2019年1月~放送のアニメ「どろろ」。第16話「しらぬいの巻」の詳細なあらすじと見どころを紹介します。「最低男イタチを叱り飛ばすどろろがカッコイイ!」あわせて感想もどうぞ!【注意】完全ネタバレです!



第16話/「下を向くな、顔を上げろ。野盗なら最後の最後まで、往生際悪くあがいてみせやがれってんだ!」肝の座ったどろろが最高!

 

しらぬいの巻

siranui no maki

 

気持ちのすれ違いから百鬼丸と別れ一人別の道を歩きだしたどろろの前に、裏切り者イタチとその手下が現れました。侍に取り入り、立身出世を目論んでいたイタチですが、結局いいように使い捨てされるだけだと悟ってまた野盗に逆戻りしています。

 

そんなイタチの次なるターゲットが火袋が残した財宝でした。手には、お自夜の背中に彫られていた地図の写しを持っています。

 

どろろ「なんでおめぇがソレを持ってんだ、イタチ!」

 

イタチ「おめぇの背中にも、こいつと同じものがあるはずだ──おい!」

 

イタチが馬上から促すと、手下が二人へっへへと下卑た笑いを浮かべながらどろろに近づいてきます。

 

どろろ「おいらの背中が見たいなら見せてやらぁ──どうだい? 地図なんてどっこにもないだろ」

 

野盗たちに背中を向けて着物を下ろしたどろろ。もちろん、地図なんてありませんよね! それでもイタチはひるみません。手がかりはどろろだけなのだから、と、どろろをさらっていきます。

 

どろろ「ちくしょう、放せ、こんちくしょう。おいらにこんなことしやがって、ただじゃおかねぇぞ。おまえらなんかアニキが来たらこてんぱんだ! バッカヤロー!

 

そう言ってどろろは、後ろを振り返ります。百鬼丸の姿は見えません。(イタチは百鬼丸を知らないはずだから、アニキなんて言っても通じてないでしょうけど!)

 

この言葉から分かるように、どろろはちょっとスネてただけで、本当に百鬼丸と別れようと思ってるわけじゃないんですよね。ただ、百鬼丸がぜんぜん自分の話を聞いてくれないから、感情的になっただけ。お互い頭を冷やそうと、距離をとっただけなんです。

 

どろろがいないと気付いた百鬼丸は、どろろがイタチにさらわれたススキ原のあたりまで引き返してきました。でも、イタチたちは馬に乗っています。どろろの手掛かりはありません・・・。どうする百鬼丸?!

 

一方、イタチはお自夜の背中の地図にある場所を目指しています。どうやらお自夜の背中にはだいたいの場所が、どろろの背中にはさらに詳しい場所が彫られているようです。

 

で。どうやってイタチがその地図を手に入れたかというと・・・。真っ赤なヒガンバナ群れ咲く野の真ん中につくられた真新しい土葬の跡を見つけたイタチが、その墓をあばいたと・・・。

 

ガッデム!

 

イタチどんだけ最低!!!!

 

今回のテーマは「妖とは何か?」。サブテーマは「カリスマどろろ」です。

 

今回のテーマは原点に戻って「妖(あやかし)とは何か?」。もっと言うと「妖(あやかし)はどうやって生まれるか?」に、しました。サブテーマは「カリスマどろろ」を選びました。子どもながらにカッコいいどろろの活躍が見られます!

 

お自夜の地図に従いイタチたちがやってきたのは、小さな入り江の村です。船でしか行けない「白骨岬」と呼ばれる場所が、宝の隠し場所らしい。その「白骨岬」に行く船を求めて海沿いの村に来たのですが、村は廃村で、人もいなければまともな船もありません。

 

戸口にナタが刺さっていたり、あちこちに流血の跡があるので、ひどい惨劇が繰り広げられたことだけは分かります。イタチは野伏せりのせいかと見当をつけます。そこに、真っ黒に日焼けした片腕の男(しらぬい)がやってきました

 

しらぬい「船ならあるぜ、どこへ行きたいんだ」

 

イタチ「あの岬だ」

 

しらぬい「いいぜ。その代わり金はもらうぞ」

 

イタチ「おまえだけか。他の村のもんはどうした?」

 

しらぬい「野伏せりに襲われて、みんな死んだ」

 

どろろ「あいつ、なんか変だ。やめておいた方がいい」

 

どろろの忠告を無視して、イタチはしらぬいの船に乗り込みます。

 

2艘の船に分かれて乗り込んだイタチたちの船は、漕ぎ手もいないのに動き出します。なんと、2匹のサメが縄をくわえて引っ張っているのです。しらぬいは2匹のサメに名前をつけていました。「二郎丸」、「三郎丸」と。そして「家族なんだから当たり前だろ!」と笑います。

 

船上のしらぬいは、自分の肩から大きく切り取られた右腕を見ているどろろの視線に気づきます。

 

しらぬい「こいつが気になるか? この腕はなぁ二郎丸たちに食わせてやったのよ。あんまり腹をすかせてかわいそうだったからなぁ」

 

イタチ「自分から食わせただと? 頭イカレてんのかぁ?」

 

しらぬい「別に惜しかねぇさ。この世でこいつらほど大事なもんはねぇからな。ただ──そのせいで人の味を覚えちまってよぉ。それ以外受け付けなくなっちまった。始めは死体を食わせてたんだ。その内、もっとイキのいいもんをと思って女子どもを捕まえてきて食わせた。食うたびにどんどんデカくなって、今や村一つは余裕でたいらげるぜ

 

どろろ「村一つって、まさか」

 

しらぬいあぁ。野伏せりはウソだ。全員こいつらに食わせた

 

イタチも最低だけど、こいつもとんでもなく最低ですね! 最低というより、ここまでくるともう「人」じゃない! 人の形をした妖──つまり「」ですよ! サメを家族同然にかわいがるのは別に構わないけれど、そのサメに食べさせるために人の命をつぎつぎ奪うなんて・・・。そう考えると前回の鯖目も、もちろん醍醐景光も立派な「鬼」なんですけどね──。

 

どろろの向こうに火袋が見えた!

 

しらぬいの合図でどろろとイタチが乗っていない方の船にサメが襲い掛かり、イタチの手下がつぎつぎ食べられます。続いてもう一艘にも襲いかかろうとするサメにしらぬいが言います。

 

しらぬい「一度に食うと腹に悪い。残りを食うのは後にしな。三郎丸、見張りは頼んだぞ。日が落ちたらメシの続きだ!

 

こう言って、しらぬいは二郎丸の背に乗り陸に引き上げていきました。

 

三郎丸はしらぬいに言われた通り、イタチたちを襲うことはしません。けれど、逃がす気もありません。イタチの手下が板切れで船を漕ごうとすると、すぐに水面に顔をだし大きな口で板切れを真っ二つに折ってしまいます。日が落ちかけてきて、もうダメだとすっかり弱気になっているイタチと手下たち。

 

イタチ「こんなことなら、おめぇのおっかちゃんの墓を暴くんじゃなかったぜ。悪かったなどろろ」

 

そこでどろろは、竹の水筒に海水を汲んでイタチの傷口にかけます。

 

イタチ「いてっ、何しやがる!」

 

どろろ「いてぇだろ、いてぇってことは生きてるってことだ。生きてんのに死んだような顔すんな! おいらはな、おとうちゃんやおっかちゃんがいなくても、たった一人で生きてきたんだ。辛ぇことや苦しいこと、死んじまいそうになったことも山ほどあった。それでもな、おいら一回だって弱音なんて吐かなかった。こんなのへっちゃらだって、一人で頑張ってきたんだ。下を向くな、顔を上げろ。野盗なら最後の最後まで、往生際悪くあがいてみせやがれってんだ!

 

イタチ「言いたい放題、言ってくれやがって。気の強さは親父そっくりじゃねぇか。おぉ、おめぇら。ガキにこんだけ言われてんだ。ここで立ち上がらなきゃ、男がすたるってもんよ。それでも泣き言、言うヤツぁ、サメに食われるまでもねぇ、オレがたたっ切ってやる!」

 

やる気は出したものの「でもカシラ、いったいどうすりゃいいんです?」と手下に言われて、すっかり言葉に詰まるイタチです。まぁ、イタチだしね。こんなとこですよね。イタチは楽していい思いをしたいだけの小者だしね。最低な上に、肝も据わってなければカリスマ性もない。でも、土壇場で人に謝ることができるところは評価できますね!

 

情けない顔のイタチを尻目に、ここでまたどろろは男気を出します。自分が体に縄を巻いて海に入りおとりになるから、自分を追ってサメが海の上に顔を出したところで皆で刀を突きさすんだと指示して、海に飛び込みます。この決断力と行動力。さすが火袋の息子、いやもとい娘です!

 

どろろの言うとおりにして、ついにイタチたちは三郎丸を倒しました。

 

イタチ「やった、やったぞ!」

 

どろろ「浮かれてる場合じゃねぇ。そろそろアイツが戻ってくる頃だ。あのお日さんが落ちる前に岬に上がるんだ!」

 

イタチ「いいか、おめぇら。船の腰板を外して櫂がわりにしろ。岸まで死ぬ気で漕ぐぞー!」

 

いいコンビネーション! 大局はどろろが指示して、細かいところはイタチが仕切る。きっと火袋がカシラをしていたときも、こんな具合だったんでしょうね。しらぬいに置き去りにされてからオロオロ情けない顔をしていたイタチも、ずいぶんやりやすそうです!

 

陸に上がればこっちのもの! イタチの逆襲

 

さぁ、夕ご飯の時間だ~! と、二郎丸の背に乗りやってきたしらぬいは、腹を刺され息絶えて陸に横たわっている三郎丸を発見します。そんなしらぬいを取り囲むように、湧いて出たのがイタチとその手下たち。海では不利でも陸に上がればこっちのものとばかり、イタチたちはしらぬいを捕え、殴る蹴るの暴行を加えます。

 

どろろ「なぁ、もういいだろ。これ以上は死んじまうよ」

 

イタチ「こいつのせいで、手下の半分が死んだんだ。殺しても殺したりねぇくれぇさ」

 

どろろ「イタチ!」

 

イタチ「チッ、わぁったよ。そこらに捨てとけ!」

 

どろろはしらぬいに温情をかけ、一旦イタチは反発するものの、結局どろろの言うことをきいています・・・こういう甘いところもどろろは火袋にそっくりで、そんなどろろを、イタチはすっかりお頭扱いしてますよね。どろろに火袋の影を見てしまうところもあるんだろうけれど、子どもながらにどろろのカリスマ性を感じているんでしょう。

 

とはいえ、ソレはソレ、コレはコレとばかりにイタチはどろろに詰め寄ります。

 

イタチ「そんじゃ、そろそろ聞かせてもらおうか。おいおい、金の隠し場所に決まってんだろ。オレぁ諦めるなんて一言も言ってねぇ」

 

どろろ「知らねぇもんは、知らねぇよ」

 

イタチ「おめぇなぁ、すぐ目の前に大金があんだぞ? 欲しくねぇのか?!」

 

そう言われてどろろは琵琶丸の言葉を思いだします。「おまえさんの背中のソレは、人を動かし世を変えるでかい力の源になる」。そんな大金をどう使えばいいのか、どろろにはまだ分からない。おまけに百鬼丸は、野党の財宝に少しも興味がなさそうで──。

 

どろろ「今は欲しくねぇ」

 

イタチ「そうかい。なら、力づくで教えてもらうぜ。オレもこのままじゃ終われねぇんだ。なんとしてでも、もう一旗揚げてやる」

 

背中には何もなかったが他の場所に彫ってあるのかもしれないと、イタチはどろろを丸裸に──。

 

や・め・ろー!

 

かわいそうに、ふんどしまでほどかれて、どろろが女の子だとイタチにばれてしまいました。しかしまぁ、呆れるほどにクズですイタチ! もちろん時代背景からいっても、イタチの今の状況からいっても、どんな手を使っても財宝を見つけ出したい気持ちは理解できるけれど。でも、でも、感情的にこれは許せない!

 

おまけに、たき火に当たったどろろの背中に地図が浮かび上がってきて──どろろの秘密がぜんぶバレてしまいました

 

夜明けとともに、イタチは手下を連れて意気揚々と出かけます。どろろは着物は着せてもらったけれど木に縛り付けられ置いてけぼりです。

 

どろろ「くそ。もどって来い、イタチー! それはお父ちゃんの大事なお金なんだ」

 

その頃、二郎丸は必死にしらぬいを呼び、ようやくしらぬいは目を覚まします。目の前には、三郎丸の亡骸が。

 

しらぬい「二郎・・・丸。三郎丸、痛かったろう、苦しかったろう。あいつら、皆殺しにしてやる──二郎丸ー! ヤツらを食い殺せー!

 

涙を浮かべて復讐を誓ったしらぬいは、二郎丸に命じます。それを聴いた二郎丸の目の色がドス黒く変色して──。

 

あいびー

少し意外に思えるのは、どろろにイタチに対する憎しみが感じられないこと。火袋の下で野伏せりをしていた頃のイタチは、どろろを可愛がっていた風だったので、憎み切れないのかも知れないですね! イタチってずるくてダメなやつだけど、憎みきれないキャラなのも確かですけどね

二郎丸はなぜ妖になったのか?

 

二郎丸は普通のサメだったはずですが、最後に目の色が黒く変色していることから妖になったものと思われます。サメの二郎丸と妖の二郎丸はどこが違うのでしょう?

 

サメは人を食べます。それはサメにとって普通のことです。ただエサを食べているにすぎない。人を食べるからといって、サメ=妖ではありませんよね。でも、妖になった二郎丸は、この先、空腹とは関係なくイタチたちを食い殺そうとするでしょう。主目的は「食べる」ことではなく「命を奪う」ことだからです。

 

自分が「生きる」目的のために他の動物の命を奪うのは肉食動物なら正常なことですが、「命を奪う」目的のために他の動物を殺すのは異常。この異常な状態が妖です。(てことは、動物虐待する人も妖かもね!)

 

それじゃ、どうして二郎丸は妖になったのか? その理由は、今回の物語でしっかり描かれていましたね。三郎丸を殺され、しらぬいも瀕死の怪我を負わされたからです。家族同然の仲間に危害を加えられ、イタチたちに強い復讐心を持ってしまったのです。

 

逆説的に言うと、イタチたちの行動が二郎丸に強いストレスを与え、妖に変えてしまったということ。妖になってしまうと、相手の命を奪うしか頭になくなります。

 

ときどき百鬼丸も鬼(人型の妖)になりかけてどろろに止められますが、それも強いストレスを感じ相手の命を奪うことしか考えられなくなったときでした。

 

もしかしたら、人の行動が妖を生んでいるのではないか──そう思えて仕方がありません。人に対する怨念のようなものが強くなって我を忘れて人の命を奪うようになった状態が、妖の正体じゃないかと思えました。それがすごく強く、さらに人知を超えた術を使えるようになった妖が鬼神なのじゃないかな、と。

 

次回、育ての親、寿海との再会が実現しそう!

 

完全に別行動となってしまったどろろと百鬼丸。どろろを探して闇雲に歩き回る百鬼丸ですが、「地獄変の巻」で義足が壊れてしまい、歩くのもひどく不自由です。たまたますれ違った僧侶が百鬼丸に声をかけます。

 

僧侶「もし、そこのお方。片足での旅はたいそう難儀でしょう。人々の失った手足をつくり、ほどこして回っておられる御仁に心当たりがございます。確か、名を・・・」

 

そんな人は一人しかいませんよね。どうやら次回、百鬼丸と寿海との再会が実現しそうです!

 

失った手足を作り物で補うことはできても、心までは補えない──寿海はそこに限界を感じ、ただ人を救いたいと願ってきた自らの行いに無力感を覚えていました。そして寿海は、自分の本当の身体を取り戻す旅に百鬼丸を出立させたのです。

 

ひとつ、またひとつ身体を取り戻すと同時に、どろろやミオ、琵琶丸、旅で出会った多くの人々との交流から、百鬼丸は少しずつ心を育ててきました今の百鬼丸を見たら、どれだけ寿海は喜ぶでしょう。醍醐領での経験から、かたくなになってしまっている百鬼丸の心も少しほぐれ、良い方向にむかっていけるように思えます

 

次回タイトルは「問答の巻」。百鬼丸は寿海から貴重な意見をきくことができるのかも知れません。どんな再会になるのか、とても楽しみです!

 

▼第3話「寿海の巻」は、こちらをご覧ください。

おまけ。祝「令和」!

 

2019年5月1日。新天皇の即位とともに「令和」時代が始まりました。「どろろ」の題字を書いた書道家・青柳美扇さんによる「令和」の文字です。さすが美麗!

 

どろろ瓦版16

 

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