 

ヨームのトロル、恐ろしく強い!

 

「どうするよ、ビョルン」と、一人が振り返ると、ビョルンは白目をむいて唸り声とともに手近な手下たちを襲い始めた。狂戦士のキノコが効果を表しだしたのだ。両の拳で船を叩き壊しそうな勢いのビョルンを止めようにも、ひどい暴れようで手がつけられない。

 

「逃げろ、あぁなっちゃもう手がつけられねぇ!」と、手下たちはビョルンの船から逃げ出した。我を忘れてマストに額を打ち付けているビョルンを見てトールズは悟った。

 

トールズ狂戦士のキノコを食べたな

 

やがてトールズに気がついたビョルンは、雄たけびを上げ襲い掛かる。トールズは初撃でビョルンの右目を殴ったものの、ビョルンはひるまず突進してくる。それを冷静にアッパーカットで倒したトールズは「さて、もう1隻」と、辺りを見渡した。狂戦士化したビョルンから逃げて海に飛び込んでいた海賊たちは「素手でこんな・・・バケモノ以上だ!」と、驚きを隠せない。

 

アシェラッドが乗ったもう1隻の船は、トルフィンたちの船に横づけし、板を渡して今や乗りこもうとしている。そこにビョルンが降ってきて、渡し板を壊して海に落ちた。トールズが投げつけたのだ。同時にトールズがトルフィンたちの船に跳んで来て、もう1枚の渡し板を剣で叩き切った。

 

トールズ「聞け! おまえたちの戦力は既に半減した。去るがいい。命までは取らぬ!」

 

焦る手下どもをよそに、アシェラッドは嬉しそうに目を輝かせた。

 

感想&考察1、身軽で重い。さらに冷静な百戦錬磨!

 

さてさて。前回の第3話では、トールズがこれまでどんな人生を歩んできたのか、どんな考えをもつ男なのか、過去や内面を中心に描かれていました。そして今回は、かつてヨーム戦士団の大隊長をつとめ「ヨームのトロル」の異名をもつトールズの実力が描かれます。

 

いや~、何ですかコレ! 武器を手に襲い掛かる敵をほぼワンパンで沈めています。狂戦士のキノコを食べてバーサク状態のビョルンも、まるで歯が立ちません。2撃で撃退です。トールズは1撃1撃がとても重い感じですね。しかも船から船へとピョンピョン跳び移る身軽さも併せ持ちます。さらに状況判断が的確で冷静。まさに百戦錬磨! この戦い方は、第1回の最初の方でもありましたよね。あのときも眉ひとつ動かさず、息も乱さず機械のような的確さで戦っていました。

 

狂戦士のキノコを食べてゴリラのように暴れるビョルンにちょっと期待していたのに、ダメじゃん~! 力は強いかも知れないけど、頭やられちゃってるから、冷静なトールズにはまったく通用しなかったですね。いや、しかしトールズ強い!

 

父の強さを目の当たりにしたトルフィンも嬉しそうです!

 

決闘! トールズvsアシェラッド

レイフ「たまげた男だ。一人で軍船2隻を相手に1歩もひかん」

 

睨み合うトールズとアシェラッドたち。「去れ」とは言ったものの、そうやすやすと去るわけがないのは、トールズも承知の上だ。崖上の射手はまだ弓を射る気配がなく、目の前の相手はざっと30人。この人数なら一人で相手ができるが、船の間隔が近いので総出で飛び移られてはやっかいだ──と、トールズはトルフィンに視線をやる。オレだけならともかく──と、さらに相手の顔ぶれに視線を走らせ、トールズはアシェラッドに目をつけた。

 

トールズ「きさまが首領か。全能のオーディンの名においてきさまに決闘を申し込む。きさまが勝てば好きにするがいい。オレが勝ったならすみやかに兵を引け。断るというのなら、きさまはわずか12人の奴隷を得るためにその3倍の部下を失うことになる」

 

アシェラッド「質問してもいいかな。なぜオレが首領だと思う?」

 

トールズ「ニオイだ」

 

アシェラッド「ハハハ、さすがだねぇ。いいだろう、この決闘受けよう。オラフの子アシェラッド、オーディンの名において誓う。──オレもね、あんたからニオイを感じるんだよ。オレと同じニオイだ。ヨームのトロルよぉ」

 

トールズオレを知って・・・)「フローキか

 

そこにトルフィンがしゃしゃり出る。

 

トルフィン「父上をおまえみたいなワルと一緒にすんなー! 父上は強いんだ。しんじゃえ海賊、バーカバーカ変な鎧!」

 

「こら下がってろ」とトールズにたしなめられるトルフィン。

 

アシェラッド「ハハハ、元気なじゃりだな。あんたの子かい?」

 

トールズ「アシェラッド、きさま妻子はいるか?」

 

アシェラッド「いや」

 

トールズ「そうか・・・始めよう!」

 

トールズは背中の剣を抜き、のしのしとアシェラッドに近づいてゆく。アシェラッドはトールズの戦い方が分からないので、とりあえず得意の奇襲に出ることにした。帆を張っているロープを切ると、二人の間に帆が落ちてきて一瞬、視界を奪った。その隙にアシェラッドは帆の下からトールズに近づき切っ先で胸を斬った。鮮血が飛び散りトールズの胸に血が滲む。

 

アシェラッド(浅い!)

 

トールズは脚でアシェラッドを蹴り上げようとするが、アシェラッドはひらりと体を交わして跳び退った。「さっすが首領!」「アシェラッドにかなうヤツなんかいねぇぜ!」と、海賊側から歓声が上がる。

 

アシェラッド(かわされた。必殺の間合いを。もう奇襲はきかねぇだろうな。こんな辺境までわざわざ足を運んだかいがあったぜ。なかなかの男がいるじゃねぇか)

 

トールズは胸の傷に手を当て、出血しているのを確かめ少し驚いている。それから一つ大きく息を吐き落すと言った。

 

トールズ強いな。許せ、アシェラッド。手加減はできん

 

アシェラッド「へへっ、会えて嬉しいぜ、トールズ」

 

トールズは猛然と剣で攻撃しだした。アシェラッドは防戦一方だ。アシェラッドはトールズの狙いが、自分の剣を折ることだと気がつく。しかし、剣へのダメージはトールズの方にもあるはず。そう睨んで放った一撃で、狙い通りトールズの剣が折れた。

 

アシェラッド(狙いが読めりゃ、剣筋も読めるぜ!)

 

勝ちを確信したアシェラッドはトールズの頭上に真っ直ぐ剣を振り下ろす。

 

トールズ来た。大振り

 

大振りを待っていたトールズは身をかがめ、拳でアシェラッドの伸びた肘を叩き上げる。思わずアシェラッドは剣を放し、それを空中でトールズが受け止めてそのままアシェラッドの首にピタリとつけた。

 

ここに至りアシェラッドはトールズの戦術にかかったことを悟る。トールズは自分の剣を折らせ、慢心したアシェラッドが剣を大振りしてくるのを待っていたのだ。すべて読み切っての戦いだった。

 

アシェラッド(なんてこった。このオレがいいように踊らされるとは)

 

降参を促すトールズにアシェラッドは「それだけは言えない」と意地を張った。

 

アシェラッド「どうしたやれよ。オレをころさん限り、この決闘は終わらんぞ」

 

トールズ「認めろ。この決闘はオレの勝ちだ。すみやかに兵を引け

 

アシェラッド「本当に強いなトールズ。あんたなら1軍の大将も務まるだろう。だがなぜだね、それほどの腕がありながら、15年もアイスランドに。もったいないと思わんか」

 

トールズ「思わん。こんなものに頼らざるを得んのは、オレが未熟だからだ。本当の戦士には剣などいらぬ

 

しばらくの沈黙をやぶってアシェラッドが言った。

 

アシェラッドトールズあんた、オレたちの首領にならんか

 

言ってはみたものの、そうもいかんかと視線を落とし、「なーんちってね!」とごまかすアシェラッド。誰の目にも負けがはっきりしているアシェラッドの本心だったろう。

 

トールズとアシェラッドが交わした戦士の約束

▲トルフィンの父トールズ 出展/TVアニメ「ヴィンランド・サガ」公式

 

バーサク状態が解け、目をさましたビョルンが船に跳び移ってきてトルフィンを人質に剣をつきつける。ビョルンはアシェラッドとトールズが決闘をしていたことを知らないのだ。

 

ビョルン「どいつも動くな。ガキの首から下がなくなるぜ。剣を捨てろ、早くしやがれ!」

 

トールズ「アシェラッド、きさま!」

 

トルフィン「父上ー!」

 

アシェラッド「フハハハハハ。まぁったく人がいいな。オレらが決闘の作法を守ると思ったか? ちょこっと遊んでみたまでよ。音に聞こえたヨームのトロルがどんなもんか。なかなか楽しかったよ」

 

しかたがないとばかりに一瞬目を閉じ、トールズはまたアシェラッドの首に剣を付ける。

 

トールズ「アシェラッド。おまえたちは決闘の作法を乱した。この勝負、オレの勝ちだ」

 

アシェラッド「フン。どっちでもいいさ。オレの狙いはあんたのタマだ」

 

トールズ「分かってる」

 

そう言うとトールズはアシェラッドの首につけていた剣を海に投げ捨てた。

 

アシェラッド承知した。この決闘は、あんたの勝ちだ

 

やおら上げたアシェラッドの左腕を合図に、崖の上から放たれた弓矢がトールズの身体じゅうに突き刺さる。

 

トルフィン「父上ーーーーーーーー!」

 

仁王立ちのまま矢をうけ切ったトールズはアシェラッドに向き直り念を押した。

 

トールズアシェラッド。この勝負、オレの勝ちだ。戦士の約束をたがえるなよ

 

アシェラッド分かっている。我が先祖アリトリウスの名にかけて、すみやかに兵を引こう

 

この言葉に安堵の表情を浮かべたトールズは、少し息を乱しながらもレイフに言葉をかける。

 

トールズ「レイフさん。すまないが頼みがある。オレの首をヨームの首領シグバルディに届けてくれ。招集を嫌って行方をくらましたと誤解されたら、村が報復を受ける」

 

レイフは滂沱の涙を流しながら「おまえというヤツは」と膝を折る。トルフィンを捕えていたビョルンは「今すぐその子を放せ」とすごまれ、思わず手を緩める。その隙にトルフィンはビョルンを逃れて父に駆け寄った。

 

服にすがって泣くトルフィンの頭に手を置き、トールズは「良かった、とりあえず」と息を吐いた。額には玉の汗が浮かんでいる。二人の様子をじっと見守っていたアシェラッドに向かい、アーレが剣をかざして飛び掛かってきた。アシェラッドはアーレの頬にパンチを見舞ってからドスのきいた声を響かせた。

 

アシェラッド「クソガキめが。今日から命を大事にしやがれ。トールズに感謝するんだな。てめぇらクソガキ100人でもつりのくる死だ

感想&考察2、最高にかっこいい男・トールズ

 

海賊の手下どもをワンパンで、バーサク状態のビョルンをツーパンで倒すトールズ。恐ろしいほどの強さでしたね! 味方に被害を出したくないトールズは、海賊の首領アシェラッドに決闘を申し込みました。ここで、なぜ自分が首領だと分かったのか? とアシェラッドは問い、トールズは「ニオイ」だと答えました。

 

「戦士のニオイ」でしょうか。肝の座った隙のない佇まいや目つき、全身から発するオーラのようなものでしょう。強者特有の気配──ですかね。さらにトールズは「人間として信頼できるかどうか」まで見抜いたのでしょう。信頼できない相手では、決闘は成り立ちません。

 

最初の奇襲でアシェラッドは、トールズの胸に傷をつけました。身体に傷をつけられることなど、滅多になかったのでしょう。トールズはアシェラッドの強さを認め、手加減なしで戦うことにします。

 

結果、アシェラッドは負けますが、首領としての意地があるので、手下の前で「降参」とは言えません。「降参」と言うよりころされる方を選びます。しかしトールズは、人をころすのはもう嫌です。

 

トールズは何度も念を押します。この決闘で勝ったのはオレだ、と。そして剣を海に投げ捨てます。ついにアシェラッドは負けを認めました。「この決闘はあんたの勝ちだ」と。これで交渉成立です。アシェラッドはすみやかに兵を引くと約束しました。

 

その上で、トールズはアシェラッドの顔を立てて自分の首を差し出したのです。トールズたちは仲間の無事を得、アシェラッドたちは目的の物(トールズの首)を得る──そういう交渉です。

 

ことの成り行きに驚くばかりの手下たち。涙を流し悔しがるレイフたち。おろおろするアーレたち。取り乱すトルフィン。そんな中、アシェラッドだけは真剣なまなざしでトールズの最期を見届けていました。アシェラッドはひょうひょうとしているように見えて、戦士としての筋をきっちり守る男のようです。飛び出してきたアーレに言った言葉「クソガキめが。今日から命を大事にしやがれ。トールズに感謝するんだな。てめぇらクソガキ100人でもつりのくる死だ」が、アシェラッドのトールズへの尊敬の念を明確に表していますね

 

結局、茶化してしまったけれど「首領にならないか」とトールズを誘ったのも本心です。けれど、トールズの目に少しの迷いもないのを見て、答えをきく前に冗談と紛らわせてしまいました。

 

じつはこの作品は、見た目のカッコよさを越えたところにある「人としてのカッコよさ」を描きたいという想いから創られたのだそうです。トールズ、最期まで最高にかっこよかったです!

 

「なんで父上がしんで、あいつが生きてるんだ! ちくしょう!」

 

たった6歳のトルフィンに、トールズの最期の意味を正確に理解することはできない。大好きで強い父を失った悲しさと、決闘に負けたのに生き残ったアシェラッドへの憎しみばかりが頭を占めている。

 

トルフィン「父上がしんだ。あんなに強い父上が──なんで剣を捨てたんだ。戦士に剣はいらないなんて、そんなはずないじゃないか! なんで、なんで父上が・・・。ちくしょう、アイツ。父上に負けたくせに! ちくしょう! なんで父上がしんで、アイツが生きてるんだ。チクショウ、チクショウー!」

 

約束通りレイフたちは無事に岐路につき、アイスランドからトールズたちが乗ってきた軍船はアシェラッドたちがもらうことになった。トールズがいなければ動かせないからだ。その船底に隠れていたトルフィンは、甲板に出て怒りに燃えた目で海賊たちを睨んでいた。海賊たちの船とトルフィンの乗る船は、ロープでつながれている。

 

海賊「トールズのガキだ。船底に隠れていやがったな」

 

トルフィン「よくも、よくも父上をころしたなー! おまえもころしてやる! ぜったいにころしてやる!」

 

涙とともに絶叫する姿に、それまで「あーこわい」と茶化していた海賊たちも真顔になった。

 

海賊「ガキのくせに、なんて目ぇしやがる──どうする? アシェラッド。海に捨てるか?」

 

アシェラッド「ほっとけ、どうせすぐしぬ」

 

月の輝く海を行く船の上、トルフィンは父にもらった短剣を握り締めていた。悔し涙がぽたぽたと甲板を濡らした。

 

感想&考察3、あんなに可愛らしかったトルフィンの目つきが変わった──。

▲トルフィン6歳 出展/TVアニメ「ヴィンランド・サガ」

 

アイスランドの村を出航するとき、姿をくらましていたトルフィンに何か言い残そうとして上手く言葉が出なかったトールズですが、こうして男として最高のしにざまを息子に残すことになりました。強い戦士や外の世界に憧れる6歳のトルフィンは、レイフに船に乗せてとせがみ、家で本物の剣を探しました。そのときトールズが言った言葉と、今回、アシェラッドとの戦いの中で残した言葉。

 

おまえに敵などいない。誰にも敵などいないんだ。傷つけて良い者など、どこにもいない

 

本当の戦士に剣など必要ない

 

どちらも一見、矛盾しているように思える言葉です。けれど、これがトールズの本心でした。その証拠にトールズは拳だけで海賊どもを倒し、決闘でのみ剣を使いました。しかも剣を使いながらも「こんなものに頼らざるを得んのは、オレが未熟だからだ」と言います。

 

命をかけて息子に残したトールズの言葉。きっとトルフィンはこの言葉の意味を探り、いつか知ることになるのでしょうね。でもそれは、ずっと先のことになりそうです。この物語は、少年トルフィンが父が残した言葉の真意にたどり着くまでを描いた物語なのかも知れません。

 

父親を失ったことをきっかけに、トルフィンの目付きが劇的に変わりました。もう、あの可愛らしかったトルフィンはいません。父の短剣を握り締め、アシェラッドへの復讐だけを胸に生き延びていくのでしょう。たった6歳──とても厳しい道のりとなりそうです。

 

ところで、トールズに他の選択肢はなかったのか? を少し考えてみようと思います。フローキから戦線復帰を促され、しぶしぶ出かけたトールズですが、レイフが村娘に語った言葉によると、トールズは一人でヨーム戦士団の本拠地に向かうつもりだったようです。

 

Case1、ヨーム戦士団に行っていたらどうなった?

一人でヨーム戦士団の本拠地ヨムスヴォルグにもどったトールズはどうしたでしょう? またかつてのようにヨーム戦士団に加わり傭兵として生活していくのでしょうか? それでは、逃げ出した意味はありませんよね。しかも、かつての仲間たちはとても歓迎してくれるとは思えないし。

 

だいたいヨーム戦士団の首領シグヴァルディがその気になれば、とっくの昔にトールズと娘のヘルガの居場所などつきとめられていたでしょう。それでも放置していたのは、お目こぼしだったのでしょう。

 

そんな首領へのケリのつけ方といえば──結局、目覚ましい働きをしてヨーム戦士団に尽くすか、本当に戦死することしかなかったでしょう。

 

Case2、アシェラッドたち海賊の首領として生きていくとしたら?

トールズの強さにほれ込んだアシェラッドがつい言ってしまったように、もしトールズがアシェラッドたち海賊の首領になっていたら? もちろん、人を襲って略奪する生き方なんてトールズは選ばないでしょうが、一応その場を収めることができます。レイフもトルフィンもアーレたちも無事に帰ることができます。

 

ただし、どこかの時点でアシェラッドを裏切ることになるのは目に見えています。トールズに、そんなことはできないでしょうね。しかもフローキとの約束を守らなかった格好になるので、フローキがヨーム兵を連れて攻めてくる可能性もあります。さすがのアシェラッド兵団の損害も甚大でしょう。しかもフローキはアイスランドの村を知っています。そちらにも被害が及ぶでしょう。

 

結局、どう転んでも自分が犠牲になるか家族や周りに被害を及ぼすか、どちらかしかなかったわけですね。最初からトールズは、強い覚悟でアイスランドを出航したのでしょう。

 

Case3、もともとフローキの要請を無視したら?

アシェラッドが勘づいたところによると、トールズ処刑命令など出ていないようなので、ヨーム戦士団の首領シグヴァルディの心づもりとしては、トールズが帰ってくるならそれで収めてしまおうと思っていたのでしょう。でも、どうやらフローキはトールズに私怨がありそうなので、また海賊を使ってアイスランドの村を襲わせるかも知れません。今度こそヨーム戦士団を使うかもしれません。

 

一番いいのは、時間かせぎをしてレイフと一緒にヴィンランドに移住することのような気がします。確かに過去の自分ときちんと向き合いケリをつけるのも大事ですが、「逃げる」という選択肢もあると思うのです──。もちろん、トールズ一家だけでなく、できれば村の皆を誘って移住できれば一番なのですが。皆を説得して準備して──現実的に難しいかもね・・・。

 

あいびー

いよいよ次回からは、トルフィンの物語がスタートします。寒く、頼れる人もいない場所でたった一人で、どうやってトルフィンが生きていくのか、その成長をしっかり見届けたいと思います。ところで、今回のエンディングがあまりにぴったりすぎて! トールスの思いが溢れていて泣けました!

おまけ/原作者・幸村誠氏のつぶやき

 

トールズはトルフィンの中に生き続けるのはもちろん、アシェラッドにも忘れられない男ですよね。本当にかっこよかったです。自画自賛していいと思います幸村先生!

 

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